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経皮感作予防を目的としたアレルゲン遮蔽装具および繊維素材 【用途例】効率的にアレルゲンから皮膚を守る
食物アレルギーの発端であるアレルゲンが体内に侵入して最初の免疫反応を生じる“感作”は経皮的に生じることから、食物に触れる機会の多い食産業従事者は食物アレルギーのハイリスク群と考えられ、実際に症例報告もあります。この“職業性食物アレルギー”の存在は食産業従事者の健康だけでなく就労の継続の観点からも問題視されます。食糧確保は人が生きていくうえで必須であり、食産業従事者の健康と仕事を守るため、食物アレルギーを予防する技術・方法が必要です。私はアレルゲンから皮膚を守るための方法として適切な素材を用いた装具の開発および職業性食物アレルギーの啓蒙とアレルゲン曝露防止方法の普及によって、食物アレルギー患者を減らしたいと考えています。
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単一細胞とナノリットル溶液を操作するマルチピペットアレイの開発 【用途例】マルチピペットアレイ開発によるハイスループット実験の実現
単一細胞解析技術は、単一細胞レベルでの遺伝子発現やそれを制御するメカニズムをDNAレベルで詳細に解析する技術です。単一細胞解析市場は成長を続けていて、主な要因は製薬・バイオテクノロジー業界における研究開発の増加、個別化医療への注目の高まり、幹細胞研究の成長、がんの有病率の上昇などです。単一細胞解析製品のコストが高く、単一細胞解析市場の成長を阻害する大きな要因となっています。ここでより低コスト、容易に単一細胞を扱うツールを開発し、細胞治療につながる細胞間相互作用を調査します。
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次世代エレクトロニクス技術へ貢献するための大気圧プラズマを用いた新たな電気接合技術 【用途例】表面処理・接合技術・ナノ粒子修飾を大気圧プラズマにより簡便に,短時間に
従来のウェアラブルエレクトロニクスの電気接合は,紫外光などで簡便に接合ができる一方,接合するための導電性接着剤の電気抵抗が大きいため,機器の小型・軽量化の妨げにつながります.一般的に電気抵抗の小さな接着剤は加熱処理が必要ですが,ウェアラブルエレクトロニクスに用いられる有機材料を加熱することが難しいことが課題の一つです.この課題を解決するために,化学反応性の高い大気圧プラズマを用いて,加熱フリーな導電性接着剤の接着法の開拓を行います.
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金属スクラップのリサイクル促進を志向した,錯体混合溶液による溶液溶射技術 【用途例】機械・インフラ分野での耐食性・耐摩耗性皮膜を,環境負荷を低減しつつ安価に製造できる溶射技術を実現したい.
工業製品の耐食性と比強度を高めるため,チタン合金の使用は増加している。一方で,鉄鋼材料に比して,チタンおよびチタン合金のリサイクル方法は未成熟である。酸化チタン皮膜の安価な製造法として,かつチタン材料の新たなリサイクル法として,チタン切削屑から酸化チタン原料を得て,溶射原料として活用することが考えられる。提案技術は,工業的にスケールアップが容易な溶射を活用するため,酸化チタン皮膜の安価な製造法としても展開できる。
これまでに,溶液プラズマ溶射法(SPPS)によるリン酸カルシウムや酸化チタン皮膜の製造に成功している.また,酸化チタン皮膜は光触媒特性を示し,特に可視LEDによる抗菌性を発揮するなど,耐食性・耐摩耗性のみならず機能性材料としても使用しうることが見出されている.
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持続可能な環境保全に貢献する新規アンチエイジング化粧品素材の開発 【用途例】アンチエイジング作用を持つ化粧品や健康食品の新規素材として利用
薬用として使用されている素材のほとんどは中国からの輸入に頼り、国内での生産はハトムギ、センキュウやアロエはおこなわれているが確保できる土地、環境や気候条件もあり全体でみると約12%にとどまっている。一方で我が国は四方を海で囲まれ豊富な海洋資源に恵まれている。そこでこの利点を生かし、海水で栽培することができる海藻から有用な素材を創出することで100 %国産の機能性素材を開発する。また本開発で用いる海藻は増殖が早く、新たに増加した炭素化合物の炭素はCO2由来であることが確かめられており、海藻の利用価値を創出してその栽培を拡大することでカーボンニュートラルな社会の実現に貢献したい。
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高性能と長時間運転の両立実現を目指すSOFCアノードへ添加する酸化物助触媒研究 【用途例】水素社会をリードする次世代エネルギーデバイスSOFCを開発
SOFCの性能と安定性の両立のために、安定性確保のための組成であるNiO: YSZ 重量比=4:1にアノードの反応活性助触媒を添加し、少ない3相界面数でも活性を高めることで性能を向上させSOFCのトレードオフ解消を目指した。アノード層中で起こるアノード反応(H2 + O2- => H2O +2e– )で律速となるのがZrO2表面の酸化物イオン伝導あると報告されているので、ZrO2表面で酸化物イオンが高速に移動する領域を助触媒添加で「活性サイト」として形成することが出来れば性能向上につながると考えた。活性サイトは助触媒酸化物とアノード構成材料のZrO2表面に電極焼き付け時と還元処理中に形成されると考えている。ZrO2表面の結晶構造に助触媒の構成元素が一部拡散しそれに伴いZrO2表面の欠陥構造を変化させることで活性サイトとして振る舞う。なお、助触媒にはブラウンミラライト型構造を有する酸化物を電極反応活性助触媒として採用した。
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「引いてダメなら押す」コンセプトに基づいた高機能ハロゲン化触媒の創出と機能開拓 【用途例】有機化学の「定石」に新たな一手を
有機化学は、世界最小の「ものづくり」に挑む研究分野です。多様な機能持つ素材(機能性分子)を創出するため、精密分子加工を実現する新たな技術の開発が求められてきました。 2010年ノーベル化学賞を受賞したカップリング反応は、こうした市場ニーズにズバリ答える技術だと言えるでしょう。有機分子を自在につなぎ合わせることが可能となり、多くの機能性分子が生み出されてきました。では、その「つなぎ目」を作る技術の進展はどうでしょうか?
塩素(Cl)臭素(Br)ヨウ素(I)といったハロゲン元素を含む分子(ハロゲン化合物)は、あらゆる化学結合に変換できる万能な「つなぎ目」であり、ハロゲン化合物を軸に標的分子の合成ルートを設計することが、現代の有機化学での定石となっています。また合成中間体としての価値のみならず、ハロゲン元素の導入によって有機分子の特性をチューニングできることの利用価値は、市販の医薬品&農薬の約60%がハロゲン元素を含むことからも裏付けられています。本研究の目的は、こうした価値あるハロゲン化合物を効率的に合成するため、世界最強の活性を持つ新触媒を開発することです。
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ペルフルオロアルカンスルホン酸の新しい利用法 【用途例】フッ素資源の効率的な利用
身の回りには数多くのフッ素化合物が存在しており,みなさんの生活に欠かせない存在となっています。これはフッ素が他の元素,例えば有機化学の主役である炭素と強い化学結合を形成する特徴があるため,フッ素を含む化合物は,耐熱性や耐薬品性などの様々な特性を有します。そのため,様々な分野で使用されてきました。
ペルフルオロアルカンスルホン酸の1つであるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は,耐熱性,耐薬品性に優れた界面活性剤であり,泡消火剤の有効成分として広く普及していました。PFOSは開発当初は無害であると考えられていましたが,強い化学結合が仇となり,蓄積性が問題となりました。現在,PFOSは残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の附属書B(制限)に記載され,国際的に製造・使用が制限されています。しかし,いまだ未処理の泡消火剤等が多く存在します。これは,単なる焼却しか処理方法がないことに起因しています。そこで,有機化学の力を使って,PFOS化学的に分解するだけでなく,新しい有用な分子へと変換することを目指します。
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形状制約のない力学的異方性材料の簡易な弾性定数計測手法の開発 【用途例】「新規開発材料の基礎特性評価」や「製品の工程管理・品質検査・品質改善」に活用
例えば、航空機、自動車、鉄道などの安全性についての開発は、変形や振動現象を論理的に解明し機体・車体構造を検討することにより進められています。弾性定数は上述した数値シミュレーションに必須な入力値であるとともに、解析精度に最も影響を与える材料物性の一つです。これまでの弾性定数の計測には、シンプルな形状かつ力学的等方性材料に対しては機械的試験法が用いられており、力学的異方性材料に対しては複数の異なる機械的試験法が用いられております。しかしながら、3次元かつ複雑な構造に加えて、力学的異方性材料に対しては従来の機械的試験法の適用は困難です。
本研究では、固体材料の共鳴振動現象を利用した超音波共鳴法を用いることで「形状制約のない力学的異方性材料の簡易な弾性定数計測手法」を開発することを目指しています。さらに、計測した弾性定数が機械的試験法で測定される標準偏差に収まる測定精度を実現することを目標としています。
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特定のアミノ酸を連続モニタリングする抽出・検出デバイス 【用途例】高精度なアミノ酸分析によるアミノ酸合成プロセスや品質管理,健康診断を迅速かつ効果的に
生命体を構成するアミノ酸は,生命科学はもちろん,食品や薬品など様々な分野で測定対象とされています。現在,一斉分析が可能な半面,前処理や分離に時間を要するクロマトグラフィー法や選択性や活性に課題の残る酵素法による測定が行われています。本法では,前処理無しに,目的とするアミノ酸だけをモニタリング可能な手法を提供します。
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小型ミューオン加速器による革新的イメージング技術 【用途例】ミューオンビームによる超高分解能コンテナスキャン
ミューオンは素粒子の一種で、非常に高い透過力を持っている。この特徴を活かし、これまでに宇宙線ミューオンを用いてピラミッドや原子炉などの透視が行われてきた。しかし、エネルギーも到来方向も不定な宇宙線ミューオンでは分解能・測定時間ともに限界がある。一方、エネルギー・方向ともに制御可能な人工の加速ミューオンでは短時間で高分解能の透過イメージングを得ることができるが、加速器の小型化が必須になる。そこで、加速ミューオンによるイメージング技術のボトルネックになっているミューオン加速器の小型化にむけた、ミューオン加速技術のブレークスルーに挑戦する。
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リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御 【用途例】リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御
化石燃料に依存したCO2排出型社会からの脱却を目指し、カーボンニュートラル(CO2循環型)社会への転換が提言されて久しい。特に注目されているのは植物由来物質を原料とする技術体系確立である。本研究では、木質バイオマスであるリグニンの分解代謝生成物である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を用い、カルボン酸をアルケンやアルキンなどの官能基に変換する。得られたPDC誘導体を重合用の二官能性モノマーとして用い、クリック反応という効率的な付加反応を利用して様々なバイオマスポリマーを製造する方法を開発する。例えば、アルキンとアジドの付加環化反応やチオールとアルケンの付加反応は代表的なクリック反応である。化学構造や重合条件を最適化することで、耐熱性や機械特性、生分解性を付与することができる。また、最近では、マイクロプラスチックの海洋環境汚染が世界的な問題として注目されている。PDCポリマーの生分解性を詳細に調査して河川や海中での分解の可能性を探索する。
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固体王水を利用した難溶解性白金族金属の革新的リサイクル手法の開発 【用途例】PGMsのライフサイクル全体での環境負荷を軽減しうる画期的なリサイクル手法を提供
従来の貴金属、特に白金族金属(PGMs)を処理するプロセスは、高温での乾式処理や強力な酸による湿式処理を必要としていますが、これらは大きな環境負荷を伴います。リサイクルは鉱石からの精錬よりも環境に優しいとは言え、より負荷の小さな手法が必要とされています。さらに、PGMsの中でも特に難溶解性とされるロジウムやイリジウムは、自動車用触媒や半導体用るつぼへの需要がありつつも、精錬やリサイクルの難しさが指摘されています。
本研究で開発する「固体王水」は、塩化鉄を主体とする溶融塩を利用します。従来の乾式法よりも大幅に低い温度で処理でき、また湿式法で必要な強力な酸や塩素ガスは用いません。そのため、処理に必要なエネルギーや処理後の廃棄物処理の負担・環境負荷を大幅に軽減可能です。
「固体王水」は、広く利用されるPGMsである白金やパラジウムに加え、上述のロジウムやイリジウムへも適用可能です。特に後者は処理が難しいことに加え、供給量が極めて少ないことから、リサイクル手法供給の安定化に寄与できます。
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テラヘルツ領域の電磁波やダイナミクスを高感度かつ波形ゆがみなく計測できるテラヘルツオシロスコープ 【用途例】テラヘルツ波をリアルタイムかつ高感度・高精度に計測する技術を確立する
テラヘルツ領域はシリコンベースのエレクトロニクスで扱える周波数領域よりも高周波側に位置しており、従来の技術では電場波形を検出することが困難な周波数帯です。一方で、データ通信量の増大やデータ処理速度の向上などにより、テラヘルツ領域の電磁波を用いたデバイスが数多く研究されています。しかしながら、現在ではその波形をリアルタイムかつ高感度に測定できる技術は存在しないため、テラヘルツデバイス評価は難しいのが現状でした。本技術では、超短パルスレーザーを活用することで、テラヘルツ電場波形をレーザーパルス1パルスで計測できるために、テラヘルツデバイス評価に画期的な手法となり得ます。このようなテラヘルツリアルタイムオシロスコープを実現したい、テラヘルツ技術の発展に貢献したいと考えています。
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環境負荷に配慮した革新的な海水淡水化プロセスと有価資源回収法 【用途例】革新的な海水淡水化プロセスのコア技術を開発し、成長を続ける水インフラ事業(100兆円規模)において主導権を握りましょう!
世界の人口増加や経済発展、異常気象等による水不足が深刻な社会問題になっている。一方で、水インフラ市場は100兆円規模であり、更なる成長も期待できるため大きなビジネスチャンスでもある。海水を淡水に変える技術は社会に導入されているものの環境負荷低減の技術が求められている。こうした背景から、本事業では、水不足の課題や淡水化技術の環境負荷の低減を同時に解決することを目指し、液体金属技術を応用した革新的な海水淡水化・資源回収システムを開発する事である。マッチングサポートフェーズではプラントシステムの成立に不可欠な開発項目として、新しい淡水生産方法の原理を明らかにし、淡水の品質評価、海水内溶存有価資源の分離回収機構の技術的な検証を行う。以上の研究成果に基づき、共同研究フェーズでは企業と共同で小型の試験装置を用いた動的な有価資源回収実証実験を実施するとともにパイロットプラントの工学設計を完了させ、早期の社会実装実現を目指す。
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