2021年度公募 seeds-1529 - 【関東】 リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御
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VISION

ビジョン

リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御

木材未利用バイオマスであるリグニンを原料として構造明確なバイオマスポリマーを製造し、その生分解性を調査する。

化石燃料に依存したCO2排出型社会からの脱却を目指し、カーボンニュートラル(CO2循環型)社会への転換が提言されて久しい。特に注目されているのは植物由来物質を原料とする技術体系確立である。本研究では、木質バイオマスであるリグニンの分解代謝生成物である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を用い、カルボン酸をアルケンやアルキンなどの官能基に変換する。得られたPDC誘導体を重合用の二官能性モノマーとして用い、クリック反応という効率的な付加反応を利用して様々なバイオマスポリマーを製造する方法を開発する。例えば、アルキンとアジドの付加環化反応やチオールとアルケンの付加反応は代表的なクリック反応である。化学構造や重合条件を最適化することで、耐熱性や機械特性、生分解性を付与することができる。また、最近では、マイクロプラスチックの海洋環境汚染が世界的な問題として注目されている。PDCポリマーの生分解性を詳細に調査して河川や海中での分解の可能性を探索する。

USE CASE

最終用途例

リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御

USE CASE 01汎用プラスチックをバイオマスポリマーで代替

APPLICATION

APPLICATION

石油由来の汎用プラスチックの物性をバイオマス由来のPDCポリマーで実現

製造コストの問題を解決して既存の汎用プラスチックをバイオマス由来PDCポリマーで代替することができれば、炭素循環型社会の構築に繋がるとともに、生分解性のPDCを利用するため環境汚染問題の解決に貢献する。

STRENGTHS

強み

リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御

STRENGTHS 01

クリック反応によって高分子量体バイオマスポリマーを製造することができる

クリック反応は温和な条件下で進行する付加反応であるため副生成物が無く精製操作が不要である。高分子量体であることによって優れた機械強度を有するプラスチックを製造することができる。また、バイオマス由来成分を使用しているため生分解性も付与することができる。

TECHNOLOGY

テクノロジー

リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御

TECHNOLOGY 01

リグニン由来バイオマス成分であるPDCの重合反応にクリック反応を適用する。

クリック反応の代表例は銅触媒存在下でのアルキンとアジドの付加環化反応である。生成するトリアゾール環は銅イオンと強く相互作用することが知られている。PDC部位も金属イオンとの特異的な相互作用を有するため相乗効果が期待できる。

PRESENTATION

共同研究仮説

リグニン由来バイオマスプラスチックのクリック合成と化学構造による生分解性制御

共同研究仮説01

木材未利用バイオマスからプラスチックを効率よく製造する技術

温室効果ガスの削減目標に向けて石油由来プラスチックをバイオマスプラスチックに置換する必要がある。本研究で開発するPDCポリマーは生分解性を有するため環境負荷が低い点もアピールポイントになる。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

道信 剛志 東京工業大学 物質理工学院
経歴

2006年3月 東京農工大学大学院 助教

2008年4月 東京工業大学グローバルエッジ研究院 テニュア・トラック助教

2012年10月 東京工業大学大学院理工学研究科 准教授

2016年4月 東京工業大学物質理工学院 准教授