2021年度公募 seeds-1839 - 【中部】 ナノスケール生体ダイナミクスのその場精密計測法の実用化 ~液中試料のナノスケールの構造と動きを走査型電子顕微鏡で計測する~
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

「仕組みの生まれる液中ナノスケールダイナミクス」を電子顕微鏡ライブイメージングで計測可能にします

試料の浸かった溶液組成をそのままに、試料のナノスケールダイナミクスを計測する方法を開発しました

生命現象や機能性材料の重要な性質は、あらゆる力のオーダーが揃うために複雑な相互作用が生じる、ナノスケールダイナミクスから創発されます。実は、このナノスケールダイナミクスを計測する方法の欠如、著しい制約が、各種分野の研究開発のボトルネックとなっています。我々は、液中試料をそのまま電子顕微鏡で観察し、構造と動きを観察可能とすることで、このボトルネックを解消しました。具体的には、電子線透過性と変形性に優れたナノ薄膜を作成し、試料を覆うことで、ナノ薄膜が透明マントのように観察の邪魔をせず、液中状態を保ったままの試料のダイナミクス観察を可能とする方法を開発しました。作成した薄膜をDET膜(Deformable and Electron Transmissive Film)、この薄膜を用いた電子顕微鏡ライブイメージング法をDET膜法と命名しました。現在開発したDET膜は光透過性も高いため、同じ試料の分光計測等の光学顕微鏡計測も可能とします。我々は、このDET膜法の利用と改良を進め、「液中試料の電子顕微鏡ライブイメージング」という顕微鏡計測の新基準を打ち出そうとしています。

既存の光学顕微鏡法と電子顕微鏡法のどちらでも、液中ナノスケールダイナミクス計測は極めて困難です

DET膜法による電子顕微鏡ライブイメージングは、液中ナノスケールダイナミクス計測を可能としますが、既存の光学顕微鏡法と電子顕微鏡法では、液中ナノスケールダイナミクス計測は極めて困難です。光学顕微鏡法はライブイメージングを得意とし、生命科学系分野を中心にあらゆる研究分野で用いられていますが、光の回折限界により約200nmより微細な構造と動きの計測が出来ません。しかも、約200nmの分解能を得る高開口数の顕微観察を行うと焦点深度が300nm程度になるため、平面の観察しか出来ません。一方、電子顕微鏡法は分解能が0.5nm程度と高く、同じ倍率の光学顕微鏡法の数十倍焦点深度が深いという利点があります。しかし、通常の電子顕微鏡法は固定試料の静止像の観察しか出来ません。このように、既存の光学顕微鏡法も電子顕微鏡法も、液中のナノスケールの構造と動きを計測することが基本的に出来ません。

USE CASE

最終用途例

ナノスケールの構造と動きを計測することで、各種研究開発の加速と、検査・診断の改善を可能にします

USE CASE 01簡易で高精度な病気前診断の実現

APPLICATION

APPLICATION

検体を採取してその場で観察。ナノスケールダイナミクス計測で、高度な診断を可能にします

DET膜法により、採取した口腔粘膜細胞などの検体をそのまますぐに電子顕微鏡で観察出来ます。動きも含めたナノスケールダイナミクス計測に基づいて、現在は検出できない病気の予兆を鋭敏に捉える病気前診断を可能にします。

USE CASE 02生体試料のナノスケールダイナミクスのその場精密計測

APPLICATION

APPLICATION

注目する生命現象の機能が生み出される現場を直接計測で明らかにします

生体分子機械であるタンパク質分子の大きさは数nmなので、DET膜法による液中ナノスケールダイナミクス計測は、注目する生体ダイナミクスに関するこれまでにない情報を提供します。実際にマウスから摘出した心臓をそのまま観察し、その微細な構造と動きの計測に成功しています。

USE CASE 03光学顕微鏡法と組合わせた相関ダイナミクス計測法の実現

APPLICATION

APPLICATION

着目現象を理解するための超マルチモーダル計測を実現します

DET膜法により、電子顕微鏡観察で、着目対象の構造、動き、力、原子組成の計測が出来ます。さらに、水分蒸発を防いで、同じ試料の同じ部位の光学顕微鏡観察も出来るので、分光スペクトルや標識利用の光学計測も行えます。

STRENGTHS

強み

光学顕微鏡ライブイメージングと固定試料電子顕微鏡観察に対する破壊的イノベーション

STRENGTHS 01

DET膜法は光学顕微鏡ライブイメージング開発・活用者が必要性を感じて生み出した技術です

私は光学顕微鏡ライブイメージング法の開発で「心筋細胞を体温程度に温めると細胞内部の筋節が収縮と弛緩を繰り返す振動状態になること」や「その収縮リズムが安定性と不安定性を併せ持つこと」を発見しました。そしてこの光学顕微鏡法で困難な計測を実現するためにDET膜法を開発しました。

STRENGTHS 02

見たい試料をそのまま観察し、構造も動きも、生み出す力も計測できる電子顕微鏡法です

DET膜法は、通常の電子顕微鏡観察の際に必要な、固定等の前処理を必要としません。マウス摘出心臓を観察したいなら、濡れた摘出心臓をそのままDET膜法で観察し、構造と動きの計測が行えます。さらに、DET膜の僅かな伸縮から、観察試料の動きに伴う発生力も計測出来ます。

STRENGTHS 03

AILによる効率的な実験手法開発・改良を進めています

AIを活用しているのに、その成果にAI由来のブラックボックスが無いというAIの活用法をAIL(Artificial intelligence to learn)と命名し、これを研究活動の発見の効率化に使っています。このAILでDET膜法の改良・開発を効率的に進めています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

DET膜法という新しい電子顕微鏡ライブイメージング技術

TECHNOLOGY 01

DET膜の変形性と電子線透過性を利用して、液中ナノスケールダイナミクス計測を可能にします

DET膜が観察試料の凹凸に倣うように変形することで、DET膜近傍の液中観察試料から散乱する2次電子、反射電子、特性X線を計測できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

電子顕微鏡法による、ナノスケール生体ダイナミクスのその場精密計測法を実用化しませんか?

共同研究仮説01

液中のナノスケール生体ダイナミクスのその場精密計測が出来る電子顕微鏡サンプルホルダの開発

プロトタイプとなるDET膜法を可能とするサンプルホルダは出来ています。汎用走査型電子顕微鏡を、DET膜法による液中のナノスケール生体ダイナミクスのその場精密計測が出来る装置に変えられる、サンプルホルダの開発をしませんか?

共同研究仮説02

ライブイメージング電子顕微鏡の開発

現在の電子顕微鏡は固定試料の静止像計測を前提としたインターフェースや装置構成になっています。DET膜法による電子顕微鏡ライブイメージングに最適な、ライブイメージング電子顕微鏡を開発しませんか?

RESEARCHER

研究者

新谷 正嶺 中部大学 生命健康科学部 生命医科学科
AI数理データサイエンスセンター 兼任
経歴

2015 早稲田大学理工学術院 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 博士課程修了 博士(理学)

2015-2017 東京大学 理学系研究科 物理学専攻 日本学術振興会 特別研究員PD

2017-2021 中部大学 生命健康科学部 生命医科学科 助教

2022-現在 中部大学 生命健康科学部 生命医科学科 講師

【受賞歴】

2016 日本時間生物学会 日本時間生物学会優秀ポスター賞

2017 日本生物物理学会 4th Biophysics and Physicobiology Editors’ Choice Award

2021 経済産業省 AI Quest 第1ターム AI課題優秀賞

2021 総務省 異能vationプログラム 「破壊的な挑戦部門」挑戦者

2022 経済産業省 AI Quest 第2ターム AI課題優秀賞

2022 経済産業省 AI Quest 第2ターム 総合優秀賞

研究者からのメッセージ

仕組みの生まれる液中ナノスケールダイナミクスを計測可能にしましょう!

光学顕微鏡法において、ライブイメージングの重要性が高まり続けているように、電子顕微鏡法においても、ライブイメージングが可能となれば、その重要性は高まり続けると確信しています。電子顕微鏡ライブイメージングの領域開拓を一緒に進めませんか?