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ビジョン
未知な化学物質の濃度測定をも可能とする本法は,様々な科学や産業における調査や開発の基盤技術となりうる手法です。植物などからの未知物質探索による機能性物質の創成において,当初の含有量を測定できれば,費用対効果を意識した開発を促進できるようになります。また,標準物質の純度測定,標準物質を得ることが不可能な反応中間体や化学形態,構造体ごとの濃度測定が可能となり反応効率の向上に大きく寄与することができます。高分解能質量分析計などによる定性分析と組み合わせることで存在すら知られていない物質について,「何が」「どのくらい」を同時に得ることも実現可能です。
最終用途例
APPLICATION
化学分析に不可欠な標準物質が不安定だったり,入手できなかったりする場合でも,本法では測定が可能となります。また,定性分析との組み合わせにより,未知物質を発見と同時に定量することが可能となります。
MARKET
化学分析の目的は,環境分析,品質管理,医療診断など多岐にわたります。本法は,その多くのシーンで有効であると考えられます。
強み
測定物質に共通の性質である有機化合物に必ず含まれる炭素原子や有機酸における酸解離を効率的にとらえることでユニバーサルな検出を実現しました。校正が必須な機器分析における絶対分析を実現しており,幅広い物質を測定可能です。
テクノロジー
本法では,有機化合物の定量的な酸化分解により生成した二酸化炭素をとらえることで有機化合物のユニバーサル検出を実現しました。原理的に,すべての有機化合物を分析可能です。また,酸解離平衡に基づく有機酸の絶対定量法も確立しました。いずれの方法もクロマトグラフィーによる分離により,多成分一斉分析も可能です。今後,検出感度の向上,アプリケーションの展開を進めていきたいと考えています。
共同研究仮説
本シーズは,クロマトグラフィーによる分離と組み合わせることで多成分一斉分析を標準物質フリーで実現できます。無限の可能性を秘めた本法をアプリケーションへの展開を進めながら特性の向上を図っていきたいと考えております。
研究者
2005年3月 熊本大学大学院自然科学研究科 博士後期課程修了
2004年4月 日本学術振興会 特別研究員
2006年4月 日本学術振興会 海外特別研究員
2008年4月 米国テキサス大学アーリントン校博士研究員
2009年4月 熊本大学自然科学研究科理学専攻化学講座 准教授
2016年4月 熊本大学大学院先端科学研究部基礎科学部門化学分野 准教授
2021年4月 熊本大学大学院先端科学研究部基礎科学部門化学分野 教授
受賞
2013年9月 日本分析化学会奨励賞
2016年8月 鉄鋼環境基金助成研究成果表彰 理事長賞