2021年度公募 seeds-1540 - 【関東】 非水溶性高分子の分解反応を可視化するマイクロレーザー発振子の開拓
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VISION

ビジョン

非水溶性高分子の分解反応を顕微鏡で詳しく測定

高分子粒子表面での分解反応速度を、「高精度」「高速」「顕微」「その場」で顕微鏡測定する。

水中に設置された固体の表面で起こる分解反応には、産業的・社会的に重要であるものが多くあります。具体的には、消化・発酵や醸造、汚泥の浄化、海洋におけるプラスチックの分解などが挙げられます。従来は、固形成分の秤量やHPLCといった手法で分解反応の評価を行ってきましたが、これらの手法では精密で高速なその場測定が困難でした。本研究では、我々が開発してきた合成高分子の微小球体化およびレーザー発振の技術を利用し、微小な高分子粒子1粒のサイズ減少を水中で(その場で)極めて精密に測定する装置を開発します。

マイクロプラスチックの数 nmのサイズ減少を顕微分光学的に捉える測定システム構築を目指して。

本研究では、特にポリエチレンテレフタラート(PET)などから適切な形状を持つ高分子粒子を作製する技術の開発、レーザー発振性能の向上、顕微分光系の確立を行います。また、粒子サンプルホルダー、分光系、評価系を一体化した装置の開発を目指しています。この装置を利用することで、分解反応の生物学的探求、食糧生産や廃水処理における酵素の検討、環境中におけるプラスチックの分解プロセスの解析などを顕微鏡観察と同時並行でより精密に、高速に進めることができるようになると期待できます。

USE CASE

最終用途例

不溶性高分子の分解は生体の代謝・農産物の発酵・環境中でのプラスチックの分解で注目を集めています

USE CASE 01不溶性高分子の分解反応を顕微鏡で精密に測定します

APPLICATION

APPLICATION

これまでの重量減少を元にした測定では、測定精度・時間分解能が悪く、顕微観察との相性も劣っていました

本研究の技術を活用すると、不溶性高分子粒子の分解反応を顕微鏡観察で追跡することができるようになります。直径数マイクロから数十マイクロメートルほどの粒子を顕微鏡で観察しながら、その表面における加水分解反応の進行を光共振として高精度に測定します。測定精度・時間分解能が高く、液中の粒子をその場で観察することが特徴です。

STRENGTHS

強み

顕微鏡と組み合わせて、微細な粒子のサイズ減少を測定

STRENGTHS 01

従来の測定方法は、性能に劣るだけでなく顕微鏡測定と併用することができませんでした。

例えば従来型の測定方法として、重量測定や水晶振動子マイクロバランス法などがあげられます。いずれにおいても測定対象はバルクの材料が用いられてきました。本技術では極めて小さな粒子の分解を顕微鏡で観察しなが測定することができます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

高分子粒子のわずかなサイズ減少を光共振として検出

TECHNOLOGY 01

高分子加水分解による粒子のわずかなサイズ減少を光共振として高感度に検出します。

独自の粒子化技術により、目的の高分子を極めて高品質な球体形状へと加工します。これにより、高分子からの発光が共振し、スペクトルに先鋭なピークが現れます。このピークを利用することで、粒子のサイズ減少を数nmという非常に高い感度で検出します。

PRESENTATION

共同研究仮説

不溶性高分子の分解反応を計測する精度が低く困っていませんか?

共同研究仮説01

我々の技術を用いれば、従来の困難が一挙に解決できると期待されます。

生物学的な代謝の観察、炭水化物の発酵、汚泥の分解、マイクロプラスチックの分解など、興味のある具体的な材料と分解反応についての情報をお待ちしております。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

山岸 洋 筑波大学 数理物質系
経歴

2013年 – 2018年 東京大学大学院工学系工学系研究科化学生命工学専攻 終了

2018年 – 現在 筑波大学数理物質系 助教(現職)