2021年度公募 seeds-1677 - 【関東】 金属スクラップのリサイクル促進を志向した,錯体混合溶液による溶液溶射技術
  • 自動車・機械
  • インフラ(資源・エネルギー)
  • 機械
  • 生産・加工
VISIONビジョン

VISION

ビジョン

金属スクラップの新規リサイクル法として,金属錯体混合溶液を作成し,溶射皮膜を製造する技術を開発

未成熟な軽合金スクラップの新規リサイクル法および安価な溶射皮膜製造技術を構築し,循環型社会の実現へ貢献した

工業製品の耐食性と比強度を高めるため,チタン合金の使用は増加している。一方で,鉄鋼材料に比して,チタンおよびチタン合金のリサイクル方法は未成熟である。酸化チタン皮膜の安価な製造法として,かつチタン材料の新たなリサイクル法として,チタン切削屑から酸化チタン原料を得て,溶射原料として活用することが考えられる。提案技術は,工業的にスケールアップが容易な溶射を活用するため,酸化チタン皮膜の安価な製造法としても展開できる。

 これまでに,溶液プラズマ溶射法(SPPS)によるリン酸カルシウムや酸化チタン皮膜の製造に成功している.また,酸化チタン皮膜は光触媒特性を示し,特に可視LEDによる抗菌性を発揮するなど,耐食性・耐摩耗性のみならず機能性材料としても使用しうることが見出されている.

USE CASE

最終用途例

機械・インフラ分野での耐食性・耐摩耗性皮膜を,環境負荷を低減しつつ安価に製造できる溶射技術を実現したい.

USE CASE 01チタンスクラップの新規リサイクル法を実現

APPLICATION

APPLICATION

粉末を用いない溶射技術として環境負荷を低減

チタンのスクラップは,鉄鋼材料への添加物程度しかリサイクル用途がなく,コストの低減と新規用途開拓によるリサイクル促進が強く求められている.チタンの加工くずから錯体溶液を作成して,原料粉末を経由せず溶射皮膜を製造する技術を構築する.これにより,新規用途開拓及び,粉末飛散による作業者へのリスクを低減し,従来皮膜と同様の性質を示す皮膜を製造できる.SDGs達成に直接貢献する技術開発に位置づけることができる.

STRENGTHS

強み

単純な処理で錯体溶液を作成でき,粉末にすることで長期保存も可能であり,リサイクル促進に貢献し得る

STRENGTHS 01

チタンスクラップを粉砕処理して溶解し錯体溶液とすることで,容易に処理できる.また,錯体粉末は気中でも安定的に保存可能であり,安全性も高い.

チタン材料のリサイクル技術としては,スポンジチタンの脱酸剤添加による純度向上の研究が進められている.一方で,酸化チタン自体はナノ粒子の製造研究なども進んでいるものの,チタン及びチタン合金のリサイクルは総じて未成熟の市場である.用途展開が見込めないためリサイクル自体が企業の負担となっている.そのため,チタン切削くずなどのスクラップを酸化チタン皮膜として用途展開する新発想の本提案は,環境負荷低減を志向した技術開発の観点からも有意義である.

TECHNOLOGY

テクノロジー

溶液溶射のプロセス条件を最適化し,粉末を用いた溶射皮膜と同等以上の機械的性質

TECHNOLOGY 01

溶液の溶射ガンへの供給方法や条件を試行錯誤して最適化した結果,安定的に成膜できる条件を見出すことに成功.

これまでの大気プラズマ溶射ガンと共有して溶液,懸濁液を供給可能な供給装置を自作して,協力企業と溶射条件を最適化しました.その結果,微細粉末を用いた懸濁液プラズマ溶射と,錯体混合溶液を用いた溶液プラズマ溶射により皮膜が成膜可能な条件を見出すことに成功しました.X線解析などの微細構造評価において,従来原料粉末を用いた皮膜と同様の組成が得られていることが確認されています.

PRESENTATION

共同研究仮説

溶射技術のイノベーションを共に進めませんか!

共同研究仮説01

溶射技術≠レガシー技術→ 新規材料合成場

溶射技術は枯れた技術(レガシー技術)と思われがちで,成膜過程のメカニズムをブラックボックスにしたまま,プロセス条件と成膜効率,皮膜特性評価が行われてきました.その匠の技の起源を,材料合成場として捉えメカニズム解明に注力することで,次世代皮膜合成,ナノ皮膜合成,積層造形など,多くの可能性が広がるものと確信しています.

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

大塚雄市 長岡技術科学大学 技学研究院システム安全系
経歴

2007年3月九州大学大学院工学府機械科学専攻博士課程修了 博士(工学)

2007年4月~2007年9月九州大学工学府 学術研究員

2007年10月~2012年3月 長岡技術科学大学産学融合トップランナー養成センター産学融合特任講師

2012年4月~2014年3月 長岡技術科学大学大学院技術経営研究科・システム安全専攻・講師

2014年4月~現在 長岡技術科学大学大学院技学研究院・システム安全工学専攻・准教授:生体材料および皮膜の機械的特性に関する研究に従事