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革新的近赤外分光法を駆使した迅速な細胞評価技術の開発 【用途例】近赤外分光法は、製造業や農業、医療など、様々な分野で注目
光学的干渉ノイズの軽減を介してスペクトル情報を改善する『Phase Unsynchronized Waves Synthesizing (PuwS)』を用いた革新的近赤外分光法『PuwS-NIR』を実用化します。さらにPuwS-NIRによって得られた近赤外線スペクトルからオミクス情報等を適切にデコードすることで、対象細胞の性質・機能性等を迅速に評価することが可能な新しい可視化技術を確立し、環境や食糧問題等の解決等を目的としたバイオテクノロジー産業の推進に寄与することを目指します。
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セラミックス蛍光コーティングで開拓する次世代インフラ 【用途例】蓄光体コーティングが生み出す、安全・安心な次世代インフラの提案
①施工当時と同様の機械的強度を有し、②輝度5mcd/m2以上、60分後の最低燐光輝度60mcd/m2(JIS規格)の高輝度発光、③1500度級の高温暴露に耐えうる機能性セラミックスコーティングを実現します。
将来負担を軽減する維持管理技術を導入し、安全で強靭なインフラへの変革が喫緊の課題となりつつあります。今後、世界規模で日々増加するインフラストックへの補修・補強技術は、低環境負荷で、環境非依存的かつ簡便な後施工であることが望ましいと考えます。H28年の国土交通省の発表では、建築後50年を経過する道路橋が2033年に68%になるという報告がある。全体のインフラメンテナンス市場は、世界で200兆円の市場、日本でも5兆円市場になるという算出があります。インフラストックは、1973年のオイルショックごろまで続いた高度成長期、その後の20年の安定成長期の時代に大量に建設されました。笹子トンネル天井板落下事故のような事故を背景に、高齢化したインフラの大規模修繕や更新の計画が急務であると考えます。
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その場測定とデータ転送機能を持つポータブル水質センサーシステム
【用途例】Making the water quality testing simple and trustable.
シンプルで信頼できる水中フッ化物センサー
Within the Sustainable Development Goals for 2030 of the United Nations, #6 is to “Guarantee the availability of water and its sustainable management and sanitation for all”. Every year, the world population increases the demand for blue water. In the case of developing countries, the population grows faster than the infrastructure, increasing their exposure to health risks. One of the most affected areas by the lack of water infrastructure is the east coast of Africa and India, home of millions of people. These populations are affected by fluorosis due to the high levels of fluoride in the water occurring naturally due to the geological formations. This makes the distribution of fluoride levels inhomogeneous among the different water sources. Therefore, it is important to provide local populations with sensors that allow them to differentiate safe water sources from those with high levels of fluoride. Meeting the #6 of the SDGs requires the tool that makes humanity a unique species on the planet, its ingenuity, and its ability to collaborate.
SDGs#6は「水の利用可能性とその持続可能な管理と衛生をすべての人に保証する」ことを目標としています。世界人口が増加を続ける中、安全な水の需要が年々高まっています。発展途上国の場合、人口はインフラ整備よりも速く成長しており、なかでもアフリカとインドの東海岸などでは何百万人もの住民が安全でない水による健康被害に悩まされています。これらの原因は、地層に含まれる高レベルのフッ化物によるフッ素症であり、その多くはフッ化物に汚染された飲料水や農業用水です。厄介なことに、フッ化物の汚染レベルは水源間で異なっており、住民はどの井戸が安全ではないのかを知る術がありません。したがって、安全な水源と高レベルのフッ化物を含む水源を識別できるセンサーを地元住民に提供することが重要です。 本研究では、水中のフッ化物を信頼性高く測定できるポータブル型センサーを開発し、将来的にフッ素汚染に悩む地域の人々に安全な水を供給できるインフラの開発を目指します。
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植物を用いてスキンケアに有用なヒト型遊離セラミドを量産する技術 【用途例】多様な植物材料から食品や化粧品に安心して利用できるヒト型セラミドを生産
ヒト角質層には、肌のバリア機能を担う細胞外脂質層が存在します。遊離型セラミドはこの脂質層を構成する主要成分として肌バリア機能を支える物質であり、健康食品や基礎化粧品による供給が有効です。特に機能性表示食品のスキンケア部門において、植物由来セラミドはヒアルロン酸などの他成分を大きく上回る届出件数第1位の機能性関与成分であり、その市場規模は世界的にも拡大しています。現在利用されているのは主に植物グルコシルセラミドですが、実は植物体内にはこれを大きく上回る存在量でありながらまったく利用されていない、GIPCと呼ばれる複合型セラミドが存在します。本研究では、この未利用な植物性複合型セラミドGIPCを、植物自身の代謝酵素のはたらきによってヒト肌と類似の遊離型セラミドに変換する新規技術を開発します。
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架橋点構造の精密設計によるリサイクル性汎用ゴム材料の開発 【用途例】既存ゴム材料を、より高性能なリサイクル性材料で置き換える
ブタジエンゴムやエチレンープロピレンゴム(EPDM)などの炭化水素ポリマーは汎用ゴム材料として知られ、自動車用のタイヤの他、ベルト・ホース・シーリング材などの工業用品、靴等の運動用品など、用途は様々です。しかし、これらの製品のほとんどは焼却処理されており、再生ゴムとして利用される割合は2割にも達しません。これは、これらの材料が非可逆的な加硫を経て製造されるためです。
資源循環型社会の実現が強く求められている現代において、廃ゴムを回収し、材料として繰り返し用いることで、石油や植生などの天然炭素資源の保護に貢献することは、ゴム産業において重要な課題です。本研究では我々の新しい重合技術を用いて、元のポリマーの構造をほとんど保ったまま、可逆的に形成可能な架橋点をポリマー鎖内に導入することで、これまでの汎用ゴム材料と同等以上の物性とリサイクル性を兼ね備えた材料を開発します。
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ファインバブルや界面活性剤を用いた生分解性電気絶縁油の改質基盤技術の研究開発 【用途例】窒素FBやNon-ionを用いて改質・高性能化したエステル油は、環境・エネルギー分野、ナノテク・材料分野などで注目
変圧器などの電気機器に用いられる生分解性電気絶縁油(エステル油)は、従来の主な電気絶縁油である石油由来の鉱油に比べて持続可能で環境負荷が低いため、需要拡大が見込まれています。エステル油は、鉱油に比べて一部の性能が劣っているため、改質による高性能化が求められています。近年、エステル油や鉱油にナノサイズの粒子(ナノ粒子)を適量添加することで、高性能化を実現できる可能性が報告されています。しかし、ナノ粒子が凝集すると絶縁油の性能が低下し、ナノ粒子の粒径が小さいほど人体や環境に対する毒性が増加することが問題となっています。本事業では、ナノ粒子に代わる安全・安心・微小な材料として、窒素ファインバブル(FB)や非イオン界面活性剤(Non-ion)を用いた新たな改質基盤技術の研究開発を行うことを考案し、その第一歩として、エステル油の一種である「パームヤシ脂肪酸エステル(PFAE)の改質・高性能化に適した窒素FBの拡散技術の確立」を目指しています。特に、「窒素FBの発生時間、原料窒素ガス供給量、発生後の静置時間」がPFAEの代表性状と窒素FBの直径や量に及ぼす影響を解明し、PFAEの改質・高性能化に必要な条件と機序を明らかにしていきます。
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ヒト認知・行動特性を規範に安心・安全を提供するスマートシティ時代自律型モビリティ 【用途例】ヒトの認知・行動特性を規範とするモビリティ
スマートシティに向けて、ヒトとモビリティの共生のために街や道路の構造が大きく見直されようとしています。様々な人々が行き交う道路上で、周囲の状況から的確に認知・判断する私たちの予測行動は人間同士を対象にした限定的な経験をもとに構築されています。こうした予測行動がモビリティを相手にした場合にも有効かどうかはわかっていません。誰もが安心・安全のモビリティ社会の実現には、モビリティと関わる際のヒトの認知・行動特性を明らかにし、心さえも安らぐ、進化した先進的制御が可能な自律型モビリティの実現が必要不可欠です。
本研究では、下記2点を達成することを目的とします。
■目的1:スマートシティ時代を想定した物流用自律型モビリティを開発し、そのモビリティと関わる際のヒトの認知・行動特性を明らかにします。
■目的2:その特性を規範としたモビリティ制御を実装し、ヒトの認知・行動がどのように変容するかを明らかにします。
本研究成果によって実用化されたモビリティによって、ヒトとモビリティが適切に手を取り合う方法が明確となります。これは、私たちの生活をより豊かにすると同時に、SDGs達成への新しい糸口となるでしょう。
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酸化ガリウムパワー半導体の実用化を目指した,放熱基板と原子レベルで接合した次世代複合ウェハの開発 【用途例】省エネ社会の実現に不可欠な「高出力・高周波数電力の低損失制御が可能なパワー半導体」が期待
現在カーボンニュートラルといった高い環境目標の達成のため、電力の制御・変換に半導体デバイスを用いる「パワー半導体」が注目されています。これにより消費電力を効率化できるため社会活用が始まっていて、2020年の2.8兆円の市場規模で、2030年に4.5兆億円になると予測されています(参考:富士経済プレスリリース第21055号)。
技術の発展の中で、右の表のように既存材料のSiよりも高い省エネ効果を持つ新材料の活用が注目されています。特に酸化ガリウムは日本が中心的な役割を果たしながら開発されてきた材料であり、パワー半導体として実用化されれば社会の省エネ化が大きく進むと期待されています。
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多糖結合ドメインを用いた酵素固定化と多糖多層担体の作製 【用途例】バイオリアクター・バイオセンサーの開発
近年、石油価格の不安定化や脱炭素化の流れから、様々な方面で酵素を用いたバイオ的手法での化成品製造が検討され始めています。しかしながら、共有結合を介する酵素と担体の固定化は、処理時に酵素が失活することがあり、使用できる酵素種を狭めています。本研究では、多糖結合ドメインを多連結して各種産業用酵素に融合し、活性を保持した状態で強固に多糖担体やフィルムに固定化する方法を開発します。さらに、認識多糖が異なる多糖結合ドメインを融合することで、別種の多糖間を接着して多層化させます。工業プロセスに耐えつつ、酵素と担体の結合を高度に制御して複雑な多段階反応を行える技術を開発する。
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高精細ディスプレイを指向した超低消費電力・長寿命有機ELデバイス 【用途例】高精細なディスプレイ技術の開発
仮想・拡張現実などの人間の能力の拡張を支える技術や、スーパーハイビジョン映像システムの実現のために、国際的な色域規格である BT.2020 をみたす高精細なディスプレイ技術の開発が不可欠となっている。現行の有機ELでは、色純度の向上のために幅の広いスペクトルを光学フィルターで除去する必要があり、結果として大幅な効率の低下を招いている。有機ELを低消費電力な高精細ディスプレイへ応用にするには、①発光スペクトルが挟半値幅で色純度が高く、かつ、②低電圧・高効率・長寿命な有機ELを実現する必要がある。本研究では、挟半値幅有機ELの低く留まる寿命の解決に取り組む。具体的な研究項目は、①低消費電力化、②長寿命化、および ③新しい挟半値幅発光材料群の開発である。
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音響収束による流路内のマイクロプラスチック等粒子の高濃度濃縮回収・分析システム 【用途例】マイクロプラスチックなどの微粒子の濃縮回収と材質分析を行う新しいシステムを構築
近年、微細なプラスチック片であるマイクロプラスチックが環境や生態系に与える影響が問題視されています。このマイクロプラスチックの分析調査や回収にあたっては、従来はメッシュを用いた濾過により行われてきましたが、この方法では微細粒子によるフィルタの目詰まりなどの課題がありました。
本技術は、微細な流路中で超音波を照射することにより、マイクロプラスチックをはじめとする粒子を流路中央に収束させて、濃縮回収することを可能とする技術です。この技術を用いることで、回収時におけるメッシュの目詰まりといった課題を解決するとともに、本機構を複数配置することで、マイクロプラスチックなどの粒子を高濃度かつ高流量で処理することが可能となります。
このマイクロプラスチックの濃縮回収装置を既存の装置や製品に組み込むことによって、洗濯排水や工場排水などの多くのマイクロプラスチック発生源からマイクロプラスチックを除去することを目指します。
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合金反応場設計に基づく超高耐久アルカン脱水素触媒システムの開発 【用途例】多元素合金ナノ粒子触媒
脱水素反応は、プロパンから基幹化学品であるプロピレンを合成する際に必要となる重要な化学反応です。
従来、この反応に対して、白金など貴金属元素を基盤とする触媒開発が行われていますが、プロピレンが分解され析出される炭素により急速な触媒の失活が課題となっています。本研究では、多元素合金ナノ粒子を精密に合成出来る技術により、世界最高レベルの耐久性と高効率な触媒の開発に成功しました。
今後は、触媒の工業的生産においても研究室内と同レベルの品質を確保し、プロピレンに限らず低級アルカン等の製造プロセスの省資源及び経済性の大幅な向上を目指します。
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波長選択制御を適用した高機能遮熱塗料の機械学習設計と応用開発 【用途例】波長選択制御によるふく射伝熱制御を幅広い場面に応用します
ふく射のナノマイクロスケール現象は新たな伝熱制御技術発展に寄与するものとして、盛んに研究されています。しかしながら、この研究分野は数値解析による研究が主であり、実験的なアプローチを試み、また実用化まで至っている研究は少ないのが現状です。本研究では、実用化への死の谷を越えられず、理論や解析に留まっていたふく射のナノスケール効果を現実に応用するための基盤技術を確立することを目指し、研究を進めてきました。粒子による光の散乱現象というミクロスケール現象の制御により、地球温暖化やヒートアイランド現象などのマクロスケールの環境問題の解決に貢献します。
太陽光エネルギーの約50%は近赤外光であり、人の目には見えません。この光を反射することによって外壁材の太陽光吸収を大幅に低減することが可能です。また、物体表面から放射される長波長赤外線を透過することにより、日射が強いときの家屋の冷房効果を増大する効果が得られます。景観のニーズに適した色を有しながら、近赤外光の反射を大きくし、長波長赤外線を透過するという理想波長選択を有する遮熱塗料の実現と社会実装を目指します。
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流動的な社会ニーズに対応するゼオライトのオンデマンド合成技術開発 【用途例】独自の知見・合成・解析技術を駆使したオンデマンドなゼオライト合成
吸着材や触媒として使用されているゼオライトは有用な工業材料であり、環境保全・省エネ・脱炭素に対する昨今の社会ニーズの急速な変化から、二酸化炭素分離・資源化触媒、ヒートポンプ・膜分離などの省エネルギー技術、土壌・排ガス・排水からの有害物質除去、センサー・デバイス部材など様々な新規用途開拓が進んでいます。一方で、この新たに生じる用途・市場に対して迅速に対応するためには、該当用途に必要な構造、組成、吸着・触媒機能を持ったゼオライトを選択し、合成段階からその特性を狙って制御していく必要があります。一方でこのようなオンデマンドなゼオライト合成は現状困難であり、ゼオライト自体の高い合成難易度や専門知見の不足から、試行錯誤的な研究開発が行われています。本研究では、合成中間体に着目したゼオライト合成手法および多角的な構造解析手法を駆使して、このような社会ニーズに迅速に対応可能なオンデマンドなゼオライト合成技術を確立し、さらにそれを企業が利活用可能なベンチスケールまで拡大することで、産業変革を加速させます。
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複合極限環境における革新的な試験技術の創出 【用途例】強磁場・大電流・極低温の3つの複合極限環境を実現する革新的試験技術を幅広い分野に適応
現在、様々な機器の電動化が進みパワーエレクトロニクス素子、磁性体材料、超電導材料の開発が著しく加速しています。そのような中、大電流、強磁場を用いた試験・製造設備が必要とされています。しかし、これまで大電流・強磁場を長時間に発生するには、大電力や冷却設備を必要としてきました。そこで本研究開発では、強磁場・大電流・極低温の極限環境を、瞬時かつ安定的に実現することで、飛躍的に低消費電力かつコンパクトなシステムを可能とします。
さらに本研究開発では、大電流・強磁場・極低温の極限環境を大学や研究所での特殊環境にとどめず、幅広い分野の産業への普及を目指しています。複合極限環境技術が拓くオープンイノベーションとして、EV等に用いられる永久磁石材料の高性能着磁技術の開発や、パワーエレクトロニクス分野の評価技術、超電導材料の評価技術への応用が期待されます。
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