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より短時間での植物品種改良が可能になる、ゲノム編集酵素遺伝子の挿入が不要なゲノム編集技術の開発 【用途例】植物におけるゲノム編集を、遺伝子組換え技術に依存せずに実現可能に
植物細胞には細胞壁があるため、植物における従来のゲノム編集技術では、遺伝子組換えによって、ゲノム編集酵素遺伝子を導入する必要があり、ゲノム編集後、遺伝子組換えによって導入したゲノム編集酵素遺伝子を欠失させる必要がありました。そのため、ゲノム編集が可能な植物種は、遺伝子組換えに対応した植物種に限定されており、また、ゲノム編集による品種改良にも長時間を要しています。本研究では、植物に適した独自の細胞壁透過ペプチドを用い、遺伝子組換えに頼らないゲノム編集酵素の導入を目指します。具体的には、ゲノム編集酵素に細胞膜透過ペプチドを付加させ、ゲノム編集酵素を直接、植物細胞に導入します。
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急速充放電を可能とする次世代型リチウム二次電池の実用化に向けた高リチウム伝導性液体電解質の開発 【用途例】リチウムイオン蓄電池
カーボンニュートラルへの関心が高まる自動車業界では、今後、電気自動車のさらなる普及が見込まれます。本研究は、電気自動車の充放電性能を大幅に向上させる液体電解質の開発を目指すものです。リチウムイオン蓄電池の充放電性能は「イオン伝導率」と「Liイオン輸率」の2つの指標に影響されますが、これらは、どちらかを高めようとすると他方が低下する傾向にあることが知られています。
本研究では、高濃度にリチウム塩を溶解させたある種の濃厚電解液を用いると、特異な「Liイオンホッピング伝導」によりイオン伝導率とイオン輸率が両立できる可能性を見出しました。電解質構造とイオン輸送特性について系統的な検討を行い、この実証を目指します。
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花粉触媒昆虫の減少や農家の人手不足の代替手段としての「全自動花粉交配技術」の開発 【用途例】花粉を活性化できる機能性泡沫材料と、効率的かつ効果的に射出可能な専用授粉機の開発
地球温暖化や農薬散布の影響により、花粉媒介昆虫の減少が大きな社会問題となっています。また、梵天等を利用した従来の花粉交配方式では、目的としない花への授粉、それに伴う果実の摘果、廃棄により農家へ多大な負担がかかっています。これらの問題を解決すべく本研究では、花粉媒介昆虫に依存しない泡沫材料とスプレー技術を組み合わせた新しい花粉交配法を提案します。「全自動花粉交配技術」の構築を最終目的とし、花粉を活性化できる機能性泡沫材料と、高価な花粉粒子を必要最低限に効率的かつ効果的に射出可能な専用受粉機の開発に取り組みます。
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高い誘電率と絶縁抵抗を保持する誘電体セラミックスメソ結晶の新規合成、次世代電子デバイスへの応用
【用途例】積層セラミックコンデンサ(MLCC)の
小型大容量化による次世代電子デバイスへの応用
代表的な誘電材料である二酸化チタンやチタン酸バリウム等を用いて、誘電体セラミックスメソ結晶を新規合成し、構造制御や誘電特性評価、および成膜技術の確立を目指します。本研究で用いるメソ結晶合成法は、「トポタクティック転移」という反応を用いており、これは、生成した前駆体結晶からガス等が抜けてメソ結晶化されるものであり、トポタクティック転移前後でチタンの配列は変わらないことを利用して、メソ結晶化しています。最終的には、一時粒子径が100㎚以下のスケールでも高い比誘電率と絶縁抵抗を保持する誘電体セラミックスメソ結晶を開発し、産学共同で次世代電子デバイスへの応用を図ります。
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3Dプリンタの製造性と、最適な部材の自動設計(トポロジー最適化)の両方を実現するシステムの開発
【用途例】3Dプリンタを用いた高性能で多機能な産業製品や
今までにはなかった機能を持つ製品の製造
3Dプリンタ製造に適し、かつ力学的にも最適な部材の設計システムを実現します。
一般的な3Dプリンタにおける積層造形法は、空洞領域の上への材料積み上げや、サポート材と呼ばれる構造物の自重を支えるための仮の形状を造形が課題となっています。サポート材は、製造工程時間やコストの増加を招くだけではなく、造形形状によっては、除去が困難な場合もあります。
本研究では、幾何学形状をモデル化する独自手法により実現を目指します。本手法は、本研究の研究者が世界に先駆けて提案した最適化手法です。この手法により、例えば「設計される部材の角度を45度に制限する」など幾何学的な条件を与えた最適設計が可能になります。
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新しい商品開発とその生産工程最適化に貢献する低粘度水溶液の粘弾性計測システム 【用途例】ノズルからの噴射・散布・塗布等の流れを伴う製造工程や商品の改善
従来困難であった、液体の粘弾性を計測するために独自のシステムを構築します。
液体の落下装置を制御し計測対象とする流れを実験装置上で再現します。
ハイスピードカメラと、LEDライトを組み合わせ撮影し、理論に基づいたアルゴリズムにより、伸び・切れを表すパラメータを獲得します。
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安価なバイオマス資源からアジピン酸類を効率的に取得する技術でバイオマス由来のプラスチック製造を効率化 【用途例】バイオマス由来のプラスチック製造プロセスを実用化する
C6のジカルボン酸であるアジピン酸は、主にポリアミド樹脂66ナイロンの原料として大量に石油由来ベンゼンから製造されています。さらにその製造プロセスは、コストと環境負荷の高い3当量の水素と量論試薬としての硝酸を使用するものが一般的です。また置換アジピン酸は現状安価に入手できるものがないため工業用途では現在未利用となっていますが、低コストで生産することができれば機能性樹脂への利用が期待できます。本研究開発では、安価で大量供給可能なリグノセルロース系バイオマスから、水素と酸素以外の量論試薬を用いずにアジピン酸および置換アジピン酸の合成を実現させ、機能性樹脂のより効率的な製造プロセスを開発します。
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金属イオン照射による二次元オーバーレイヤー触媒の創製 【用途例】二次元オーバーレイヤー触媒の活用で、環境汚染物質を低減する
従来の三次元多孔構造に代わって二次元薄膜構造に着目し、流通系化学反応に有効なナノ薄膜触媒を設計します。併せてその活性点構造、物理化学特性および触媒特性を明らかにします。具体的には、金属箔表面に二次元オーバーレイヤー構造の薄膜を形成し、高速分子変換機能を発現させるとともに、超高セル密度ハニカム化することで高表面積化を実現します。この技術は従来の粉末触媒と比べ、貴金属の省資源性、熱安定性、被毒耐性、及び機能性に優れており、新しいガス浄化システムの構築に貢献することができます。
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イメージセンサと磁気光学材料を活用し、小型の高速物理(真性)乱数生成器を実現 【用途例】小型で高速かつ低消費電力な物理乱数生成器
乱数は、暗号・シミュレーション・機械学習やエンターテイメントの分野において、データ処理の基盤として重要な位置づけにあります。しかし、小型で高速かつ使いやすい物理乱数(真性乱数)生成器は未だ社会実装されていません。本事業では、磁気光学材料とイメージセンサをこれまでにない手法で応用することで、これからの社会に求められる物理乱数生成器を開発します。
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AIによるレーザー加熱の最適制御技術を活用した、セラミックス複合材料(CMC)の超高温高速熱疲労試験法の確立 【用途例】超高温環境の実現、AI×レーザー制御による高度な温度分布制御により、加速試験やレーザー加工を高度化
本研究は、水蒸気雰囲気下におけるレーザー照射のAI制御により、セラミックス複合材料(CMC)の耐熱温度として期待される1400℃以上の超高温で、かつその温度分布を高度に制御することができる、加熱試験方法・システムの確立を目指します。
本研究を担当する研究者は、既にSiCのセラミックスを1500℃まで30秒程度で加熱する「選択的レーザー温度制御法」を確立しています。今後は、この技術を活用して、任意の温度分布を形成するレーザー照射条件を提案するAIの開発を進めます。
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光通信機器等への活用を想定した、安価に高速光振幅・位相波形測定を可能とする光計測デバイスの開発 【用途例】近年注目を集める光通信への応用
光通信の分野で、計測システムのコスト面は大きな課題となっています。その原因は、光信号や光波形の計測や解析には、非常に高速なデジタル信号処理が必須となり、価格的にネックとなっていたためです。
本技術により「低速信号処理のみ」で高速信号処理依存の光計測機器 に匹敵する性能を得ることを狙います。計測機器としてのコストに直すと、数分の1〜数 10 分の1程度となることが期待されます。
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レーザー加工機の製造コスト低減を見据えた、磁気による2次元光制御を適用したハイパワーレーザーの開発 【用途例】量産に向いた加工用ハイパワーレーザー
レーザー加工とは、ハイパワーで照射したレーザーの照射面を制御し熱エネルギーによって加工する手法です。
本研究では、磁気光学効果という、磁場をかけた物質の透過光や反射光の偏光状態が変化する現象を活用し、レーザーを制御します。この制御手法は、原理的に、集積化が可能な唯一のQスイッチ(発振を制御し高出力パルスを得る手法)素子であると考えられており、ハイパワーレーザーの小型化や量産化による製造コスト低減が期待されています。
また、磁気光学を使ったQスイッチレーザーの開発には、本研究の研究者グループが世界で初めて実現し、関連特許も取得しています。
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粘性熱電材料の特長を生かした、従来より冷却効果が高くフレキシブルな全面冷却シートの開発 【用途例】軽量かつフレキシブルな全面冷却シートの開発により、熱中症予防や、新たなエンターテイメント実現等に貢献
本研究は、独自の粘性熱電材料を活用して、従来のペルチェ素子(冷却装置等に使われる熱電素子)を利用した製品と同量の熱電材料で、50~100倍の大面積に密着して冷却可能な、「全面冷却シート」の実用化を目指します。
本研究を担当する研究者は、Roll to Rollの大量生産を想定した、独自の粘性熱電材料を開発し、極薄でも温度差を維持できることを実証しました。この粘性熱電材料を活用して、全面冷却シートの実用化に向けた材料、デバイス、プロセスに関する研究開発を一気通貫で進めます。
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鍵管理の必要ない低コスト高セキュリティ認証システムの開発 【用途例】認証システムのサーバークラウド化により、シングルサインオン認証を実現
情報の復号化をサーバーで行う必要のない高セキュリティ認証システムを開発します。本研究での認証システムは以下の通りです。
①利用者からの認証情報をワンタイムキーで暗号化し、サーバーへ送信します。
②サーバーでは送られてきた暗号文と登録済みデータを復号化せずに照合します。照合結果は暗号化されたまま照合機へ送られます。したがってサーバーで鍵管理を行う必要はなくなります。
③照合機で照合用の鍵が生成され照合結果のみ参照することができます。
この認証方式を活用することで、セキュリティレベルが高く、アカウント管理の必要ない低コストな認証システムが可能となります。
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低エネルギー損失かつ高出力密度の高性能モーターを実現する、 純鉄粉末の組織制御技術の開発 【用途例】より小型・省エネ・高出力なモータ
「産業のコメ」とも呼ばれるモータは、家電、ロボット、自動車、発電機と、あらゆる産業に不可欠な存在となっています。
本研究テーマは、モータ特性に大きな影響を与える主要部品である鉄心の性能向上を目指します。具体的なアプローチとして、鉄心の材料となる「純鉄粉末」の磁気特性に着目し、鉄心の性能向上のために最適化された加工プロセスと熱処理の手法を研究します。
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