2020年度公募 seeds-0942 - 【関東】 再生可能エネルギーの出力変動を平準化する容量可変なフローキャパシタの研究開発
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VISION

ビジョン

天候変動による再エネ出力変動を平準化するフローキャパシタ

流動状態と充放電速度・充放電効率の最適化

フローキャパシタでは活性炭スラリーを流動させながら電気エネルギーを充放電します.その際のスラリー調製手法・流量が充放電速度・充放電効率にどのように影響するかを体系的に整理してデバイス設計の最適化を行います.フローキャパシタは電池と比べて安価な部材で構築できるデバイスだと期待されています.フローキャパシタの弱点である内部エネルギー損失の低減を目指します.

再生可能エネルギーの安定供給への縁の下の力持ち

再生可能エネルギー発電所には様々な発電特性があり,多様な蓄電デバイスの研究開発が必須です.フローキャパシタは比較的安全,比較的安価,比較的充放電速度が高く,従来のキャパシタと比べて容量可変な利点があります.太陽光等の出力変動する再生可能エネルギーに対して有用なデバイスとして寄与が期待されます.分かっているようでよく分からない活性炭スラリーの流動状態を研究することによりデバイス設計指針が明確になります.

USE CASE

最終用途例

再生可能エネルギーの出力変動を平準化する

USE CASE 01太陽光発電所等が天候に左右されず安定した電力供給品質を獲得

APPLICATION

APPLICATION

出力変動を平準化・好適な電力卸売価格時に売電

化学反応装置に類似した設計により,フローキャパシタを再生可能エネルギー発電所内に設置します.高速応答可能なキャパシタの特性を利用して出力平準化特性を発揮し,好適な電力卸売価格時に売電します.

STRENGTHS

強み

安価な薬品・材料を使用

STRENGTHS 01

蓄電池と異なる充放電原理・材料サイズのため低コスト化が可能

蓄電池では活物質や隔膜に高価な薬品・材料を用いますが,フローキャパシタでは安価な活性炭・高分子多孔膜を使用することにより初期コストを低減できます.

TECHNOLOGY

テクノロジー

流動性を維持しつつ活性炭スラリーを充放電する

TECHNOLOGY 01

一枚物の多孔性カーボンを固定電極に使用

従来型のフローキャパシタではスラリー中の活性炭濃度が高くなると流動性が失われ,活性炭濃度が低くなると電気伝導パスが失われるデメリットがありました.多孔性のカーボンモノリスを固定電極として用いることにより,比較的に活性炭が低濃度で流動性がある状態でも電気伝導を可能とし,荷電物質の外部保存が可能なメリットが活かされるフローキャパシタになります.

PRESENTATION

共同研究仮説

スラリーを流す蓄電デバイスを化学反応装置と捉えて設計する

共同研究仮説01

プロセス的ものづくり知の結集

エンジニアリング的なデバイス設計

化学反応装置・プラントエンジニアリング関連企業との共同研究を想定しています.現時点では基礎的な段階ですが,フローキャパシタは粒子付着・スラリー調製・流体工学・炭素材料学の総合知により設計されます.濾過・流体・スラリーに強みを持つ企業との共同研究によりお互いの強みを活かせると考えています.

RESEARCHER

研究者

石飛宏和 群馬大学 化学システム工学プログラム
経歴

【興味を持っている分野】
反応工学,電気化学,炭素材料学

【最近の研究対象】
レドックスフロー電池,フローキャパシタ,電気化学水素ポンプ
https://researchers-info.st.gunma-u.ac.jp/ees_ishitobi_hirokazu/

【略歴】
神奈川県逗子市出身
2012年~2013年 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
2013年~現在 群馬大学 大学院理工学府 助教
現在の教育担当プログラム:化学システム工学

研究者からのメッセージ

再生可能エネルギーの多様化に対応する一風変わった蓄電デバイスの研究開発

最後までお読みいただきありがとうございます.お読みになって「変な蓄電デバイスを研究しているな!」とお思いになったかと拝察します.しかし,今後に多様な条件で再生可能エネルギーが送電網に導入されますので,存外変な蓄電デバイスでも使い道があろうかと思います.変なデバイスには変なボトルネックがあり,製造現場の知識によって乗り越えることが可能だと考えています.