2022年度公募 seeds-2414 - 【関東】 中赤外デュアル光コム光源による多成分ガス計測技術の開発
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VISION

ビジョン

中赤外デュアル光コム光源を開発し、カーボンニュートラル・脱炭素社会・省エネルギー化に貢献

中赤外デュアル光コムによる多成分ガス計測装置の開発により、カーボンニュートラル・脱炭素社会実現に貢献

カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現には、地球温暖化の原因物質の発生源を把握し適切な対策を組み合わせるとともに、工場エネルギー管理システムの最適化による省エネルギー化を進める必要があります。そのためには、センサーが不要な光による非接触リモートで簡便・小型な装置による多成分ガスの計測技術が求められています。
本研究では、中赤外域の光を高度に利用し、多成分・高速な計測が可能な中赤外デュアル光コム分光装置を簡便・小型な構成で開発し、非接触リモートでの多成分ガス計測技術の実現を目指します。本研究開発により、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現への貢献を目指します。

USE CASE

最終用途例

非接触リモートでの計測が可能な多成分ガス計測装置

USE CASE 01中赤外デュアル光コム光源による非接触リモートで小型・簡便な構成の多成分ガス計測装置

APPLICATION

APPLICATION

中赤外デュアル光コムによる非接触リモートでの多成分ガス計測

中赤外デュアル光コム光源の実現により、レーザー光の特徴である非接触リモートな計測と、中赤外光の特徴を活かした指紋スペクトルの計測が実現できるため、非接触リモートでの多成分ガス計測が可能になります。

STRENGTHS

強み

従来不可能であった高性能と小型・簡便性の両立を実現した実用デュアル光コム光源技術

STRENGTHS 01

ファイバレーザーの多機能性に基づく高性能デュアル光コムの発生

これまでのデュアルコム分光法には、大型・複雑・高価格な光源システムが必要でした。そのため、汎用性に乏しく、実用化は困難でした。本技術は、ファイバレーザーの多機能かつ柔軟な特徴を活かし、高性能かつ小型・簡便性の両立が可能な中赤外域の実用デュアル光コム光源を実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

実用デュアル光コム光源

TECHNOLOGY 01

1台のレーザーによる2台の高性能光コムの同時発生

1台のファイバレーザー共振器に光コムを多重化し、2台の高性能な光コムを同時に発生する技術を持っています。既に、近赤外域におけるガス分子の分光計測と顕微分光への応用を実証しています。これらの成果については、英語論文誌で数報出版し、2020年のレーザー学会第44回奨励賞を受賞しています。
従来のデュアルコム分光法の問題点は、レーザー光源が2台必要なこと、制御システムが必要なことで、これにより、装置が大型・複雑・高価格でした。本技術は、1台のレーザーで2台の光コムを同時発生でき、加えて、それらは互いに自動的に安定化されるため、上記の問題点を解決できると期待されています。

PRESENTATION

共同研究仮説

光源と計測装置を製品として実用化するためのモジュール化

共同研究仮説01

製品化を目指した光源と計測装置の開発

光学系のモジュール化と周辺機器の専用設計化

実用デュアルコム光源は、原理的に可能なことは実証しましたが、製品化を目指すには課題があります。光学系やレーザーの駆動電源、信号処理部などは、研究開発では汎用品を用いています。企業との共同研究により、光学系と周辺機器の専用設計化を進めたいと考えています。

共同研究仮説02

光コム多成分ガス分析計の社会実装

装置の社会実装進めるための研究開発

光コム多成分ガス分析計の社会実装を進めるには、実績のある企業との共同研究が必要です。例えば、プラントや清掃工場への実装には、耐環境性能・温度性能などの評価設備と評価方法に関する知見を持つ企業との共同研究を行い、試作品の性能評価を実施し、研究開発を進めたいと考えています。

LABORATORY

研究設備

光ファイバを用いた光コムの研究開発に特化した研究室

LABORATORY 01

ファイバレーザー光コム光源の開発が可能な設備

光学定盤、光ファイバの融着が可能な融着器、レーザーの状態の評価が可能な計測装置(光スペクトラムアナライザ、RFスペクトラムアナライザ、オートコリレータ)、光学系(分光性能の評価)があります。

RESEARCHER

研究者

中嶋 善晶 東邦大学理学部物理学科(講師)
経歴

■経歴

2010年3月:福井大学大学院工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)
2010年4月∼2011年3月:産業技術総合研究所計測標準研究部門

特別研究員
2011年4月~2013年12月:株式会社ミツトヨ 社員
2014年1月~2020年3月:電気通信大学基盤理工学専攻 特任助教
2014年1月∼2020年3月:ERATO美濃島知的光シンセサイザプロジェクト

研究総括補佐、研究員(兼務)
2019年4月∼2020年3月:日本学術振興会平成31年卓越研究員候補者
2020年4月~現在:東邦大学理学部物理学科 講師
■受賞
2020年5月レーザー学会第44回奨励賞
■業績・特許・獲得研究費など
https://researchmap.jp/read0152213

研究者からのメッセージ

カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現という重要な課題に、光コムというレーザー技術で貢献する

光コムは、高精度な光周波数のものさしという特徴だけでなく、光波のあらゆる情報を読み出し、操作できるポテンシャルを持っています。私が開発した実用デュアル光コム光源は、そのポテンシャルを活かすことが可能なレーザー技術です。本事業を通して、中赤外デュアル光コム光源とその応用である多成分ガス分析装置の実用化技術の開発を、共に進めていただける企業に興味を持っていただきたいと考えています。