2021年度公募 seeds-1682 - 【関東】 次世代エレクトロニクス技術へ貢献するための大気圧プラズマを用いた新たな電気接合技術
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VISION

ビジョン

通常の環境下で極端な反応場を使って表面接着・接合技術・ナノ粒子修飾技術へ貢献

反応性の高い大気圧プラズマを用いて,加熱フリーな導電性接着剤の接着法

従来のウェアラブルエレクトロニクスの電気接合は,紫外光などで簡便に接合ができる一方,接合するための導電性接着剤の電気抵抗が大きいため,機器の小型・軽量化の妨げにつながります.一般的に電気抵抗の小さな接着剤は加熱処理が必要ですが,ウェアラブルエレクトロニクスに用いられる有機材料を加熱することが難しいことが課題の一つです.この課題を解決するために,化学反応性の高い大気圧プラズマを用いて,加熱フリーな導電性接着剤の接着法の開拓を行います.

パワー半導体の電気接合にも加熱フリーな電気接合を

SiC,GaNなどのパワー半導体では,従来のパワーエレクトロニクス回路で求められる動作点と異なり,高温での駆動が可能となります.このことにより,従来の半田による接合ではなくダイアタッチによる加熱接合が進められています.一方,ダイアタッチのナノ粒子は,低温度でも自発的に凝縮・結合するため,分散剤を素早く脱離させる必要があります.これまでの大気圧プラズマを用いたナノ粒子の合成技術などを用いて,反応場を制御しながら,加熱フリーな電気接合方法の開拓を行います.

USE CASE

最終用途例

表面処理・接合技術・ナノ粒子修飾を大気圧プラズマにより簡便に,短時間に

USE CASE 01電気接合

APPLICATION

APPLICATION

ウェアラブルエレクトロニクス,ダイアタッチの低温処理

大気圧プラズマを用いて導電性接着剤を処理すると,ウェアラブルエレクトロニクスの電気接点,ダイアタッチの低温処理が期待できます.これにより,非加熱処理により処理装置の低エネルギー化,低コスト化が期待できます.

USE CASE 02ナノ粒子修飾

APPLICATION

APPLICATION

気液界面プラズマを利用した高度なナノ粒子表面修飾

ナノ粒子の表面修飾には複数のステップを経由して所望の機能を得ますが,熱プロセスではない過程を経ることで,従来にはない経路の反応場を作ることができます.気液界面プラズマと液体の条件を制御することで簡単なプロセスで,ナノ粒子の表面を修飾することができます.

USE CASE 03表面処理

APPLICATION

APPLICATION

大気圧プラズマのラジカルや高エネルギー電子を利用して表面処理を高速化

機能を付与したいが加熱処理が難しい対象に対して,大気圧プラズマと所望の化合物を配合することで,短時間,大面積の対象にさまざまな機能を付与できます.これにより,非加熱処理により処理装置の低エネルギー化,低コスト化が期待できます.

STRENGTHS

強み

導電性接着剤の新たな接着技術をナノ粒子合成から検討

STRENGTHS 01

電源と大気圧プラズマの設計により製造プロセスまでを検討

大気圧プラズマ電源と生成するプラズマの数値解析等によるシミュレーションから,実際の製造プロセスや企業が所望するコストの観点をすり合わせた上で本手法の有用性を示すことができます.また,電源の設計実績や化合物などをうまく選択することで導電性接着剤の接着技術とナノ粒子合成もプラズマで実施可能です.

TECHNOLOGY

テクノロジー

大気圧プラズマを制御し,さまざまな分野の表面制御に適用

TECHNOLOGY 01

大気圧プラズマ化学を用いて表面の接着,制御

これまでに加熱処理の必要となるコーティング剤に対して,大気圧プラズマを適用することで表面の機能付与を実現しました.同様の考え方で導電性接着剤に対しても電気的な接着,接合をすることで従来よりも小型,簡便なシステムを実現することが期待できます.

TECHNOLOGY 02

大型電源と波形制御パルスパワー電源を駆使してさまざまな大気圧プラズマを発生,制御

所有する大気圧プラズマ用電源は,高出力であり大規模化に向けた検討が可能です.また,波形制御パルスパワー電源などにより,大気圧プラズマ発生時のラジカル量などの制御も可能です.これにより小型,簡便なシステムの設計開発も可能です.

PRESENTATION

共同研究仮説

新しい反応場を利活用することで生産技術への貢献,新たな開発のイノベーションへ

共同研究仮説01

大気圧プラズマの作る非熱的反応場の利活用を

大気圧プラズマは熱プロセスによらない,反応場を構築することができます.導電性接着剤の接合だけではなく,有機物の化学反応の促進の場としても利用することが可能です.まずは,意見交換からぜひお声がけください.

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

佐々木徹 長岡技術科学大学 技学研究院 技術科学イノベーション系
経歴

2008年4月-2009年3月 日本大学 理工学部 物理学科 助手

2009年4月-2012年8月 長岡技術科学大学 電気系 助教

2012年9月-2015年3月 長岡技術科学大学 電気系 准教授

2015年4月-2021年3月 長岡技術科学大学 技学研究院 電気電子情報工学専攻 准教授(改組に伴う配置換)

2022年4月-現在 長岡技術科学大学 技学研究院 技術科学イノベーション系 准教授(改組に伴う配置換)

[研究室HP] https://mhdlab.nagaokaut.ac.jp

[研究者情報] https://researchmap.jp/read0140489

研究者からのメッセージ

プラズマの反応場を高度に利活用してイノベーションを

大容量の大気圧プラズマを反応場として,表面処理や材料合成,バイオ応用などに取り組んでいます.そのプロセスを詳細に理解するために原子分子過程や化学反応プロセス,本学の分析センターと協力しながらの詳細分析により大気圧プラズマの利活用方法を検討しています.このほかにもRFプラズマ・マイクロ波プラズマ,パルス放電,パルス高強度レーザー等の種々のプラズマ装置などが一つの研究室で実施できることが特徴です.