入力された組成の安定構造をシミュレーションで予測可能
安定構造を予測する手法は結晶構造探索手法と呼ばれ、リチウムイオン電池や水素貯蔵物質などのエネルギー材料、超伝導物質、半導体および磁性体材料といった様々な産業における新材料設計の基盤ツールとして期待されています。我々が開発しているオープンソースソフトウェアのCrySPYを用いれば、第一原理計算や原子間ポテンシャルによる構造最適化を利用することで簡単な入力から安定構造を予測することが可能です。従来の手法では、ランダム構造か進化的アルゴリズムで構造を生成するのが主流で、いつまで探索しても安定構造が見つけられないこともありました。この問題を解決するため、網羅的に構造を生成して、スクリーニングおよび選択型アルゴリズムにより最安定構造または準安定構造を効率よく探索する手法を開発します。開発した手法はツールとして提供可能なレベルにして、実際に新材料設計の応用を目指します。