2021年度公募 seeds-1892 - 【近畿】 電極・電解質材料設計に資する「リアルタイム」界面可視化技術
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

電気化学反応の鍵である「電極−電解質界面」の簡便なリアルタイム観察法の確立

一般的な評価セルと同等な組み立ての手軽さで、界面のリアルタイム観察を実現

電気化学反応は電極と電解質の境界である「界面」で進行します。したがって、電気化学反応の特性を改善する場合には、この「界面」に着目した材料検討が最も有効だと考えられます。しかし、この「界面」は2つの異なる材料の境界の数ナノメートルの領域のことであり、その観察は困難を極めます。特に、電気化学反応が進行している状況で、「界面」を観察するのは至難の業でした。これまでにさまざまな方法で「界面」のリアルタイム観察が試みられ、多くの素晴らしい成果が得られていますが、どの方法も簡単に試せる手軽さに欠けていました。私たちは、この「界面」のリアルタイム観察のハードルを大きく下げ、材料のルーティーン試験の一つに組み込んでいただけるような手法の開発を試みています。

優れたスペクトル品質・データ再現性・高時間分解能のどれも犠牲にしない

手軽で使いやすい「界面」のリアルタイム観察でも、測定から得られる情報のクオリティーは犠牲にしたくありません。私たちは、セル設計の初期段階からセルの組み立て、データ再現性のしやすさを念頭に置きつつ、技術の肝である光学特性をいかに高めるかを考えました。ポイントは、光学特性ありきのセル設計ではなく、広く使われている電気化学セルの構造をベースとして、そこに必要な光学特性を組み込むというコンセプトでした。この考え方を軸として、馴染みの電気化学セルとほとんど同様の構造で、優れた光学特性(優れたスペクトル品質・データ再現性・高時間分解能)を持つセルの開発を進めています。

USE CASE

最終用途例

界面が鍵となるあらゆる化学/電気化学/触媒反応デバイスの高性能化に貢献

USE CASE 01エネルギー変換反応(燃料電池)の性能向上

APPLICATION

APPLICATION

次世代型燃料電池の電極材料開発のヒントに

「界面」リアルタイム観察により、既存の触媒でボトルネックとなっている反応プロセスを特定することができます。これにより、触媒材料開発に明確な指針が生まれ、確実に性能目標を達成する新規触媒を開発することができます。

USE CASE 02エネルギー貯蔵反応(リチウムイオン二次電池)の性能向上

APPLICATION

APPLICATION

界面に形成するSEI層の謎に迫る

「界面」リアルタイム観察には、電極表面上に形成する電解質分解物由来の薄膜(=SEI)の生成メカニズムや組成が解明できるポテンシャルがあります。これにより、SEIチューニングのための指針が明確になれば、リチウムイオン二次電池の性能向上のブレークスルーにつながります。

STRENGTHS

強み

表面敏感・高時間分解能・簡易測定を実現した界面のリアルタイム観察

STRENGTHS 01

界面からの情報をいかに選択的に取り出せるか

界面は数ナノメートルのとてもわずかな領域であり、通常の測定ではバルクの情報に埋もれてしまいます。私たちは表面プラズモンによる界面近傍のシグナルの増強と、ビーム入射角度最適化により、界面からの情報だけを選択的に増幅する手法を確立しています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

「界面」に特化した光学特性を、シンプルなセル設計で実現

TECHNOLOGY 01

電気化学・分光学の両面からセル設計を最適化する

既存の電気化学セルをベースに、必要な光学特性を組み込むことで、電気化学・分光学の両分野からみて最適なセルの設計を実現することができます。これにより、分光解析の質を担保しつつ、電気化学特性も従来の電気化学専用セルに劣らない、両分野のいいとこ取りが可能になります。

PRESENTATION

共同研究仮説

触媒のリアルタイム可視化技術を、もっと手軽に!

共同研究仮説01

「界面」に照準を合わせた高スループットかつ効果的な材料設計で研究開発を加速

界面リアルタイム観察により得られる反応メカニズム情報は、学術的に価値があるだけでなく、材料開発の加速にもつながります。界面に起因するさまざまな問題の原因を特定し、ピンポイントで対策を練ることで、無駄のない、スピーディーな材料開発を実現したいと考えています。

RESEARCHER

研究者

片山 祐 大阪大学 産業科学研究所
経歴

2016年 4月 日本学術振興会 (京都大学工学研究科) 特別研究員(DC2)

2017年10月 日本学術振興会 (京都大学工学研究科) 特別研究員(PD)

2017年10月 米国マサチューセッツ工科大学 機械工学科 博士研究員

2018年 1月 山口大学大学院創成科学研究科 助教

2018年10月 デンマーク工科大学 物理学科 訪問研究員

2022年 3月 山口大学大学院創成科学研究科 非常勤講師

2022年 3月 大阪大学産業科学研究所 准教授

(Webページ:https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/eem/members.html)

研究者からのメッセージ

界面のリアルタイム可視化技術で、環境・エネルギー問題の解決に貢献

今回ターゲットとした二次電池の電極反応だけでなく、さまざまな(電極)触媒反応の鍵となるのが、固相–液相、もしくは固相–気相などの「界面」です。この「界面」を、手軽に、触媒が活きた状態(=リアルタイム)で可視化する手法を提供します。