2021年度公募 seeds-1654 - 【北海道・東北】 高性能と長時間運転の両立実現を目指すSOFCアノードへ添加する酸化物助触媒研究
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

社会実装を目指すSOFC創製のための電極反応活性助触媒の開発と電極設計

SOFCアノード層への酸化物助触媒添加による電極性能活性サイトの形成

SOFCの性能と安定性の両立のために、安定性確保のための組成であるNiO: YSZ 重量比=4:1にアノードの反応活性助触媒を添加し、少ない3相界面数でも活性を高めることで性能を向上させSOFCのトレードオフ解消を目指した。アノード層中で起こるアノード反応(H2 + O2- => H2O +2e)で律速となるのがZrO2表面の酸化物イオン伝導あると報告されているので、ZrO2表面で酸化物イオンが高速に移動する領域を助触媒添加で「活性サイト」として形成することが出来れば性能向上につながると考えた。活性サイトは助触媒酸化物とアノード構成材料のZrO2表面に電極焼き付け時と還元処理中に形成されると考えている。ZrO2表面の結晶構造に助触媒の構成元素が一部拡散しそれに伴いZrO2表面の欠陥構造を変化させることで活性サイトとして振る舞う。なお、助触媒にはブラウンミラライト型構造を有する酸化物を電極反応活性助触媒として採用した。

酸化物助触媒添加が及ぼすNi粒成長制御による長期安定性効果

長期時間安定性効果を得るためにアノード゙層内への酸化物を添加は、ピンニング効果によるNi粒成長抑制がもたらすH2のガス抜け流路を長時間にわたり確保し続けることで、300時間での性能の低下を初期性能から1/3までに抑制できたと先行研究で明らかになっている。しかし、社会実装を目指すには最低でも10万時間の連続運転試験を行う必要があり、今現在有するものよりも更なる長時間安定性効果の向上が必要となる。H2ガスが抜け流路は助触媒とNi粒子との接触点が増えればその分確保できると考えられる。粒子同士では少ない接触点でH2ガス抜けの流路を確保していたが、形状を制御した助触媒であるならより、Niとの接触点が増え、広いH2ガス抜け流路の確保が期待できる。また酸化物粉末は形状制御することで自身の強度が増すので物理的強度(機械的強度)の観点から、今回提案する助触媒がピンニング効果のくさびとなってH2ガスの抜け流路を広域に確保できると考えられる。

USE CASE

最終用途例

水素社会をリードする次世代エネルギーデバイスSOFCを開発

USE CASE 01SOFCアノードへ助触媒添加効果で性能と安定性の両立を実現

APPLICATION

APPLICATION

SOFCアノード層へ酸化物助触媒を添加して性能向上に有効な界面を生成し、同時に長時間運転によるNiの粒成長を抑制する。

これまでSOFC研究は電解質、カソードが性能を司るキーファクターとして進められてきていた。しかし、社会実装を加速させる新規材料の発見・開発はなされてこなかった。本研究ではこれまでのSOFC研究ではあまり日の目を浴びてこなかったアノードに着目し、さらに構成材料を変えずに本来引き出せていなかった材料のポテンシャルを引き出すことを目指している。

STRENGTHS

強み

合成・キャラクタリゼーション(評価)・計算を用いてSOFC研究を行う

STRENGTHS 01

SOFCのセル作成から電極構造の観察を始めとしたキャラクタリゼーション、電流遮断法を用いた電極性能評価、結晶構造の観点からの欠陥構造シミュレーションを一連して行える。

構成材料を変えずに酸化物助触媒を微量添加することで材料のポテンシャルを最大限に引き出す取り組みは本研究における強みの1つである。

また、SOFCの単セルの作成、発電試験による性能評価、高専が保有する分析機器(SEM,XPS,TEMなど)を用いたキャラクタリゼーション、ワークステーションを用いた欠陥構造シミュレーションなどの計算研究を当研究室、本校で完結して行える。

TECHNOLOGY

テクノロジー

アノード反応活性助触媒の微量添加で大幅な性能向上に貢献できる欠陥構造制御技術

TECHNOLOGY 01

酸化物助触媒の添加でアノード層内のZrO2表面の欠陥構造の制御によって最大限の性能向上効果を得ることができる。構成材料やその比率は変えない程度の微量添加で大幅な改善を見出している。

SOFCアノード層内のZrO2表面/酸化物助触媒の界面にナノスケールの電極性能を向上させる領域を結晶構造制御によって生成させる。この発想はこれまでにない非常にユニークな取り組みであり本研究独自の着眼点である。

PRESENTATION

共同研究仮説

SOFCの社会実装を本気で目指す研究・開発を協働で行いましょう!!

共同研究仮説01

SOFCのみでなく燃料電池の普及を促進する研究に産学連携、オープンイノベーションな連携を築きたいと思っています。

水素社会、カーボンニュートラルなどの次世代エネルギーが必須となるこれからに、「燃料電池」を今以上に普及させるための取り組みを協働で研究開発を行い、次世代エネルギーを代表するデバイスをお互いの強みを活かしながら一緒に開発していきたいです。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

伊藤滋啓 鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 化学・生物コース
経歴

2013年3月 神奈川大学 工学研究科応用化学専攻 博士後期課程修了

2013年4月 鶴岡工業高等専門学校 物質工学科 助教

2016-2017年度 派遣研究教員制度により 物質・材料研究機構(NIMS)へ出向

2018年4月 鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 化学・生物コース 助教

     7月 鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 化学・生物コース 准教授

研究者からのメッセージ

燃料電池評価や研究に関する知見・技術を先端研究と高専ならではの視点から取り組んでいます!!

今後必ず訪れる「水素社会」、「カーボンニュートラル」の時代をリードする研究をお互いのシーズを持ち寄り、是非とも協働で行いたいと考えています。少しでも興味を持たれましたら、まずは気軽にお声掛けください。