2022年度公募 seeds-2447 - 【近畿】 6G社会実現をリードする原子時計チップの革新的な超小型ガスセルの研究開発
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

原子時計チップ用ガスセルの量産化技術

シリコン3次元構造を応用したアルカリ金属生成とガスセル製造法

ガスセルは、シリコンとガラスを微細加工で作製した大きさ数mmの容器にセシウムと緩衝ガス(窒素、アルゴンなど)を封入した小型精密部品です。Beyond 5G実現に向けた民生用の原子時計チップの普及には、大幅なコストダウンをガスセルには求められています。そこで私たちは、シリコンの3次元加工で形成した凸凹付きピラー構造を使ったウェハレベルのアルカリ金属生成法とガスセル製造技術をコア技術として、ガスセルの低コスト・小型化、さらには高信頼性を達成します。これにより、Beyond5Gにおける急激な市場変化に対応できるガスセル量産化技術を確立することで、原子時計チップの小型化・普及に寄与します。

USE CASE

最終用途例

Beyond5G社会を構築する原子時計チップ

USE CASE 01超小型のデバイスで精密な時空間同期を達成

APPLICATION

APPLICATION

スマートドローンやアバターロボティクスを実現

原子時計チップを世界中のエッジデバイス(自動運転・スマートドローン、アバターロボティクス)へ搭載することで、安心・安全・快適な新しい社会の構築につながります。

STRENGTHS

強み

高性能なガスセルを半導体製造の汎用装置群で製造できる

STRENGTHS 01

小型・低価格のブレイクスルーを起こすガスセルの量産プロセス

本事業のガスセルは、半導体製造の汎用装置群で製造できる利点だけでなく、様々なアルカリ金属ガスセルへ適用できる高い汎用性もあります。ガスセルの絶対的な供給量不足から進出を避けてきた企業の研究開発の裾野を拡げ、原子時計チップのみならず、ガスセル応用デバイスなどへの実装も期待されます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

高性能なガスセル製造に必要不可欠な極めてクリーンで低温・高効率なアルカリ金属生成法

TECHNOLOGY 01

アルカリ金属を330℃・10分でウェハ全体のガスセル内に生成

アルカリ金属アジ化物とシリコンの凸凹形状を有するピラー構造を使ったウェハレベルのアルカリ金属生成法とガスセル作製技術の開発は、その独創性と新規性に高い評価を受け、電気学会、エレクトロニクス実装学会などで表彰されました。またガスセルの製造技術こそがが原子時計チップの民生用途における競争力の源泉であると考えています。そこで製造技術の流出や模倣対策等を見据えた積極的な知財戦略を進め、これまでに国際特許1件、国内特許1件を京都大学単独発明として出願しました。

PRESENTATION

共同研究仮説

原子時計チップの物理パッケージにガスセルを実装して性能レベルを見極める

共同研究仮説01

電子機器としての信頼性の評価

周波数安定性と性能寿命の特性評価

電子機器全体の市場動向は、小型化・高密度化を求める一方、高い信頼性(寿命、温度領域)の仕様を求めるケースが急増しています。そのため原子時計チップの物理パッケージにガスセルを搭載して性能評価を予定しており、原子時計関連の企業と合わせて電子部品の寿命評価を進める企業との共同研究を希望します。

RESEARCHER

研究者

平井義和 京都大学大学院工学研究科(講師)
経歴

世界最先端・独自の研究データは、オリジナルのナノ・マイクロメートルオーダー(10^-6〜10^-9m)精度の微細加工技術やデバイス、それらを融合した先端計測技術から生じるものと考えて研究を行っています。創造的・独創的なナノ・マイクロシステムの研究開発に資する3次元微細加工と機械システム工学に基づいた設計・解析を主な基幹技術として、量子干渉効果を用いたチップスケール原子センサや医薬品開発・疾病機序解明における革新的なツールとして期待される組織チップなどへ展開しています。現在は研究室HP(https://mdde.me.kyoto-u.ac.jp/)に示すナノ・マイクロ科学領域における4つの研究分野(Nano/Microfabrication・Nano/Microdevice・Micro-Biosystems・Nano-Bioscience)における基礎的な学理の解明・構築を進めるとともに、世界をリードする分野融合型研究や産学連携にも積極的に取り組んでいます。

研究者からのメッセージ

Alone we go faster, Together we go further!

機械システム工学をベースとしたナノマイクロ科学分野における基礎的な学理の解明・構築を通じて、従来の枠組みを越えた学際融合研究(物理学、バイオ、医療)や国際連携研究(オランダ、ドイツ)に積極的にも取り組むとともに、最新の研究成果を社会還元すべく民間企業との共同研究やコンソーシアム活動も進めています。ここ京都大学・桂キャンパスから世界に向けて情報を発信し、当該研究分野と産業界に直接貢献する研究を常に心がけています。研究室の研究内容や活動、またご相談(技術・見学・研究室配属)などがございましたらお気軽にご連絡ください。