従来とは異なる電圧調整方法で、ノイズフィルタのいらない回路を開発
新たに導入されることが予想される伝導ノイズの国際規格に対し、ノイズフィルタ無しで規格を満たすことのできる力率改善(PFC)回路を開発します。ノイズ発生の原因となっていた従来のMOSFETのスイッチングを用いた電圧変換を使用せず、MOSFETの線形増幅機能を用いた回路の研究開発を行い、より厳しいノイズ規格を満たせるようにします。
若手研究者産学連携
プラットフォーム
このシーズに
問い合わせる
ビジョン
新たに導入されることが予想される伝導ノイズの国際規格に対し、ノイズフィルタ無しで規格を満たすことのできる力率改善(PFC)回路を開発します。ノイズ発生の原因となっていた従来のMOSFETのスイッチングを用いた電圧変換を使用せず、MOSFETの線形増幅機能を用いた回路の研究開発を行い、より厳しいノイズ規格を満たせるようにします。
最終用途例
強み
従来のスイッチング動作とは発想が全く異なる電圧調整法(N型半導体の線形増幅(リニアアンプ)動作)を用い、ノイズフィルタを使用せずにノイズを低減する回路の実現を目指します。また、本技術のようなノイズフィルタレス回路の研究を行っている国内の研究者は数少ない状態です。
他の線形増幅回路ではN型とP型の半導体の両者が必要であり,特にP型半導体は特性が劣るため実用化に至っていません。本回路は特性がよく入手性も良好なN型半導体のみで線形増幅動作を実現するため,低コスト化や,高効率化に適しています。
電力変換回路の中でフィルタ回路を構成するインダクタ及びコンデンサの占めるコスト割合が増加しています。本回路はフィルタがそもそも不要な回路トポロジーであるため、これらのコストを低減できます。加えて,製品化にあたってノイズの測定・評価・対策に要する時間を短縮できます。
テクノロジー
従来は半導体スイッチのオンとオフの切り替えによって出力電圧を変化させる手法が用いられ、それに伴い発生するノイズをノイズフィルタで抑制していました。本研究ではスイッチングではなく、半導体の線形増幅(リニアアンプ)動作を用いて電圧を調整するため、ノイズ自体が発生せず、ノイズフィルタ不要の回路が実現可能です。特に、マルチレベルトポロジーと組み合わせることで,線形増幅回路であっても電圧の調整が可能となります。
共同研究仮説
本技術で用いている線形増幅動作は、一般の電力変換回路では用いられない技術であり、汎用の制御ICの使用が困難です。そのため実用化に耐えうるコストとなるよう、制御システムの構築方法を共同開発します。さらに、量産に向けては,専用の制御ICを半導体メーカー等と共同開発できればと思います。
本研究で実現する回路は多数の半導体デバイスを用いて構成されるため、システム全体の故障率は各半導体デバイスの故障率の乗算となります。従来回路と同等の信頼性を確保するためには、各半導体デバイスの故障率が従来回路よりも低くなければなりません。そのため信頼性の評価及び向上をメーカーと共同開発できればと思います。
研究設備
イベント動画
研究者