2020年度公募 seeds-1078 - 【関東】 導電性ダイヤモンドナノ粒子の開発と高性能水系キャパシタへの応用
  • エレクトロニクス
  • 自動車・機械
  • IT・通信
  • 素材
  • ケミカル
  • IoT
  • 次世代デバイス
  • 新素材
  • 化学
  • #エネルギー
  • #ダイヤモンド
  • #電気化学
  • #キャパシタ
  • #出力
  • #安全
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

高エネルギー密度・高出力密度かつ安全な水系キャパシタにより、エネルギーの効率的な利用を

ダイヤモンドが実現する次世代キャパシタ

安全な中性水系電解液を用いた高エネルギー密度かつ高出力密度の電気二重層キャパシタ(EDLC)の開発を行います。EDLCは、二次電池とは異なり、急速充放電が可能で充放電の繰り返しに対する耐久性に優れた蓄電デバイスです。このような特性から、EDLCは自動車のエネルギー回生や再生可能エネルギーによる発電における電力平準化のためのデバイスとして利用されています。本研究では、「導電性ダイヤモンドナノ粒子」を電極材料とする高性能水系EDLCの開発を目指します。

安全・高性能なEDLCの開発により、カーボンニュートラルおよびSociety 5.0の実現を推進する

EDLCは出力が高く、急速な充放電が可能ですが、貯蔵できるエネルギー密度が小さいという課題があります。本研究テーマでは、EDLCの利点である大きな出力を維持しながら、エネルギー密度を向上することで、二次電池を補完する蓄電デバイスの開発を目指します。デバイス体積当たりのエネルギー密度の大きなEDLCを提供できれば、自動車エネルギー回生への利用によるカーボンニュートラルへの貢献、IoTデバイスやウェアラブルデバイスへの利用によるSociety 5.0の普及への貢献が期待されます。

USE CASE

最終用途例

安全・省スペースで大きな電力を貯蔵するデバイス

USE CASE 01自動車回生エネルギーへの応用

APPLICATION

APPLICATION

安全・省スペースデバイスで電力を貯蔵

本研究により開発したデバイスを自動車エネルギー回生に応用すれば、従来よりもデバイスを小型化でき、同じスペースでより大きな電力貯蔵が可能になります。不燃性の水系電解液なので、安全です。

USE CASE 02IoT/ウェアラブルデバイスへの応用

APPLICATION

APPLICATION

安全で超小型/超薄型の二次電源

デバイス体積当たりのエネルギー密度・出力密度の大きなEDLCは小型・薄型の二次電源として利用できます。軽量・フレキシブル化も可能なため、未利用領域でのIoT化やウェアラブルデバイスに応用可能です。

STRENGTHS

強み

導電性ダイヤモンド+飽和過塩素酸ナトリウムの最強タッグ

STRENGTHS 01

「電位窓の広い」電極材料と電解液の組み合わせ

ボロンドープダイヤモンド(BDD)電極は高電位においても水の電気分解が起きにくい(=電位窓が広い)ことが知られています。我々は、粉末状のBDDである導電性ダイヤモンドナノ粒子を独自に開発しました。さらに、電位窓の広い水系電解液である飽和過塩素酸ナトリウムと組み合わせ、高性能デバイスを実現しました。

TECHNOLOGY

テクノロジー

導電性ダイヤモンドパウダー作製技術の確立

TECHNOLOGY 01

独自開発の新規ダイヤモンド材料

BDDは機能性電極材料として電気化学センサー、電気分解等の電気化学デバイス/システムへの応用が期待されています。我々はBDDの応用分野拡大を目指して、BDDパウダーを開発しました。BDDパウダーは、高比表面積の導電性ダイヤモンドであり、EDLC用電極や燃料電池触媒担体として利用することができます。また、インク化・ペースト化することにより、スクリーン印刷や各種塗工プロセスにより、様々な基板上にダイヤモンド電極を形成することができます。

PRESENTATION

共同研究仮説

導電性ダイヤモンドパウダーの量産化およびEDLCデバイスの開発

共同研究仮説01

実用化に向けた課題の抽出と解決

実用化のカギとなる材料の量産化とデバイスの実用性の検討

導電性ダイヤモンドナノ粒子の作製、電気化学特性評価およびEDLCデバイスの試作と基礎特性評価は実施済みです。実用化に向けた課題として、導電性ダイヤモンドナノ粒子の量産化および実際の用途を想定したデバイスの作製および実証が挙げられます。

RESEARCHER

研究者

近藤剛史 東京理科大学理工学部先端化学科・准教授
経歴

経歴:
2004年 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 博士課程修了・学位取得
2004-2009年 東京理科大学工学部工業化学科 助教
2009-2019年 東京理科大学理工学部工業化学科(現・先端化学科)助教・講師を経て
2019年より現職
主な受賞:
平成22年度 電気化学会進歩賞・佐野賞
平成26年度 東京理科大学優秀研究者奨励賞

研究者からのメッセージ

究極の物質「ダイヤモンド」で課題の解決を目指す!

ダイヤモンドは、物質中で最高の硬度や熱伝導率を示す、化学的に非常に安定、毒性がなく生体親和性に優れるといった、いくつもの際立った物性を持つ物質です。一方で、ダイヤモンドは炭素のみで構成され希少元素を含まないため「元素的にはチープ」な物質でもあります。このように「究極の物質」であるダイヤモンドを、古くから知っていながら、人間はまだ十分に使いこなしていません。ダイヤモンドに対する理解を深めつつ、ダイヤモンドを社会的な課題解決に役立てるための技術を磨いていきたいと考えています。