2020年度公募 seeds-0914 - 【中国・四国】 耐熱性と耐酸化性に優れたセラミクス吸着材の開発
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

利用範囲が限られていた「ホワイトカーボン」のポテンシャルを最大限活かす

窒化ホウ素を壁材とする高比表面積材料を開発

窒化ホウ素は「ホワイトカーボン」とも呼ばれ、炭素原子2個分の総電子数が窒素とホウ素の電子数の和と同じで、炭素材料に類似した結晶構造をとることで知られています。一方で窒化ホウ素は白色の絶縁体であり、炭素材料とは全く異なる性質をもちます。我々は、窒化ホウ素を壁材とする細孔性材料を創製し、炭素材料を超えるガス吸着能を有している可能性を示す結果を得ました。セラミクスの1つである窒化ホウ素は耐酸化性や耐熱性に優れていることから、既存の材料よりも過酷な条件で利用することが可能であり、細孔性窒化ホウ素の新たな用途開拓を目指します。

長く使える、何度も再生できる、耐久性に優れた吸着材・触媒担体

例えば、炭素材料は空気中で簡単に燃焼しますが、セラミクスである窒化ホウ素は耐熱材料として優れており、高温のガス雰囲気など過酷な条件での吸着材や触媒担体としての利用が考えられます。また、吸着材の再生には多くの場合加熱処理を伴いますが、耐久性に優れていれば材料の再生プロセスにおける劣化も防ぐことができ、1つの材料を長く利用することが可能です。

USE CASE

最終用途例

セラミクスの特徴をそのままに、長く使える吸着材

USE CASE 01劣化耐性に優れた吸着材・触媒担体

APPLICATION

APPLICATION

耐酸化性を上手に利用する

高温の酸化性ガスが含まれる雰囲気での吸着材や触媒担体としての利用が想定されます。

USE CASE 02耐熱性に優れた吸着材

APPLICATION

APPLICATION

燃えにくい性質を巧みに利用する

結晶性の高いゼオライトは耐熱性に優れていますが細孔設計の自由度は高くありません。一方、細孔性窒化ホウ素はアモルファスであるため細孔を比較的自由に制御することが可能です。

STRENGTHS

強み

ゼオライトでもない、活性炭でもない、新たな材料

STRENGTHS 01

ゼオライトと活性炭の利点を併せもつ、細孔性窒化ホウ素

ゼオライトのような耐熱性と、活性炭のような材料設計の自由度があるため、これまでとは異なる用途の開拓が見込めます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

炭素材料よりも耐久性に優れ、高いガス吸着能を誇る細孔性窒化ホウ素の開発に成功

TECHNOLOGY 01

700℃でも燃えない「ホワイトカーボン」

これまでに、空気中では700℃まで細孔の構造や細孔壁の組成が変化しない細孔性窒化ホウ素の創製に成功しています。その細孔はミクロ孔とメソ孔とから構成されており、最大1,000平方メートル毎グラムという高比表面積を誇るのが特徴です。このような細孔性窒化ホウ素は、活性炭では燃焼してしまうような環境でも細孔や表面の構造を維持でき、表面の機能化によりゼオライトのような触媒反応を効率良く行うことができる可能性があります。

TECHNOLOGY 02

窒素分子は炭素よりも窒化ホウ素と強く相互作用する

窒化ホウ素は異なる2つの元素から構成されるため、同一元素で構成される炭素系の材料と異なり、気体分子との相互作用がわずかに異なります。我々は、アルゴンの吸着量を基準とした窒素吸着量の解析から、窒素分子と細孔性窒化ホウ素との相互作用が活性炭の場合よりも大きく、窒素に対して吸着を促進する効果に優れていることを発見しました。窒素以外の分子に対しても優れた吸着能を示す可能性があります。

PRESENTATION

共同研究仮説

欲しい機能を備えた細孔性窒化ホウ素を大量生産するための技術開拓

共同研究仮説01

窒化ホウ素のメリットが発揮される過酷条件

吸着材の交換が頻繁ではありませんか?

例えば、高温の排ガス付近や酸化性ガスを伴う場面では、吸着材の再生や交換作業を頻繁に行う必要があります。細孔性窒化ホウ素であれば劣化を大幅に防ぐことができる可能性があります。それぞれの用途に適した表面構造、結晶性を有する材料の開発が必要です。

共同研究仮説02

細孔性窒化ホウ素の大量生産プロセスの開発

研究室での生産能力には限界があります。

大学の研究室レベルでの生産能力には限界があります。実際に使って頂くためには、出発材料の選定から反応プロセスの設計までを最適化するための研究が不可欠です。

RESEARCHER

研究者

大久保貴広 岡山大学学術研究院自然科学学域
経歴

埼玉県出身
2003年3月 千葉大学大学院自然科学研究科修了 博士(理学)
2003年4月 日本学術振興会特別研究員(PD)
2004年4月 東京理科大学総合研究所 助手
2006年1月 豪州クイーンズランド大学客員研究員
2007年4月 岡山大学大学院自然科学研究科 准教授
2021年4月 岡山大学学術研究院自然科学学域 准教授(改組による配置換)
https://researchmap.jp/tkhr_ohkubo

研究者からのメッセージ

材料選択の幅を拡げたい!

固体吸着材や不均一触媒担体としてゼオライトや活性炭など古くから使われている材料に加えて、様々な新規材料も有望視されています。どの材料も利点と欠点を併せもつため、使用できる範囲が限られます。本研究では、活性炭では燃焼してしまうような過酷な条件でも細孔構造や表面状態に殆ど影響がない高耐久性をメリットとする細孔材料の開発を実施すると共に、用途に合わせた細孔の設計指針を確立した上で実用化したいと考えています。