2023年度公募 seeds-4770 - 【関東】 マイクロ波加熱を駆使した材料・化学プロセスの革新
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

マイクロ波局所加熱で新たな材料・触媒反応を切り拓く

マイクロ波を駆使し、これまでになかった革新的なナノ材料の合成や、高難度な触媒反応プロセスを開発する

近年、マイクロ波による化学プロセスの省エネ化・電化が注目を浴びています。私は、既存プロセスをマイクロ波へ移行するだけでなく、マイクロ波だからこそ切り拓くことのできる「今までにない」化学プロセスを開発し、産業変革を加速していきたいと考えています。その中心となる技術は「マイクロ波局所加熱」であり、究極的には原子・イオンだけを選択的に加熱するができることを見出してきました。この原子レベル局所加熱を駆使して、革新的なナノ構造材料の合成や、高難度な触媒反応の実現を目指します。

USE CASE

最終用途例

これまでの方法では作れないナノ構造材料や、高難度な触媒反応の実現に向けて

USE CASE 01マイクロ波局所加熱による革新的なナノ構造材料の創出

APPLICATION

APPLICATION

複雑な構造の高機能材料や触媒材料に向けて

マイクロ波による局所加熱を駆使し、これまで困難だった革新的なナノ構造材料を創り出します。例えば、持金属ナノ粒子だけを加熱することによる選択的化学修飾・合金化など、そのアイディアや用途は無数にあります。

MARKET

MARKET

すべてのナノ材料開発に、新たなアイディアを

これまでの材料合成は、「全体を加熱すること」がベースになっています。マイクロ波局所加熱は全く違った加熱環境を提供し、例えば触媒材料、化粧品添加剤など、あらゆる材料合成に新たなアイディアが生まれます。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

シミュレーションによる実装プロセスの提案

実装プロセスとするためには、マイクロ波による局所加熱がスケールアップしても維持されるのかが重要です。研究の初期段階で電磁界シミュレーションによる実装シナリオを提案し、実装を見据えた研究開発を行います。

USE CASE 02マイクロ波局所加熱による高難度な触媒反応の実現

APPLICATION

APPLICATION

活性点だけを加熱し、選択性の高い触媒反応を目指す

担持金属ナノ粒子や、固体酸塩基触媒における酸塩基点のイオンなど、触媒活性点として働く原子(群)のみを選択的に加熱することで、それ以外の場所で起こる副反応を抑制し、選択制の高い反応プロセスを実現します。

MARKET

MARKET

多くのエネルギー投入が必要な反応を革新する

難易度の高い反応には、多くのエネルギーが必要となる場合がありますが、結果として選択率の低下や環境負荷に繋がります。マイクロ波局所加熱によって、これらの高い選択率・高エネルギー効率を両立します。

IMPLEMENTATION

IMPLEMENTATION

化学産業の省エネ・電化、そしてカーボンニュートラル向けて

カーボンニュートラルを目指すために有益とされている、難易度の高い化学反応をマイクロ波局所加熱によって革新し、高い反応選択性・収率と省エネ化・電化を同時に目指します。

STRENGTHS

強み

精密なナノ構造材料を創れるからこそ、マイクロ波の特長を最大化できる

STRENGTHS 01

マイクロ波の強みを生かす材料・触媒設計を目指す

マイクロ波の局所加熱を最大限に引き出し、そのユニークさや省エネ効果を最大化するためには、対象として用いるナノ構造材料の精密設計が極めて重要です。多孔質材料やナノ粒子など、様々なナノ材料の合成テクニックを有するからこそできる研究開発戦略です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

マイクロ波と物質との相互作用に立脚した材料設計

TECHNOLOGY 01

あらゆるスケール感でマイクロ波物性を設計

我々は、ミクロ細孔内に入っている原子・イオンの制御(Å)から、ナノ粒子材料やメソ多孔性材料の精密合成(nm)、そしてセラミックスのようなバルク構造の設計(μm)まで、あらゆるスケール感で材料を精密に合成することができます。そして、これらの材料設計をマイクロ波と物質の相互作用を鑑みながら行うことで、局所加熱を最大化する材料や化学プロセスを創り出すことができます。

TECHNOLOGY 02

マイクロ波周波数や電磁界分布の設計

材料のマイクロ波加熱挙動は、マイクロ波の周波数によっても制御することができます。例えばセラミックスは低い周波数の方が加熱されやすく、金属ナノ粒子は高い周波数の方が加熱されやすいなどの違いがあり、これらの物性に基づいた材料設計を施すことができます。更に、光ではイメージがしにくいですが、マイクロ波の場合は電界と磁界を分離した選択的照射が可能です。これにより、磁性体・誘電体などを選択的に加熱することができ、更なる選択加熱を実現できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

化学プロセスを一新するマイクロ波プロセスを共に開発しましょう

共同研究仮説01

「これまで難しかった」がキーワードです

社会が変わるインパクトをもった、夢の材料・反応の実現に向けて

これまでの通常加熱では難度の高い、もしくは大きな課題を抱えている化学プロセスについて、マイクロ波局所加熱による解決方策を提案します。材料設計に基づく強みをベースに、いろいろな戦略を提案させていただきたいと思いますので、まずはご相談いただければ幸いです。

共同研究仮説02

化学プロセスを一新するマイクロ波プロセスを共に開発しましょう

RESEARCHER

研究者

岸本史直 東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻(助教/文部科学省卓越研究員/東京大学卓越研究員)
経歴

■経歴
2018年3月 東京工業大学 大学院理工学研究科応用化学専攻博士後期課程修了 (指導教官:和田雄二教授)
(この間、2016年1-4月 米国ローレンスバークレー国立研究所訪問研究員 (Prof. Miquel Salmeron)
2018年4月 東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 大久保・脇原研究室 日本学術振興会特別研究員SPD
2021年3月 東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 高鍋研究室 助教

現在に至る

■受賞歴
2022年10月 日本電磁波エネルギー応用学会第16回シンポジウム 研究奨励賞
2020年11月 日本ゼオライト学会第36回研究発表会 若手優秀講演賞
2019年2月 東京工業大学手島精一記念研究賞 博士論文賞
2017年6月 産経新聞社先端技術大賞 ニッポン放送賞

■学会活動等
2020年4月~:日本学術振興会産学協力委員会「R024電磁波励起反応場委員会」委員 など

研究者からのメッセージ

マイクロ波加熱を原子レベルで操って、化学プロセスの革新を目指す

マイクロ波は、産業電化に向けた戦略として近年注目を集めています。大学で研究対象とするからには、既存のプロセスを単にマイクロ波に置き換えるだけに留まらず、これまでの技術では実現できなかったような新しいナノ構造材料や、革新的な化学反応を目指していきたいと考えています。研究室では、そのためのシミュレーションツールやマイクロ波物性評価装置、マイクロ波反応装置などの研究環境を整備しています。「無理難題」や「夢のまた夢」と思うようなことが、マイクロ波技術と出会うことで産業変革につながる可能性があります。マイクロ波と材料化学の専門領域を駆使して研究戦略を練っていきますので、ぜひお声かけください。