2022年度公募 seeds-3071 - 【中部】 照射波長の選択肢を増やす近赤外光合成プロセスに基づく機能性化成品の一括合成
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VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

波長の切り替えに基づく連続反応を実現する触媒・反応装置の開発

近赤外光の自在活用により有機合成の条件に「照射波長」を加えたい

可視光をエネルギー源として用いる光レドックス型触媒のほとんどは、600 nmより長波長の光と相互作用しません。これは近赤外光により活性化できる触媒と従来型触媒が共存可能であり、照射波長の切り替えにより適切なタイミングで、適切な反応が実現できることを意味します。これまで照射強度や照射時間といったパラメーターしか選択肢がなかった光反応に「照射波長」という新たな選択肢を加えることで、連続化に基づく化成品合成の大幅な省プロセスが実現できると考えています。

USE CASE

最終用途例

照射波長切り替えに基づく連続光反応を実現する触媒の開発とプロセス化

USE CASE 01近赤外光反応触媒の開発

APPLICATION

APPLICATION

未利用エネルギーの有機合成への活用

従来、光エネルギー源として顧みられることがなかった近赤外光を有機合成へ利用できることで、エネルギー利用効率の向上に貢献できることが期待できます。

USE CASE 02連続光反応とフロー合成プロセスの融合

APPLICATION

APPLICATION

従来プロセスを活用した省エネルギー化

機械的に簡単に制御できる光照射波長を反応切り替えのトリガーに用いることができるため、既存のフロー合成プロセスに研究開発成果を容易に組み込むことができます。

STRENGTHS

強み

近赤外光を用いた選択的反応を実現する触媒材料

STRENGTHS 01

遮蔽条件反応や可視光材料の直接変換を近赤外光を用いて実現

透過性の高い近赤外光によって選択的に活性化される触媒を独自に開発し、これを用いることで、従来の可視光反応系では不可能であった遮蔽条件下での反応や、蛍光材料などの可視光材料を直接改変できる技術を確立しました。

TECHNOLOGY

テクノロジー

近赤外光の自在活用を目指した機能性有機色素の開発

TECHNOLOGY 01

光・電気特性を能動的に制御できる材料開発

工業的に確立された有機色素の一種であるフタロシアニンを基盤に、600~1000 nmの近赤外光を自在活用できる材料の開発を行なっています。光および電気特性を緻密な設計を元に、様々なニーズに幅広く対応できる材料の合成技術を有しています。これまでに多数の企業様との共同研究を通した材料開発も積極的に行なってきました。

PRESENTATION

共同研究仮説

連続光反応の社会実装に向けたプロセス開発

共同研究仮説01

実装スケールにおける反応装置・照射光源の確立

実用スケールに耐える反応系の構築

本技術で開発する連続光反応が実現できれば従来の光反応と組み合わせることで、既存の機能性化学品合成へ直接適用が可能になります。化学メーカー、医薬メーカーを中心に、ニーズの提案および、実験室では困難な実装スケールにおける反応装置、照射光源の効率化に共同で取り組んでいただける企業を求めています。

LABORATORY

研究設備

近赤外光材料の自在な開発を実現する合成技術

LABORATORY 01

近赤外色素・近赤外光反応のための合成設備

設計した材料を合成可能は有機合成および構造決定に関するノウハウ、設備一式を有しています。また、600~1000 nmの特定の光を照射した反応が検討できる光反応装置を構築しています。

LABORATORY 02

光・電気特性の評価系

紫外可視近赤外吸光光度計、発光物性(量子収率・寿命)測定装置、電気化学測定システムなど、得られた材料の基礎物性評価をするための一連の装置を整備しています。また、理論計算による機能の予測や評価も行うことができます。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

古山 渓行 金沢大学 理工研究域物質化学系
(准教授)
経歴

■経歴
2010年3月 東京大学大学院薬学系研究科分子薬学専攻

博士後期課程修了 博士(薬学)
2010年4月 理化学研究所 特別研究員
2010年7月 東北大学大学院理学研究科 助教
2015年11月 金沢大学理工研究域物質化学系 准教授 現在に至る
2018年10月〜2022年3月 科学技術振興機構(JST)

さきがけ研究者(兼任)
■主な受賞歴
SPP/JPP Young Investigator Award(2022年)、科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞(2022年)、
有機合成化学協会高砂香料工業研究企画賞(2017年)、日本薬学会奨励賞(2017年)、PCCP Prize(2015年)
■業績等詳細
https://researchmap.jp/read0154926
■最近の研究に関する講演動画
https://www.youtube.com/watch?v=S2jlGK88tH8

研究者からのメッセージ

近赤外光を活用できる有機材料はお任せください

近赤外光を活用できる材料について、様々な分野の企業・研究者のニーズを汲み、具体的な材料の設計・合成を長年行なってきました。特にフタロシアニンを基盤とした合成技術に自信があり、さらに独自材料の開発実績もございます。各種材料は光触媒をはじめ、光電変換材料や医療材料への応用も可能です。多数の企業様からのご相談や共同研究も受け付けてきましたので、近赤外光に馴染みがない方も是非お気軽にご相談ください。
E-mail: tfuruyama@se.kanazawa-u.ac.jp