2020年度公募 seeds-0266 - 【北海道・東北】 安価なバイオマス資源からアジピン酸類を効率的に取得する技術でバイオマス由来のプラスチック製造を効率化
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

バイオマス由来のプラスチック製造を確立し、CO2削減および石油利用削減

安価で大量供給可能なリグノセルロース系バイオマスからアジピン酸類を製造する触媒反応系を開発

C6のジカルボン酸であるアジピン酸は、主にポリアミド樹脂66ナイロンの原料として大量に石油由来ベンゼンから製造されています。さらにその製造プロセスは、コストと環境負荷の高い3当量の水素と量論試薬としての硝酸を使用するものが一般的です。また置換アジピン酸は現状安価に入手できるものがないため工業用途では現在未利用となっていますが、低コストで生産することができれば機能性樹脂への利用が期待できます。本研究開発では、安価で大量供給可能なリグノセルロース系バイオマスから、水素と酸素以外の量論試薬を用いずにアジピン酸および置換アジピン酸の合成を実現させ、機能性樹脂のより効率的な製造プロセスを開発します。

機能性樹脂を低環境負荷かつ低コストで

安価で大量供給可能なリグノセルロース系バイオマスからアジピン酸類(アジピン酸および置換アジピン酸)を製造する触媒反応系を開発し、現在石油から製造されかつ副生成物の量が多いポリアミド樹脂等を、バイオマスから低環境負荷かつ安全に製造可能とすることを目指します。これが実現すれば、企業が機能性樹脂を製造する際のコストを削減するに留まらず、枯渇が懸念される化石燃料である石油利用量の削減、さらには温室効果ガスの削減に大きな効果をもたらします。

USE CASE

最終用途例

バイオマス由来のプラスチック製造プロセスを実用化する

USE CASE 01ポリエステル、ポリアミドなどの機能性樹脂の原料生成を効率化

APPLICATION

APPLICATION

アジピン酸類の新製造プロセス

ポリエステル、ポリアミドなどの機能性樹脂のモノマーとして用いられるアジピン酸は環境負荷とコスト負担の大きい石油由来のものが一般的です。バイオマス由来の新製造プロセスの実現でこれらの問題は解消されます。

MARKET

MARKET

化学系メーカ

機能性樹脂を製造するメーカ、並びに左記企業にケミカル製品を販売する企業にとって、より効率的なプロセスが提供されます。既存プロセスにおける環境負荷、コスト負荷の改善需要に対して応える形です。

STRENGTHS

強み

バイオマス由来化合物からアジピン酸を得る他の手法と比較して安全性・経済性に優れる

STRENGTHS 01

有毒性や燃焼危険性のある物質は用いずアジピン酸の回収率は高い

類似研究では有毒なHIや燃焼危険性のあるメタノールを用いる手法がありますが、当該研究においてはこれらを必要としません。また生成物のアジピン酸が固体として析出するため回収が容易なことも利点です。さらに置換アジピン酸の製造についてはほぼ先行研究はなく、新たな着眼点であることも特徴です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

Pt系触媒(FDCAの水素化還元)・ヘテロポリ酸触媒(グアイアコールの水素化物の酸化)等は開発済

TECHNOLOGY 01

既に開発済のプロセス

本研究開発ではセルロース成分から脱水・酸化により得られるフランジカルボン酸(FDCA)、リグニン成分の分解で得られるグアイアコールを出発物質とし、水素と酸素以外の量論試薬を用いずにアジピン酸類を合成します。これまでに、FDCA の水素化還元によりアジピン酸および2-ヒドロキシアジピン酸を得るPt 系触媒、グアイアコールの水素化物の酸化でアジピン酸を得るヘテロポリ酸触媒等を開発しており、本研究開発において実用レベルへの性能向上を行っていきます。

PRESENTATION

共同研究仮説

FDCA→2-ヒドロキシアジピン酸、グアイアコール→アジピン酸の変換を早期に収率ベースで実用レベルへ

共同研究仮説01

企業が用意する反応物サンプルを用いた研究計画を想定

共同研究計画

2022年度までにアジピン酸類の回収については実用化レベルまで到達させることを狙います。その後、共同研究をさせて頂く企業のニーズに合わせて反応を行う想定です。それを踏まえ、2025年度までに触媒劣化挙動、触媒使用中の構造変化を検討し、寿命を向上させる触媒改良と触媒再生法まで開発することを目指します。

本研究開発における対象反応

※図中のA、B、Cをご参照下さい

LABORATORY

研究設備

本開発を行う環境・設備

LABORATORY 01

反応装置

高圧回分式反応器、加熱装置、分析用のガスクロマトグラフのセット。実験を行うメンバー各々にこのセット1つを割り当て、マシンタイム制約なく研究を遂行します。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

中川善直 東北大学 大学院工学研究科
経歴

神奈川県出身

経歴
2005年3月東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程修了
2009年5月まで同大学博士研究員
2009年6月-2010年3月筑波大学数理物質科学研究科特任講師
2010年4月東北大学博士研究員、同年8月助教
2013年4月から准教授(現職)。専門:触媒化学、資源変換化学。触媒学会奨励賞、石油学会奨励賞、グリーン・サステイナブルケミストリー奨励賞。h-index 63。

研究者からのメッセージ

バイオマス由来プラスチックをスモールスタートからビッグビジネスに

バイオマス変換は、社会にインパクトを与えるには安いバルクケミカルへの変換が必要ですが、一飛びにこれを実現するのはバイオマスの供給体制から始まる多大な検討が必要です。本シーズ技術は事業化しやすいファインケミカル用途への変換と、社会インパクトの大きいバルクケミカルへの変換の両方を含んでおり、無理なく実用化につなげられるものです。