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ビジョン
安価で大量供給可能なリグノセルロース系バイオマスからアジピン酸類(アジピン酸および置換アジピン酸)を製造する触媒反応系を開発し、現在石油から製造されかつ副生成物の量が多いポリアミド樹脂等を、バイオマスから低環境負荷かつ安全に製造可能とすることを目指します。これが実現すれば、企業が機能性樹脂を製造する際のコストを削減するに留まらず、枯渇が懸念される化石燃料である石油利用量の削減、さらには温室効果ガスの削減に大きな効果をもたらします。
最終用途例
強み
類似研究では有毒なHIや燃焼危険性のあるメタノールを用いる手法がありますが、当該研究においてはこれらを必要としません。また生成物のアジピン酸が固体として析出するため回収が容易なことも利点です。さらに置換アジピン酸の製造についてはほぼ先行研究はなく、新たな着眼点であることも特徴です。
テクノロジー
本研究開発ではセルロース成分から脱水・酸化により得られるフランジカルボン酸(FDCA)、リグニン成分の分解で得られるグアイアコールを出発物質とし、水素と酸素以外の量論試薬を用いずにアジピン酸類を合成します。これまでに、FDCA の水素化還元によりアジピン酸および2-ヒドロキシアジピン酸を得るPt 系触媒、グアイアコールの水素化物の酸化でアジピン酸を得るヘテロポリ酸触媒等を開発しており、本研究開発において実用レベルへの性能向上を行っていきます。
共同研究仮説
研究設備
イベント動画
研究者
神奈川県出身
経歴
2005年3月東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程修了
2009年5月まで同大学博士研究員
2009年6月-2010年3月筑波大学数理物質科学研究科特任講師
2010年4月東北大学博士研究員、同年8月助教
2013年4月から准教授(現職)。専門:触媒化学、資源変換化学。触媒学会奨励賞、石油学会奨励賞、グリーン・サステイナブルケミストリー奨励賞。h-index 63。