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ビジョン
水素社会実現のためには、水素を直接利用する方法と、本研究のように水素から新たなエネルギーを創出する方法が挙げられます。メタンは既存のガス供給設備を利用することができ、メタンとして貯蔵することで太陽光由来水素の利用拡大につながります。さらに、メタン合成に使われる二酸化炭素を、火力発電所などから排出されるに二酸化炭素を回収して供給することで、更なる二酸化炭素削減効果化が期待されます。
宮崎県は国内有数の豊富な太陽光が降り注ぐ地域であり、豊富な太陽光をもと太陽電池から得られた電気エネルギーとそれをもとに作られた太陽光由来メタン(および水素)を中心としたエネルギーの地産地消を実現します。
最終用途例
APPLICATION
排出される二酸化炭素を回収し、太陽光由来水素と反応させメタンとして貯蔵できれば、二酸化炭素排出量の削減と貯蔵可能なエネルギーの創出が一度に実現できます
強み
テクノロジー
屋外実証に用いられる実証システムは既に稼働中です。メタン合成のもとになる水素生成は、1日連続動作で、太陽光から水素への変換効率で18.8%を得られています。発電効率が高い集光型太陽電池を用いること、集光型太陽電池と水電解装置の電気的接続をDC/DCコンバータで最適化することで、高い太陽光水素変換効率を達成しました。
得られた水素を直接メタン合成を行う反応管に供給することで、太陽光からメタンまで一気通貫の実証試験を行います。反応管に供給する水素・二酸化炭素混合ガスの混合比や反応管温度を最適化することで、二酸化炭素からメタンへの変換効率97.6%、太陽光エネルギーからメタンまでのエネルギー変換効率13.8%を達成しました。
共同研究仮説
コスト削減のため、メタン合成条件および水電解システムの最適化のみならず、システム稼働率の向上を目指します。本システムで用いられている固体高分子型水電解装置による水素製造から、大型化・低価格化が期待できるアルカリ水電解装置の導入を目指します。
研究設備
研究者
2017年2月 宮崎大学 テニュアトラック推進機構 (現:キャリアマネジメント推進機構)テニュアトラック助教
2022年2月 宮崎大学 工学教育研究部 環境・エネルギー工学研究センター 准教授
論文
Performance analysis of sabatier reaction on direct hydrogen inlet rates based on solar-to-gas conversion system; Int. J. Hydrog. Energy. 46, 26801 (2021).
Highly efficient 470 W solar-to-hydrogen conversion system based on concentrator photovoltaic modules with dynamic control of operating point; Appl. Phys. Express, 11, 077101 (2018).