2020年度公募 seeds-0929 - 【九州・沖縄】 太陽光エネルギーを用いたP2G(メタンガス製造)システムの屋外実証
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VISION

ビジョン

二酸化炭素を排出しない社会へ、太陽光発電のさらなる利用拡大へ

集光型太陽光発電システムの発電電力によるメタン製造システム

太陽電池と水電解装置による太陽光水素製造および製造した水素と二酸化炭素によるメタン合成を実際の太陽光を用いて実証します。高い太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が期待できる集光型太陽電池を用いることで、太陽光エネルギーからメタンへのエネルギー変換効率を高めることが最大の特徴です。メタン製造コストの低減のため、メタン合成のもとになる太陽光から水素までのシステム最適化、メタン合成を行うオペレーション最適化を実施します。

宮崎の豊富な太陽光を用いてエネルギーの地産地消を実現する!

水素社会実現のためには、水素を直接利用する方法と、本研究のように水素から新たなエネルギーを創出する方法が挙げられます。メタンは既存のガス供給設備を利用することができ、メタンとして貯蔵することで太陽光由来水素の利用拡大につながります。さらに、メタン合成に使われる二酸化炭素を、火力発電所などから排出されるに二酸化炭素を回収して供給することで、更なる二酸化炭素削減効果化が期待されます。
宮崎県は国内有数の豊富な太陽光が降り注ぐ地域であり、豊富な太陽光をもと太陽電池から得られた電気エネルギーとそれをもとに作られた太陽光由来メタン(および水素)を中心としたエネルギーの地産地消を実現します。

USE CASE

最終用途例

太陽光から蓄えられるエネルギーへ

USE CASE 01太陽光由来メタンの製造

APPLICATION

APPLICATION

既存のインフラを用いた貯蔵・輸送が可能に

排出される二酸化炭素を回収し、太陽光由来水素と反応させメタンとして貯蔵できれば、二酸化炭素排出量の削減と貯蔵可能なエネルギーの創出が一度に実現できます

STRENGTHS

強み

発電は集光型太陽光発電システム

STRENGTHS 01

従来の太陽光発電システムと比べ1.5倍の発電効率

太陽光メタン製造システムに用いられる集光型太陽電池は、太陽光を集めるレンズと高効率太陽電池を組み合わせることで発電効率を高めます。現在、世界最高発電効率の太陽電池は、集光型太陽電池の技術が用いられています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

太陽光メタン製造システムは稼働中

TECHNOLOGY 01

1日連続動作による水素生成実証

屋外実証に用いられる実証システムは既に稼働中です。メタン合成のもとになる水素生成は、1日連続動作で、太陽光から水素への変換効率で18.8%を得られています。発電効率が高い集光型太陽電池を用いること、集光型太陽電池と水電解装置の電気的接続をDC/DCコンバータで最適化することで、高い太陽光水素変換効率を達成しました。

TECHNOLOGY 02

二酸化炭素から97%をメタンに変換

得られた水素を直接メタン合成を行う反応管に供給することで、太陽光からメタンまで一気通貫の実証試験を行います。反応管に供給する水素・二酸化炭素混合ガスの混合比や反応管温度を最適化することで、二酸化炭素からメタンへの変換効率97.6%、太陽光エネルギーからメタンまでのエネルギー変換効率13.8%を達成しました。

PRESENTATION

共同研究仮説

実証システムから社会実装へ

共同研究仮説01

太陽光メタン製造システムの稼働率向上・メタン製造コスト低減

システム最適化によるコスト低減

コスト削減のため、メタン合成条件および水電解システムの最適化のみならず、システム稼働率の向上を目指します。本システムで用いられている固体高分子型水電解装置による水素製造から、大型化・低価格化が期待できるアルカリ水電解装置の導入を目指します。

LABORATORY

研究設備

豊富な太陽光資源を用いた太陽光からメタン合成まで一気通貫システム

LABORATORY 01

太陽光メタン合成システム

集光型太陽光発電システムの発電電力による水素生成および生成した水素によるメタン合成システムが既に稼働中です。実際の稼働データをもとに、システムの最適化・設計を実施していきます。

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LABORATORY 02

豊富な太陽光資源

宮崎県は、国内でも有数の好日照地域であり、豊富な太陽光をもとに実証試験を行います。また、宮崎大学では、集光型太陽光発電システムだけでなく様々な太陽光発電システムや気象データ測定装置が設置してあります。それらの測定データもシステム設計に利用します。

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RESEARCHER

研究者

太田 靖之 宮崎大学 工学教育研究部 環境・エネルギー工学研究センター 准教授
経歴

2017年2月 宮崎大学 テニュアトラック推進機構 (現:キャリアマネジメント推進機構)テニュアトラック助教
2022年2月 宮崎大学 工学教育研究部 環境・エネルギー工学研究センター 准教授

論文
Performance analysis of sabatier reaction on direct hydrogen inlet rates based on solar-to-gas conversion system; Int. J. Hydrog. Energy. 46, 26801 (2021).
Highly efficient 470 W solar-to-hydrogen conversion system based on concentrator photovoltaic modules with dynamic control of operating point; Appl. Phys. Express, 11, 077101 (2018).

研究者からのメッセージ

太陽光とメタン(および水素)を中心にしたエネルギー自給自足を目指します

太陽光を用いて生成した水素とその応用は、エネルギー自給率を向上させる重要な技術です。特に宮崎は、国内において豊富な太陽光資源を有しており、太陽光とメタン(および水素)によるエネルギーの地産地消を目指します。社会実装には、水素生成コスト削減や生成した水素の新たな利用方法の拡大が求められます。太陽光―水素製造技術を着実に社会に実装することで、二酸化炭素を排出しない社会の実現を目指します。