2021年度掲載 seeds-2164 - 【近畿】 海洋プラスチックごみ問題解決に貢献へ 多糖類を基盤とした海洋生分解性バイオプラスチックの研究開発
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    VISION

    ビジョン

    海の豊かさを守ろう、自然界に豊富にある多糖類を活用して、
    海に還るバイオマスプラスチック開発へ

    環境センス機能として生分解を誘発する材料設計により海水中で分解できるプラスチックを開発

    PEやPPのような汎用プラスチックは安価、軽量、自在な成形性による高い意匠性・デザイン対応性などの特性で、我々の日々の生活を豊かにしてきました。また、プラスチック産業は化学産業の中心を担い、包装産業などの製造業を支え、日本経済の発展に大きく寄与してきました。しかしながら、プラスチックの多くが自然環境中で生分解しないことにより、海洋プラスチックごみをはじめ、大きな社会問題として危惧されています。本研究ではデンプンを生分解性プラスチックとブレンドすることにより海洋生分解性バイオマスプラスチックを開発します。海洋生分解性を誘発するスイッチ機能、多糖類ブレンドプラスチックの開発、多糖類複合/ブレンドプラスチックの海洋生分解性評価の三つの項目を実施します。本研究の成果を基に、材料の複合化/ブレンドによる多糖類を基盤とする海洋生分解性プラスチックの実用化へとつなげることで、海洋汚染の低減と温室効果ガス排出量の大幅削減が達成できます。開発品の実用化により、プラスチックごみが海洋に流出しても生分解によりごみ量は増えることなく、将来的には海洋プラスチックごみの削減に大きく貢献します。

    USE CASE

    最終用途例

    汎用プラスチックを海洋生分解性バイオマスプラスチックへの代替により
    海洋プラスチックごみの解決策を提供

    USE CASE 01ワンウェイ用途プラスチックを新素材への代替

    APPLICATION

    APPLICATION

    海洋生分解性バイオマスプラスチックの使用により海亀の鼻に刺さったストローや魚を縛ったビニール袋を無くす

    既存の石油由来使い捨てプラスチック(ストロー、ビニール袋、カトラリー等)を本研究で開発した海洋生分解性バイオマスプラスチックに置き換えることで、生分解できない石油由来プラスチックの量が減り、海洋プラスチックごみ問題が軽減できます。

    STRENGTHS

    強み

    海水中で迅速に軟化・崩壊するスイッチ機能とデンプンがトリガーとなる
    海洋生分解性の実現

    STRENGTHS 01

    海水は真水に比べてイオン強度が高いため、イオン強度を外部刺激として複合材料の架橋崩壊を誘起

    真水中では崩壊せずに、海水中で迅速に軟化・崩壊するスイッチ機能(海水応答性)を有するデンプンの複合材料を開発します。さらに、自然界に豊富に存在している生分解性天然高分子のデンプンを原料とするため、海洋中の菌または生物体内の酵素により分解・消化できます。

    TECHNOLOGY

    テクノロジー

    デンプンが海洋中の菌または生物体内の酵素により
    分解・消化できる特性を活かす

    TECHNOLOGY 01

    海水に浸漬することで材料が崩壊・分解する環境応答性をデンプン/CNF複合材料やデンプン/PLAブレンド材料に搭載する

    日常生活における使用中は安定で、海洋中では形状が崩壊して生分解できる海洋生分解性バイオマスプラスチックを、生分解できない汎用プラスチックへの代替によって、海洋生物に対する危害を軽減することが期待されます。

    PRESENTATION

    共同研究仮説

    多糖類を基盤とした海洋生分解性バイオプラスチックを用いて
    地球温暖化防止や循環型社会形成に大きく貢献へ

    PRESENTATION 01

    バイオマス利用法の開発による戦略的産業を育成する

    現在プラスチックをはじめとする高分子材料の大部分は石油資源から製造されていますが、低炭素化社会・循環型社会構築に向けてバイオマス資源の活用が強く望まれています。本研究で独自の材料設計により開発した海洋生分解性プラスチックは国連が提唱するSDGsに関連し、企業との連携で社会実装したいと思います。

    EVENT MOVIE

    イベント動画

    RESEARCHER

    研究者

    徐 于懿大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻
    経歴

    学  歴

    2004年9月―2008年6月 台湾大同大学工学部生物工学学科卒業

    2010年4月―2012年3月 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学専攻

    博士前期課程

    2012年4月―2015年3月 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科バイオベースマテリアル学専攻

    博士後期課程

    職  歴

    2015年4月―2018年3月 国立循環器病研究センター研究所生体医工学部 流動研究員

    2018年4月―2019年3月 国立循環器病研究センター研究所生体医工学部 特任研究員

    2019年7月―2022年5月 大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻 助教

    2022年5月―         大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻 准教授

    受  賞

    2021年 Springer Nature, Polymer Journal, “Rising Stars in Polymer Science 2021”

    2020年 日韓バイオマテリアル学会若手研究者交流AWARD最優秀賞

    2020年 第29回ポリマー材料フォーラム 高分子学会広報委員会パブリシティ賞

    2020年 第28回ポリマー材料フォーラム 優秀発表賞

    2016年 第54回日本人工臓器学会大会 萌芽研究ポスター発表優秀賞

    2015年 第53回日本人工臓器学会大会 萌芽研究ポスター発表優秀賞

    2013年 高分子学会ゲルワークショップイン加賀優秀ポスター発表賞