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ビジョン
最終用途例
APPLICATION
硫黄ポリマーの室温合成法の開発により、これまでの硫黄ポリマーよりも圧倒的に環境負荷が低い方法で硫黄ポリマーを作製できます。
APPLICATION
硫黄ポリマーの特徴は「損傷しても元に戻る」ことです。これによりプラスチックについた傷などを治す必要がなくなり、メンテナンスフリーが実現可能となります。
APPLICATION
硫黄ポリマーは①簡単に分解できる②他の材料となじみやすい特徴があります。そのため、好きなときにくっつけて剥がせる接着剤や、金属とプラスチックなどの異種材料の接着剤が実現できます。
MARKET
世界の接着剤およびシーラントの市場規模は、2022 年の 653 億 8,000 万米ドルから年5.0%成長し、 2029 年までに 922 億 9,000 万米ドルに成長すると予測されています。
IMPLEMENTATION
近年はあらゆる製品がマルチマテリアル化されており、製品の接合を接着剤で行えれば、軽量化と工程の簡素化に加えてリサイクルも容易になります。そのような異種材料・易解体性の接着剤を開発します。
強み
室温合成を達成したことにより、高温合成される硫黄ポリマーと比較して、製造工程でのCO2発生量を75%削減、毒ガス(硫化水素)を99%以上削減した。加えて、得られた硫黄ポリマーの匂いも75%削減し、一般的なプラスチックと同様の値になりました。
空気中で混合するだけという、例えば小学校の理科室でもできる非常に簡便で安全な合成法を開発したことで、大量合成が可能です。
硫黄ポリマーは既存のプラスチックと異なり、原油ではなく硫黄を主原料として作製出来るため、化石燃料の節約やカーボンニュートラルに大きく貢献できます。しかも硫黄は廃棄物であるため、循環型社会構築にも貢献できます。
テクノロジー
硫黄ポリマーは連鎖重合で合成されることが一般的でした。一方で、我々が用いている炭素ポリマーは連鎖重合の他に逐次重合でもポリマーが合成され、我々の衣服や接着剤など様々な材料に応用されています。更に逐次重合ポリマーは室温で合成できるというメリットもあります。もし硫黄ポリマーにおいても逐次重合による合成法を確立できれば、硫黄ポリマーの最大の問題である合成時の環境負荷と新たな硫黄ポリマー材料が合成できると考えました。試行錯誤の末、水で分解してしまうモノマーを水存在下で使用するという常識外の方法を用いることで、世界で初めての逐次重合硫黄ポリマーである、硫黄含有エポキシ硬化物の合成に成功しました。
共同研究仮説
研究設備
イベント動画
研究者
【研究室HP】http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/yamaguchi/assistant_professor/
【経歴】2011北陸先端科学技術大学院大学 単位取得退学、同年 博士取得、2011大阪大学大学院理学研究科 特任研究員、2011京都大学大学院工学研究科 特定助教、2016大阪大学大学院理学研究科 特任助教、2019~現職 大阪大学大学院 理学研究科 助教
【受賞】2023 第31回CERI最優秀論文賞、2022 ヤングサイエンティスト講演賞、2020 高分子研究奨励賞など