2020年度公募 seeds-0241 - 【中部】 CO2を固定化する炭酸カルシウム板状粒子で強化される、貝殻真珠層を模倣した軽量構造材料の開発
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

脱炭素社会の実現に向け、CO2を原料とした軽量構造材料を開発し、自動車のライフサイクルCO2を削減

板状炭酸カルシウム粒子が高充填・高配向する、軽量かつ高剛性な構造材料の開発

本研究では、CO2を原料とする板状炭酸カルシウム粒子が高密度に配向している軽量構造材料を開発します。
複合材料の製造方法は、研究者により確立されており、板状炭酸カルシウム粒子と樹脂繊維を混合した溶液を抄造(濾過)・乾燥させ、熱プレスさせることで高充填・高配向な構造材料が完成します。
今後は原料である炭酸カルシウムを板状にするため、アスペクト比を制御する研究に重点を置き、実用化に向けて効率的に原料を作製できる仕組みを形成します。

CO2を原料とした軽量構造材料を開発し、自動車のライフサイクルCO2を削減

本研究では炭酸カルシウム粒子を原料とした構造材料を開発することで、製造段階でのCO2排出量を削減します。また、当材料はアルミニウム並みに軽量であることから、自動車部品として利用された場合は燃費性能が向上します。
このように、ライフサイクルでのCO2の排出量を削減し、脱炭素社会の実現に貢献します。

USE CASE

最終用途例

軽量で高い剛性を要求する製品への適用、および無機素材、密閉性の高い素材としての活用

USE CASE 01低燃費かつ高強度な車体の実現

APPLICATION

APPLICATION

自動車のボディー部品としての活用

炭酸カルシウムの弾性率は100GPa以上であり、剛性に優れた複合材料素材となるため、自動車や航空機などのボディーとして活用できます。
またアルミニウム並みの軽さなので燃費性能の高い車両を製造可能です。

USE CASE 02建築部材などへの適用

APPLICATION

APPLICATION

比剛性に優れる構造部材

木材よりも比剛性が求められる部材への適用が考えられます。

USE CASE 03水素透過性の低い高圧ガスタンクの実現(将来的)

APPLICATION

APPLICATION

燃料電池用高圧ガスタンクのライナーへの適用(将来的)

当材料は貝殻のような層構造をしているため水素透過性も低く、燃料タンクのライナーへの適用が考えられます。

STRENGTHS

強み

アルミニウム並みに軽く鋼板よりも高い剛性をもつ材料

STRENGTHS 01

炭酸カルシウムを原料とした軽量かつ高剛性な構造材料の実現

原料に炭酸カルシウムを使っており、アルミニウムと同程度の軽さなのが特徴的です。また、粒子がプレート状に配置されているため、多方向からの衝撃に対しても高い剛性を発揮します。
さらに、鋼板やアルミニウム、CFRP(炭素繊維を強化材として用いたプラスチック)と比較してコストも下げられる可能性があります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

高い補強効率かつ低コストな構造材料

TECHNOLOGY 01

FRPよりも弾性率が高くコストの低い材料

フィラー(充填材)の補強効率は、フィラーが高分子材料中に占める体積とフィラーの弾性率に依存します。本研究の構造材料では、炭酸カルシウム粒子フィラーが高密度・高配向に配置されています。したがって、当構造材料のフィラー補強効率は高くなるといえ、実際、FRPの補強効率0.37と比較して当補強材料は0.5以上と、かなりの補強効率があると言えます。
また、弾性率が高いため、鋼板と同じ曲げ剛性でも板厚が小さくて済みます。その結果、コストが安く済む可能性があります。

PRESENTATION

共同研究仮説

原料粒子の合成や構造材料の素材としての実用化

共同研究仮説01

炭酸カルシウム粒子のアスペクト比制御

炭酸カルシウム粒子のアスペクト比を制御及びその合成方法

本研究の構造材料では原料である炭酸カルシウム粒子のアスペクト比を制御する必要があり、その合成方法についての共同研究を想定しています。具体的には、バイオミネラリゼーションによる炭酸カルシウム結晶の核生成や、炭酸水素カルシウム水溶液の加熱・脱炭素などが考えられます。

機械部品や構造部材への素材としての適用

素材に高い剛性や軽さ、環境負荷の低さを求めている企業と共同研究を行い、最終製品の実用化に貢献したいと考えております。

LABORATORY

研究設備

板状粒子強化複合材料の作製と評価装置

LABORATORY 01

板状粒子の高充填・高配向装置(抄造装置)

複合材料の力学特性に重要な板状粒子の高充填・高配向を可能とする装置です。
板状粒子とマトリクス樹脂の複合化を行うことも可能です。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

黒瀬隆 静岡理工科大学 理工学部 機械工学科
経歴

2004年4月 山形大学 ベンチャービジネスラボラトリー(博士研究員)
2005年4月 University of Southern Mississippi(博士研究員)
2007年4月 トヨタ自動車株式会社 材料技術部
2014年1月 TOYOTA MOTOR EUROPE NV/SA
2017年9月 山形大学 グリーンマテリアル成形加工研究センター プロジェクト教員(准教授)
2021年4月 静岡理工科大学 理工学部 機械工学科 准教授

学会
2006年度日本レオロジー学会論文賞(2007年4月)

論文
T. Kurose et al., Materials, 13(11), 2493, 12(2020).
Y. Sako and T. Kurose et al., J. Japan Inst. Met. Mater. J2021002(2021)

特許
特願2019-220620、特願2020-108105、特願2020-131550

研究者からのメッセージ

環境にやさしく、競争力のある構造部材・部品を目指します

自然界に存在する貝殻真珠層は、炭酸カルシウムである2次元(板状)粒子が多糖類やタンパク質の有機材料中に、高度に充填・配向する複合材料です。2次元形状である板状強化材は、1次元形状である繊維強化材に比べて、複合材料の力学特性への補強効果が高く合理的構造といえます。
本研究ではCO2を原料とした炭酸カルシウム2次元粒子の作製、2次元粒子により強化される軽量複合材料の創製を目指します。これまでモビリティーの運動時のCO2排出量低減を目指した軽量部材の研究は行われていましたが、本研究ではCO2を原料とする炭酸カルシウムを用いた、材料内へCO2を固定化する軽量新素材の開発を目指します。