2020年度公募 seeds-0248 - 【関東】 粘性熱電材料の特長を生かした、従来より冷却効果が高くフレキシブルな全面冷却シートの開発
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

極薄でも冷却温度を維持でき、軽量・フレキシブルな「全面冷却シート」を、人間生活温度域の温度制御の新たなインフラに

既存ペルチェ素子と同量の熱電材料で50~100倍の大面積に密着して冷却が可能なシートを実用化

本研究は、独自の粘性熱電材料を活用して、従来のペルチェ素子(冷却装置等に使われる熱電素子)を利用した製品と同量の熱電材料で、50~100倍の大面積に密着して冷却可能な、「全面冷却シート」の実用化を目指します。
本研究を担当する研究者は、Roll to Rollの大量生産を想定した、独自の粘性熱電材料を開発し、極薄でも温度差を維持できることを実証しました。この粘性熱電材料を活用して、全面冷却シートの実用化に向けた材料、デバイス、プロセスに関する研究開発を一気通貫で進めます。

極薄でも冷却温度を維持可能な、軽量でフレキシブルな全面冷却シートを、温度制御の新たなインフラに

熱中症・猛暑対策として、ペルチェ素子を用いたウェアラブルな頸部冷暖房デバイスの開発が進められています。しかし、これは、低温火傷を防止するために面積当たりの冷却可能な熱量を規定する必要があるため、冷却効果に制限があります。
これに対して、本研究で開発する全面冷却シートが実用化されれば、複雑形状に密着し「直接冷却する」ことが必要とされる/期待される、ありとあらゆる人やモノの温度制御が可能になります。

USE CASE

最終用途例

軽量かつフレキシブルな全面冷却シートの開発により、熱中症予防や、新たなエンターテイメント実現等に貢献

USE CASE 01全面冷却シートによって、高度な体温の制御を行うことができるように

APPLICATION

APPLICATION

作業着の内側に全面冷却シートを貼り付けることで、熱中症を予防

全面冷却シートは従来のネッククーラーと同量の熱電材料で上半身の全域を冷却可能になります。

MARKET

MARKET

熱中症予防が必要な環境での負担軽減に貢献

工事現場、工場内部、医療現場等の高温で苛烈な環境における熱中症予防・労働負担軽減等に貢献します。

USE CASE 02全面冷却シートの活用により、新たなエンターテイメントの実現や体験価値の向上に貢献

APPLICATION

APPLICATION

バーチャル・リアリティ(VR)で、よりリアルな温冷体験を提供

近年のバーチャル・リアリティ技術の進化は著しいですが、全面冷却シートを活用することで、新たに「冷たさ・温かさ」を感じる体験が可能になり、サービスの体験価値の向上に貢献することができます。

MARKET

MARKET

VR(バーチャル・リアリティ)技術を開発する企業、等

映画館、アトラクション、テーマパーク等における、VR(バーチャル・リアリティ)技術との組み合わせで、ユーザーに「冷たさ・温かさ」を感じる新たな体験を提供できます。

STRENGTHS

強み

従来技術より冷却面積、フレキシブル性、量産性に優れた、全面冷却シートによるソリューション

STRENGTHS 01

極薄・フレキシブルでも温度差を維持、Roll to Rollでの大量生産が可能

粘性熱電材料は、極薄・フレキシブルでも温度差を維持可能であるため、従来のペルチェ素子と同量の熱電材料で50~100倍の面積に密着して冷却可能です。これにより、局部冷却ではなく全面冷却ソリューションを実現します。
また、この粘性熱電材料は、Roll to Rollでの大量生産を想定しており、量産性にも優れています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

独自の粘性熱電材料が、無機熱電材料と有機物の良いとこ取りを実現

TECHNOLOGY 01

逆転の発想で無機熱電材料の粉体と高沸点溶媒を複合化

所望のデバイス構造をRoll to Rollで大量生産するために逆設計された粘性熱電材料は、独自に提唱・実証された日本発の新材料です。放熱シートや放熱グリスの開発では有機物の熱伝導率を向上させるために無機フィラーを混合しますが、思うように熱伝導率を向上することはできません。このことを逆手に取り、無機熱電材料の粉体と高沸点溶媒をハイブリッド化させた粘性熱電材料は、無機熱電材料の特性を維持しながら有機物並みの低い熱伝導率となるため、極薄でも冷却温度を維持可能な軽量でフレキシブルな全面冷却シートとなりえます。

PRESENTATION

共同研究仮説

粘性熱電材料の低コスト化・無害化、劣化要因の解明、パイロット生産に向けた事前調査等の実施

共同研究仮説01

全面冷却シートの実用化に向けた材料・デバイス・プロセス統合型の研究開発

全面冷却シートの実用化に向けた研究を想定

研究者は、材料・デバイス・プロセスに関する一気通貫の検討により全面冷却シートのデモ機の作成を進めています。共同研究では、全面冷却シートの実用化に向けて、粘性熱電材料の低コスト化・無害化に関する検討、劣化要因の解明・対策、パイロット生産に向けた事前調査などを進めることを想定しています。

LABORATORY

研究設備

粘性熱電材料の調整からフレキシブル全面冷却シートの試作・評価まで可能な研究設備群

LABORATORY 01

材料からデバイス構造までの統合的検討で新たな価値を!

粘性熱電材料の調整時に表面酸化を抑制するために必要となる無機熱電材料の粉体の嫌気下での操作を可能とするグローブボックス、シートを自在の形状に加工するためのレーザー加工機、デバイスへの粉塵の混入を抑制するためのクリーンブースを完備しており、従来にはない新たな社会的価値の創出を狙えます。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

佐藤 宗英 物質・材料研究機構
経歴

2009年 4月 物質・材料研究機構 研究員
2014年 4月 物質・材料研究機構 主任研究員
 この間、
 2011年〜2013年 Harvard大学 在外派遣研究員
 2018年〜2019年 文部科学省 科学技術・学術行政調査員
2021年 4月 物質・材料研究機構 主幹研究員

特許
粘性熱電材料、それを用いた熱電変換モジュール、その製造方法、およびペルチェ素子 (特許登録:2021年2月)

論文
Organic π-type thermoelectric module supported by photolithographic mold: a working hypothesis of sticky thermoelectric materials (2018年7月) doi;10.1080/14686996.2018.1487239
Sticky thermoelectric materials for flexible thermoelectric modules to capture low-temperature waste heat (2020年2月) doi;10.1557/adv.2020.84

研究者からのメッセージ

日本企業の技術開発力・底力に期待しています!

本研究の優位性の一つは、我が国の強みとして蓄積されているフレキシブルデバイスに関連するフレキシブル・伸縮性部材や精密な製造技術を活かして、全面冷却シートのRoll to Roll等での大量生産が見通せることだと理解しています。日本発の新材料を新たな社会的価値に転換し、世の中へいち早く届けるためにご協力をお願い致します。