廃熱を利用し、廃プラスチック、バイオマスを分解、合成ガスに
ナノ粒子を酸素キャリアとして、時間的、または空間的に反応場を分離する(ケミカルループ法)ことで、反応制約を打破し、低温でも十分な速度で反応を進行させる。一方の反応場では炭化水素が合成ガスに、もう一方の反応場では水が水素に転換する。ガス化反応の低温化により、産業の低温廃熱で、吸熱反応である合成ガス生成反応を駆動することが出来るようになれば、廃棄物の自己燃焼や化石資源の燃焼が不要なCO2フリー廃棄物ガス化が実現する。
若手研究者産学連携
プラットフォーム
このシーズに
問い合わせる
ビジョン
ナノ粒子を酸素キャリアとして、時間的、または空間的に反応場を分離する(ケミカルループ法)ことで、反応制約を打破し、低温でも十分な速度で反応を進行させる。一方の反応場では炭化水素が合成ガスに、もう一方の反応場では水が水素に転換する。ガス化反応の低温化により、産業の低温廃熱で、吸熱反応である合成ガス生成反応を駆動することが出来るようになれば、廃棄物の自己燃焼や化石資源の燃焼が不要なCO2フリー廃棄物ガス化が実現する。
最終用途例
APPLICATION
産業の低温廃熱を利用して、廃プラスチックを高効率に合成ガスするケミカルリサイクルプロセス。廃プラスチックを合成ガス化し、合成ガスからメタノール、さらにオレフィンを製造するプラスチックの資源循環に貢献。
強み
廃プラスチックのガス化反応に低温廃熱を使えるようになれば、現状行われている廃プラスチックの自己燃焼が不要となり、ガス化ケミカルリサイクルの炭素利用率向上、さらにはCO2排出抑制が実現できる。
DOI: 10.1016/j.cep.2019.107531
テクノロジー
2022年6月16日 研究奨励賞 (日本学術振興会 先進セラミックス第124委員会)
「超臨界水熱法による有機・無機ハイブリッドナノ粒子の合成」
超臨界状態では水と油が均一相を形成することから、ナノ材料合成プロセスにおける、その場有機表面修飾が可能となる。表面修飾分子は、溶媒中における界面エネルギーを低下させナノサイズ化に貢献すると同時に、露出する結晶面の安定化序列を変化させ、表面構造の制御も可能とする。本手法により、ナノ粒子の形状制御合成を実現するとともに、近年では、ナノ粒子の溶解再析出過程に本効果を重畳させることで、ナノ触媒の露出結晶面を簡便に調整する手法を開発した。
共同研究仮説
エンジニアリング企業・触媒合成企業
本研究開発で得た酸素キャリアの流通型連続合成に関する情報を共有し、コスト試算、スケールアップ時の課題抽出を共同検討したい。
化学系企業
廃プラスチック種と量の地域性や、導入を検討する企業の化学品製造フローも含め、導入サイト全体のシステムを共同検討したい。さらに、共同でデモ装置による実証試験を行い、運転時の課題を抽出したい。
イベント動画
研究者
■経歴
2008年3月 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 博士課程修了(博士(科学))
2008年4月~2009年3月 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2009年4月~2010年3月 日本学術振興会 海外特別研究員
2010年4月~2014年10月 東北大学 多元物質科学研究所 助教
2014年11月~2017年3月 東北大学 多元物質科学研究所 講師
2017年4月~現在 東北大学 多元物質科学研究所 准教授
■主な受賞歴
1. 2022年6月16日 研究奨励賞
(日本学術振興会 先進セラミックス第124委員会)
2. 2016年3月8日 トーキン科学技術賞最優秀賞
(トーキン科学技術振興財団)
3. 2008年3月29日 第6回 プラズマエレクトロニクス賞(
応用物理学会 プラズマエレクトロニクス分科会)