2023年度公募 seeds-4930 - 【北海道】 温室効果ガスであるメタンを高効率に燃焼する固体触媒技術
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VISION

ビジョン

固体触媒を用いて温室効果ガスを削減

カーボンニュートラル社会構築に向けてメタンガスの燃料利用を促進

地球温暖化の原因となる温室効果ガスのうち、二酸化炭素に次いで多いメタンの排出量は全体の16パーセントを占めます。その中でも、自動車や船舶用に用いられる天然ガスエンジンからは多量の未燃焼メタンが排出されます。また、バイオマス、有機性廃棄物等の発酵によって発生する、バイオガス(メタン)を再生可能エネルギーとして積極利用する試みが注目されています。ただし、これら技術におけるメタン有効利用率は100%というわけではなく、数%程度の大気放散が起きています。メタンの大気放散を抑制するための燃焼除去技術が必要不可欠であり、本研究では革新的なメタン燃焼触媒を開発します。

USE CASE

最終用途例

天然ガスやバイオガス利用時のメタンスリップ抑制

USE CASE 01エネルギー・運輸業界における温室効果ガス排出抑制

APPLICATION

APPLICATION

バイオガス発電におけるメタンスリップ抑制

カーボンニュートラル社会構築に向けてバイオガス発電が注目されていますが、温室効果係数の高いメタンが大気放散されることが問題となっています。革新的なメタン燃焼触媒を用いて、メタンスリップ抑制を行います。

STRENGTHS

強み

実験とデータ科学を組み合わせることで革新的な触媒を開発

STRENGTHS 01

機械学習を用いた高活性触媒の開発

科学者の経験値と勘に基づいて行われてきた新触媒開発の手法を転換する、新しい触媒研究の方法論が求められています。本研究では、既存研究の延長線上にない真に革新的な高機能触媒を、実験・理論・データ科学を用いて創出することを目指します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

触媒開発だけでなく作用機構も解明

TECHNOLOGY 01

In situ/operando分光と理論計算を組み合わせた触媒作用機構調査

科学抜きでの競争力ある新技術の開発はあり得ません。開発する触媒系を、息の長い真に価値のある実用プロセスにするためには、触媒作動原理の解明が必須となります。社会実装を目指す本研究であるからこそ、機構研究にも力を入れます。特に、In situ/operando分光や、反応雰囲気や温度の影響を考慮した理論計算手法を用いることで、実反応中の触媒の姿を明らかにします。

PRESENTATION

共同研究仮説

触媒インフォマティクスを利用した触媒開研究

共同研究仮説01

メタン排出削減を実現する固体触媒の開発

実験・理論・データ科学を組み合わせた触媒研究

これまで触媒の専門家は、膨大な専門知・経験知を統合して、予測・仮説の形成を行ってきましたが、目的に対して適切な予測・仮説を提供できる人材は皆無です。本研究では、実験・理論・データ科学を組み合わせた新しい形の触媒研究を行うことで、メタン燃焼触媒の開発を行うとともに、新しい研究方法論の確立も目指します。

RESEARCHER

研究者

鳥屋尾 隆 北海道大学 触媒科学研究所 (准教授)
経歴

経歴
・ 2015/9 大阪府立大学大学院工学研究科博士後期課程 修了
博士(工学)取得
・ 2015/12-2023/10 北海道大学 触媒科学研究所 助教
・ 2016/1-2022/3 京都大学 触媒電池ユニット 特定助教 (兼任)
・ 2023/11 北海道大学 触媒科学研究所 准教授

研究者からのメッセージ

メタン燃焼触媒の開発により温室効果ガス排出削減に貢献します

メタンスリップを抑制する固体触媒の開発を通してメタン燃料の利用を促進し、カーボンニュートラル社会構築に貢献します。