2020年度公募 seeds-0262 - 【九州・沖縄】 金属イオン照射による二次元オーバーレイヤー触媒の創製
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VISIONビジョン

VISION

ビジョン

安価で高効率なガス浄化機能を構築し、排気ガス問題を解決

金属イオン照射による二次元オーバーレイヤー触媒の創製

従来の三次元多孔構造に代わって二次元薄膜構造に着目し、流通系化学反応に有効なナノ薄膜触媒を設計します。併せてその活性点構造、物理化学特性および触媒特性を明らかにします。具体的には、金属箔表面に二次元オーバーレイヤー構造の薄膜を形成し、高速分子変換機能を発現させるとともに、超高セル密度ハニカム化することで高表面積化を実現します。この技術は従来の粉末触媒と比べ、貴金属の省資源性、熱安定性、被毒耐性、及び機能性に優れており、新しいガス浄化システムの構築に貢献することができます。

自動車排気ガス等の空気汚染物質の浄化

大気汚染問題を背景に、世界中で自動車排気ガスに関する規制が強まっており、その浄化は課題の1つです。現在、浄化に使用される粉末触媒は高機能であるものの、希少な貴金属を利用し、また、熱劣化や被毒劣化の影響を受けやすく、寿命が短くなる傾向にあります。本研究テーマでは、貴金属の省資源性、熱安定性、被毒耐性、及び機能性に優れた触媒を開発し、従来よりも安価で高効率な自動車排気ガス浄化システムを提供し、大気汚染問題の解決に貢献します。また、自動車排気ガスだけでなく、工場の汚染物質除去等への活用も想定され、例えば発展途上国の労働者を汚染物質から保護する等、労働環境の改善にも貢献すると考えられます。

USE CASE

最終用途例

二次元オーバーレイヤー触媒の活用で、環境汚染物質を低減する

USE CASE 01自動車排気ガスを低コストで浄化し、クリーンな社会に

APPLICATION

APPLICATION

二次元オーバーレイヤー触媒による自動車排気ガスの浄化

ガソリン車で希薄燃焼によるエンジン駆動を行うとCO2排出は抑えられますが、NOxの浄化性能は低下します。本触媒はその条件下で優れた NOx還元活性を示す可能性があり、排気ガス浄化効果が期待できます。

USE CASE 02工場内の空気をクリーンに保ち、安全な労働環境を実現

APPLICATION

APPLICATION

揮発性有機化合物除去触媒としての活用

金属イオン照射によってあらゆる製品の表面に分子変換機能を付与することが可能です。例えば工場内設備に触媒を実装することで、揮発性有機化合物除去を効果的に実現できる可能性があります。

STRENGTHS

強み

粉末触媒に対する強み

STRENGTHS 01

従来の粉体触媒に比べ、省資源性で長寿命であり、機能性も高い

オーバーレイヤー触媒の金属量は従来の粉体触媒に含まれる金属量に比べて約2桁も少なくなっており省資源性に優れます。また、従来品と比べて熱安定性と被毒耐性を持つため長寿命です。さらに、超高セル密度化による大幅な小型化、急速加熱冷却可能な応答性のよい温度制御も可能となり、機能性に優れます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

二次元オーバーレイヤー触媒の創製技術

TECHNOLOGY 01

二次元表面に特有の高速分子変換機能を発現させる

触媒構造をナノ粒子からオーバーレイヤーすることでNO-CO反応のTOFが従来よりも大幅に改善されます。この二次元オーバーレイヤーの設計を最適化することで、低金属使用量、高TOF、高耐久性、高被毒耐性のある触媒を創出することが可能です。さらに、本触媒は高セル密度メタルハニカム化することが可能であり、大幅な触媒コンバーターの小型化・軽量化が期待できます。広く化学工業における物質変換システムに利用しやすい形になります。

PRESENTATION

共同研究仮説

より高効率な浄化を

共同研究仮説01

二次元オーバーレイヤー触媒の活用を目指した共同研究

本触媒系の特性とマッチする化学反応システムを開発

産業利用に関して開拓期である本触媒系の応用範囲を拡大するために、物質変換に際して小型、高速処理、扱いやすさなどの本触媒系の特性とマッチする化学反応システムを開発するための共同研究を行いたいと考えております。

LABORATORY

研究設備

二次元オーバーレイヤー触媒の開発環境・設備

LABORATORY 01

真空排気系およびパルスアークプラズマ発生装置

真空排気系内に設置した基板に対して上部に挿入されているハイパーアークプラズマガンを用いて任意の金属をプラズマ照射します。2台のガンから異種金属を同期照射することによって合金や複合酸化物薄膜の構築も可能です。

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EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

芳田嘉志 熊本大学 大学院先端科学研究部
経歴

経歴
2012年 北海道大学大学院総合化学院博士課程修了
2012年 日本学術振興会特別研究員
2014 年京都大学触媒・電池元素戦略ユニット特定助教
2017年 熊本大学大学院先端科学研究部特任助教
2019年 現在 – 熊本大学大学院先端科学研究部助教

実績:原著査読論文64報、解説・総説5報、著書7報、特許2件
論文リンク:https://researchmap.jp/7000009596

研究者からのメッセージ

従来の粉末触媒とは全く異なる革新的触媒構造の利点を広く化学工業に活用していきたいと考えております。

厚さ0.05mmの薄膜は流体の圧力損失にほとんど影響しないため、既存の流路や製品設計を大きく変更することなく触媒機能付与することができます。また機械摩擦に対する堅牢性の高さに加えて、耐久性や耐熱性、コンバーター形状の柔軟性など従来の粉末触媒とは全く異なる本触媒の特性を活かすことにより、既存の設計概念に捕らわれない自由な発想に基づく製品開発に貢献できると考えております。微視的な触媒化学だけでなく化学工学的見地を取り入れながら研究活動を行っておりますので、産業側の視点と融合することで実用的かつ革新的な次世代型分子変換技術の構築を目指したいと考えております。