2023年度公募 seeds-4897 - 【九州・沖縄】 石油のノーブル・ユースを志向した炭化水素の高付加価値化のための固体触媒開発
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VISION

ビジョン

有限資源の石油を超長期的に、効果的に使用するためのプロセスの構築

炭化水素の燃焼・燃料から化学品製造原料への用途のシフトを促進

エネルギー資源の化石資源から再生可能エネルギーへのシフトが志向されるに伴い、石油からの製品の需要も変化しています。また、埋蔵量の有限性からも、石油のノーブル・ユースが強く求められるようになっています。このため、石油化学品を含む高付加価値製品の得率増を目指して、石油精製プロセスで得られる留分のうち、燃料などの燃焼に用途が限定されていた炭化水素を、より高付加価値な化学品原料に変換するプロセスを構築します。そして、副反応による炭素資源のロスを抑えて、資源の効果的利用・目的化合物の製造効率の向上を目指します。

USE CASE

最終用途例

低付加価値な炭化水素の高付加価値化(化学製品得率の向上)の実現

USE CASE 01炭化水素の炭素を余すことなく化学品原料の製造に使用

APPLICATION

APPLICATION

パラフィンからオレフィン/芳香族化合物の選択的・直接製造

高性能な固体触媒を開発して、原料パラフィンの炭素数をそのままに、水素の引き抜きおよび環化を選択的に進行させ、化学品原料となる(ジ)オレフィンまたは芳香族化合物の製造を促すプロセスを構築します。

STRENGTHS

強み

原料炭素資源中の炭素のロスを抑えたオレフィン/芳香族化合物の製造

STRENGTHS 01

炭化水素の副反応を抑えて、目的化合物をワンパスで直接製造

通常のゼオライト触媒が持つ強酸性を発現させず、水素の引き抜き能を強化した固体触媒を開発することで、炭化水素の異性化・分解・重合などの副反応を抑制でき、目的化合物の高い製造効率を示しつつ、高いコーク耐性・水熱安定性とそれに伴う長寿命化を達成します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

ゼオライト骨格を基盤とすることで、特異な触媒性能を持つ金属複合体を構築

TECHNOLOGY 01

ゼオライト中に高分散した金属を利用した金属複合超微粒子の創製

ゼオライト骨格中に様々な金属元素を直接導入する手法を開発したことで、強酸性を持たず、また、金属酸化物では発現しない特性を持つゼオライト触媒の開発に成功しました。この手法により、複数の金属元素を同時に導入でき、複合機能の構築を可能にしました。さらに、異なる金属元素をゼオライト全体に高分散させられ、ゼオライト骨格中の金属元素と複合させることで、超微粒子の金属複合体の創製を可能にしました。特異な金属複合体の形成により、触媒が持つ炭化水素からの水素の引き抜き能力および耐久性の顕著な向上を可能にしました。そして、反応原料の炭素数に応じた目的生成物の作り分けを可能にします。

PRESENTATION

共同研究仮説

石油資源を始めとした炭素資源を有効に、そして無駄のない高付加価値化を目指して

共同研究仮説01

固体触媒による炭化水素のアップグレード

炭化水素の高付加価値化な化学品原料への直接変換

低付加価値・余剰となった炭化水素のアップグレード、使用していた炭化水素系原料の調達状況の変化に伴う新規製造プロセスの開発、燃料用炭化水素の用途のシフトによる環境に配慮した炭素資源の利活用の実現に貢献します。

RESEARCHER

研究者

今井裕之 北九州市立大学国際環境工学部・准教授
経歴

2016年4月~現在 北九州市立大学国際環境工学部 准教授
2012年4月 北九州市立大学国際環境工学部 講師
2008年4月 東京工業大学資源化学研究所 助教
2006年5月 北海道大学大学院地球環境科学研究院 教務補佐員
2005年4月 日本産業技術振興協会 研究員

研究者からのメッセージ

貴重な炭素資源をCO2にせずに、無駄なく人に役立つものへ

再生可能エネルギーの利用効率の向上は重要な課題ですが、再生可能エネルギーからは物質を直接製造できず、物質の製造には炭素資源の利用が欠かせません。炭素資源から得られる製品群の巨大さ、地下資源の有限性やバイオマス資源の生産量を考慮すると、いかに炭素資源をCO2として消費させずに、人の役に立つ物質を製造できるかが課題と考えられます。環境にも配慮しつつ、人類にとって有益となる炭素資源の利活用プロセスの構築のため、固体触媒をベースに、新技術の開発を進めていきます。