新素材による従来の設計の枠を超えた製品の創出に向けて
本研究では、基礎機械特性調査及び材料組織制御により、巨大弾性歪み・低いヤング率を特徴とする新規Cu系バルク合金の開発を行い、その弾性的な構造や機能性質を利用した新型の応用を開拓することを目的とします。具体的には、合金の巨大弾性変形の耐久性を調査した上で、結晶方位や集合組織を制御した単結晶・多結晶試料を作製し、ばね材、伸縮自在の導電体、電極触媒等へ応用する可能性を検討します。
若手研究者産学連携
プラットフォーム
このシーズに
問い合わせる
ビジョン
本研究では、基礎機械特性調査及び材料組織制御により、巨大弾性歪み・低いヤング率を特徴とする新規Cu系バルク合金の開発を行い、その弾性的な構造や機能性質を利用した新型の応用を開拓することを目的とします。具体的には、合金の巨大弾性変形の耐久性を調査した上で、結晶方位や集合組織を制御した単結晶・多結晶試料を作製し、ばね材、伸縮自在の導電体、電極触媒等へ応用する可能性を検討します。
最終用途例
APPLICATION
低ヤング率かつ高強度かつ高弾性歪みを活かすことで、スプリング、コネクタ等の機械要素部品に応用することが期待されます。
APPLICATION
格子歪みを能動的に制御することで材料の導電性、触媒活性等の物理・化学特性を向上や調整させる可能性があります。4.3%以上の弾性歪みを活かすことで、高性能触媒材、歪みセンサー等の創出が可能です。
APPLICATION
ストレッチャブルエレクトロニクスに基づく電子皮膚には、伸縮性の高い導電材料が求められています。低ヤング率および高弾性歪みと特徴とする本銅系合金は電子皮膚における伸縮導電体への応用が期待できます。
強み
テクノロジー
現在、比較的弾性歪みの大きい金属材料はTi系ゴムメタルと金属ガラスのみであるが、両者とも高価な素材であるだけではなく、導電性が低く、触媒活性が不十分であるため、伸縮導電体や電極触媒等新規用途への応用にはあまり期待できない。一方、マルテンサイト相変態を利用して8%もの印加歪みを回復させることができる(Ni-Ti系)擬弾性材料が普及いますが、大きな応力ヒステリシスと繰り返しにより特性が劣化することが大きな問題となります。本合金は従来素材に比較して弾性歪み(格子歪み)、ヤング率の点で比類ない特性を有しており、本研究開発で目標達成できれば従来技術に対する高い優位性を有する製品開発が可能となります。
共同研究仮説
ばね・コネクタなどの汎用材料から歪みを媒介としたスマート材料まで、あらゆる用途での検討にすることを希望しています。
実用化を見据え、素材の深加工やシステムの構築により製品を試作し、新用途のアイデアを検証することを希望しています。
イベント動画
研究者
2020年 東北大学大学院工学研究科 博士課程修了
2018年~2020年 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
2020年~2021年 東北大学大学院工学研究科 博士研究員
2021年~ 東北大学大学院工学研究科 特任助教(現職)