2022年度公募 seeds-2457 - 【北海道・東北】 巨大弾性変形を発現するバルク銅系合金の開発と応用
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VISION

ビジョン

巨大弾性歪みを示すバルク銅系合金の開発と新用途の開拓

新素材による従来の設計の枠を超えた製品の創出に向けて

本研究では、基礎機械特性調査及び材料組織制御により、巨大弾性歪み・低いヤング率を特徴とする新規Cu系バルク合金の開発を行い、その弾性的な構造や機能性質を利用した新型の応用を開拓することを目的とします。具体的には、合金の巨大弾性変形の耐久性を調査した上で、結晶方位や集合組織を制御した単結晶・多結晶試料を作製し、ばね材、伸縮自在の導電体、電極触媒等へ応用する可能性を検討します。

USE CASE

最終用途例

幅広い用途へ向けた新しい弾性合金

USE CASE 01低ヤング率・高強度・高弾性歪みを同時に実現

APPLICATION

APPLICATION

高性能ばね材などへの応用を目指して

低ヤング率かつ高強度かつ高弾性歪みを活かすことで、スプリング、コネクタ等の機械要素部品に応用することが期待されます。

USE CASE 02格子歪みを自在に制御することが可能

APPLICATION

APPLICATION

歪みを媒介としたスマート材料としての応用を目指して

格子歪みを能動的に制御することで材料の導電性、触媒活性等の物理・化学特性を向上や調整させる可能性があります。4.3%以上の弾性歪みを活かすことで、高性能触媒材、歪みセンサー等の創出が可能です。

USE CASE 03小さい力で大きく伸び縮みするゴムのような金属材料

APPLICATION

APPLICATION

伸縮導電体等の応用を目指して

ストレッチャブルエレクトロニクスに基づく電子皮膚には、伸縮性の高い導電材料が求められています。低ヤング率および高弾性歪みと特徴とする本銅系合金は電子皮膚における伸縮導電体への応用が期待できます。

STRENGTHS

強み

従来のバルク金属の枠を超えた革新的な弾性合金

STRENGTHS 01

4.3%の歪みを超えるヒステリシスの無い巨大弾性変形の実現

通常、実用バルク金属材料の弾性歪みは約0.5%程度であり、BCC構造を有する本合金は、相変態を伴うことなく4%を超える巨大な弾性歪みと25GPa以下の著しく低いヤング率が得られ、極めて特異な弾性特性が確認されています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

弾性的な構造性と機能性を活用

TECHNOLOGY 01

合金設計と組織制御による目的とする材料提案を加速

現在、比較的弾性歪みの大きい金属材料はTi系ゴムメタルと金属ガラスのみであるが、両者とも高価な素材であるだけではなく、導電性が低く、触媒活性が不十分であるため、伸縮導電体や電極触媒等新規用途への応用にはあまり期待できない。一方、マルテンサイト相変態を利用して8%もの印加歪みを回復させることができる(Ni-Ti系)擬弾性材料が普及いますが、大きな応力ヒステリシスと繰り返しにより特性が劣化することが大きな問題となります。本合金は従来素材に比較して弾性歪み(格子歪み)、ヤング率の点で比類ない特性を有しており、本研究開発で目標達成できれば従来技術に対する高い優位性を有する製品開発が可能となります。

PRESENTATION

共同研究仮説

巨大弾性銅系合金を用いた製品や技術の社会実装へ向けて

共同研究仮説01

新しい製品コンセプトに基づく新用途を開拓

革新的な弾性合金素材を活かして

ばね・コネクタなどの汎用材料から歪みを媒介としたスマート材料まで、あらゆる用途での検討にすることを希望しています。

共同研究仮説02

試作からものづくり革新まで

試作品で応用可能性を検証

実用化を見据え、素材の深加工やシステムの構築により製品を試作し、新用途のアイデアを検証することを希望しています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

許 勝 東北大学大学院工学研究科(特任助教)
経歴

2020年 東北大学大学院工学研究科 博士課程修了
2018年~2020年 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
2020年~2021年 東北大学大学院工学研究科 博士研究員
2021年~ 東北大学大学院工学研究科 特任助教(現職)

研究者からのメッセージ

特異な弾性特性を有する新素材の実用化に向けて

これまでの研究で、低ヤング率や巨大弾性歪を示す金属材料の設計指針を確立できるようになってきましたが、まだまだ素材開発の段階です。これらのシーズをもとに、実用化に向けた研究を一緒に進めてくださる企業様を募集しています。