2021年度公募 seeds-1614 - 【北海道・東北】 形状制約のない力学的異方性材料の簡易な弾性定数計測手法の開発
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VISION

ビジョン

3次元・複雑構造・力学的異方性材料の簡易な弾性定数計測手法の開発

機械加工や表面処理を行うことなく独立弾性定数を一度に計測!

例えば、航空機、自動車、鉄道などの安全性についての開発は、変形や振動現象を論理的に解明し機体・車体構造を検討することにより進められています。弾性定数は上述した数値シミュレーションに必須な入力値であるとともに、解析精度に最も影響を与える材料物性の一つです。これまでの弾性定数の計測には、シンプルな形状かつ力学的等方性材料に対しては機械的試験法が用いられており、力学的異方性材料に対しては複数の異なる機械的試験法が用いられております。しかしながら、3次元かつ複雑な構造に加えて、力学的異方性材料に対しては従来の機械的試験法の適用は困難です。

本研究では、固体材料の共鳴振動現象を利用した超音波共鳴法を用いることで「形状制約のない力学的異方性材料の簡易な弾性定数計測手法」を開発することを目指しています。さらに、計測した弾性定数が機械的試験法で測定される標準偏差に収まる測定精度を実現することを目標としています。

料種・材料形態・計測環境の制約を伴わない計測手法!

本法は、任意の弾性定数を入力値に用いて共鳴振動解析を行い、振動実験から得られた共鳴振動数と各振動様式が解析結果と一致する入力弾性定数を逆解析的に求める手法です。固体材料の共鳴周波数は形状、密度、弾性定数のみに依存ことから、形状と密度が既知であれば原理的には一度の振動実験のみで任意の形状を有する製品・材料の弾性定数を測定することができる手法です。

本研究では、(1)材料種、(2)材料形態ならびに(3)計測環境の制約を伴わない計測手法の構築を目指しており、(1)金属材料・セラミックス材料・高分子材料・複合材料、(2)顕微鏡サイズ材料・薄膜材料・異種接合材料ならびに(3)高温環境下なども研究対象としています。

USE CASE

最終用途例

「新規開発材料の基礎特性評価」や「製品の工程管理・品質検査・品質改善」に活用

USE CASE 01新規開発材料の基礎特性評価に貢献

APPLICATION

APPLICATION

一度の振動実験と振動解析で9つの独立弾性定数を計測

開発中にある試作材が想定した特性値や特性(力学的等方性や力学的異方性)を有しているか否かの評価に役立てることが期待できます。

USE CASE 02製品の工程管理・品質検査・品質改善に貢献

APPLICATION

APPLICATION

データ取得が困難な製品の工程管理・品質検査・品質改善

機械加工や表面処理を行うことなく9つの独立弾性定数を簡易に計測することが期待できます。

STRENGTHS

強み

一度の振動実験と振動解析のみで3次元・複雑構造・力学的異方性材料の全弾性定数を取得

STRENGTHS 01

材料種・材料形態・計測環境に制限を伴わない計測手法

固体材料の共鳴周波数や振動様式は形状、密度、弾性定数のみに依存することから、形状と密度が既知であれば原理的には一度の振動実験のみで3次元・複雑構造・力学的異方性材料を有する材料の弾性定数を測定することができます。

STRENGTHS 02

有限要素解析と最適化アルゴリズムの融合による計測時間の短期化

任意の弾性定数を入力値に用いた有限要素法による共鳴振動解析を行い、実験手法から得られる共鳴振動数と各振動様式が解析結果と一致する入力弾性定数を逆解析的に決定します。振動解析に最適化アルゴリズムを融合させることで計測時間の短期化を実現します。

STRENGTHS 03

3次元測定機を用いた有限要素モデルの自動生成による高精度な計測手法

形状測定が困難な材料に対しても、3Dスキャナ型三次元測定機を用いることで、試料形状を3次元デジタルデータとして取得して、自動的に有限要素データを生成することで高精度な弾性定数計測を実現します。

TECHNOLOGY

テクノロジー

3次元・複雑構造・力学的異方性材料の独立弾性定数の計測手法の開発

TECHNOLOGY 01

レーザドップラ振動計を用いた共鳴振動数と各振動様式の計測

本振動計の振幅分解能はフェムトメートルであり、変形能の小さな顕微鏡サイズの試料や高剛性材料まで評価対象とすることができます。試料寸法に制限を伴いますが、安価なレーザー変位計を代用することもできます。

TECHNOLOGY 02

振動様式のマッチングも考慮に入れた最適化アルゴリズム

共鳴周波数のマッチングに加えて振動様式のマッチングも実装した最適化アルゴリズムにて、膨大な入力弾性定数の組合せの中から能率的かつ高精度に弾性定数を計測します。

PRESENTATION

共同研究仮説

3次元・複雑構造・力学的異方性材料の独立弾性定数の計測手法を開発しましょう!

共同研究仮説01

本研究計画の実現のためには ~知識の相互補完~

本研究を発展させるためには、企業が取り組んでいる課題と我々の想定している課題との間のギャップを埋める必要があると考えております。本研究計画は、まさに知識の相互補完なしでは目的を達成することができない研究開発テーマであり、企業との共同研究を行うことで研究開発期間の短縮を実現することができると考えております。是非、企業で抱えている課題や困難をお教えください。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

山本 剛(Go YAMAMOTO) 東北大学大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻
経歴

2006年3月 東北大学大学院環境科学研究科 博士(学術)

2006年4月 東北大学流体科学研究所 21世紀COEフェロー

2008年4月 日本学術振興会特別研究員-PD

2008年9月 テキサス大学オースティン校(米国) 客員研究員

2011年4月 東北大学大学院工学研究科 助教

2016年1月 東北大学大学院工学研究科 准教授(現在に至る)

2020年3月 成均館大学校(大韓民国) 客員教授

 

(Lab web page) http://www.yamamotolab.mech.tohoku.ac.jp/

(Researchmap) https://researchmap.jp/Go_Yamamoto

(YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=79Aq2g0uf60

研究者からのメッセージ

一緒に研究開発ができることを楽しみにしております。

本研究計画は、企業との知識の相互補完なしでは目的を達成することができないものです。我々は企業のneedsを知ることにより真に解決すべき課題が明らかになり、企業は、真に革新的な技術を創出するために必要な新概念や指導原理を開発研究に取り入れることができるようになります。ご興味を持って頂けましたらご連絡お願い致します。一緒に研究開発ができることを楽しみにしております。