2023年度公募 seeds-4713 - 【関東】 高温高圧キャビテーションを用いた金属の表面改質技術
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VISION

ビジョン

キャビテーションを生かした表面処理技術

廃棄物が発生せず,表面が荒れず,金属表面の疲労特性が向上できる技術の確立

例えば、鋼のような高強度な材料ほど、欠陥に対する感受性が高いため、ピーニング後の表面の形状変化が金属の疲労限度を低下させる。そこで、表面が荒れないピーニングが求められている。また、従来のピーニングでは、ショット材を利用後、廃棄物が発生したため、リサイクルができる水をショット材として、水を最大限生かしたピーニング方法を確立する。

USE CASE

最終用途例

自動車をはじめとした輸送機器部品の薄肉化・軽量化に資する技術としての活用

USE CASE 01輸送機器部品の駆動系に使用される鋼の疲労特性強化につなげる

APPLICATION

APPLICATION

鋼表面の強化による薄肉化・軽量化

新たな表面改質が確立され、鋼の疲労寿命を向上させることができる

STRENGTHS

強み

通常のキャビテーションを発生する手法では難しかった複雑形状の表面加工の実現

STRENGTHS 01

板材ではなく、回転させながら丸棒や歯車を加工すること

超音波とウォータージェットを組み合わせることで、水中で発生する噴流が広がり、キャビテーション内が数千℃・数万気圧の状態のまま、対象物表面を加工できる。

TECHNOLOGY

テクノロジー

キャビテーション処理で薬品を少量加えると対象物表面に耐食性皮膜を形成させることが可能

TECHNOLOGY 01

高温化のキャビテーションは荷電粒子になりやすい

水に少量の薬品を含んだ液体内でキャビテーションを発生させるとキャビテーション内で荷電粒子の状態になりやすい。そのため、従来の化成処理よりも反応が促進して不働態皮膜(M. Ijiri, K. Yamaguchi, S. Kikuchi, F. Kato, Y. Kunieda, H. Sakurai, T. Ogi, T Yoshimura, Surfaces and interfaces, 2021, 25, 101194)も形成する。

PRESENTATION

共同研究仮説

実際に様々な材質を提供していただき、導入できるかを確認し、有用化を明らかにする。

共同研究仮説01

キャビテーション力を評価することによる有用化の実現

輸送機器部品の軽量化の実用化

自動車や建機などの輸送機器部品を製造している会社・業界に実際の材料を供与してもらい、導入実験を行う。また水を使用する技術であるため、海洋分野での応用も検討する。

RESEARCHER

研究者

井尻政孝 助教
経歴

2012年 龍谷大学 理工学部 卒業
2014年 龍谷大学大学院 理工学研究科 修士課程機械システム専攻 修了
2017年 岡山大学大学院 自然科学研究科 博士課程 産業創成工学専攻 修了
2017年 山陽小野田市立山口東京理科大学工学部 ポストド  クトラル研究員
2018年 東京電機大学工学部先端機械学科 助教
2019年 国士舘大学 理工学部理工学科機械工学系 非常勤講師
2021年 現在 東京都立大学システムデザイン学部機械システム工学科 助教

研究者からのメッセージ

従来困難とされていた表面が荒れずに疲労特性が向上できる加工技術ができそうです。

6年以上、キャビテーション処理の研究分野に関わってきました。従来の方では困難とされていた荒れずにピーニングができることについて、産業分野で応用したいと考えています。