2022年度公募 seeds-2510 - 【北海道・東北】 3Dプリンタによる繊維強化複合材料の金属への直接接合
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VISION

ビジョン

短繊維CFRPや連続繊維CFRPを金属基板上に3D造形することによる直接接合を実現したい

これまでにない新たなマルチマテリアル化手法の開発により環境負荷低減に貢献

航空機だけでなく、自動車や自転車に至るまで軽量化を目的としたマルチマテリアル化が進んでいます。3D造形によるマルチマテリアル化により,マルチマテリアルの特徴を活かした全く新しい材料システム創製が提案できると期待されます。また、将来的にトポロジー最適化による部材軽量化デジタルデザインを融合することで輸送機器、産業機械の大幅な軽量化が進み,部材の切削加工量や機器のエネルギー消費量の削減、ひいてはCO2排出量の大幅な削減に資することになると期待されます。

USE CASE

最終用途例

環境にやさしい異種材料接合技術

USE CASE 01産業用3Dプリンタ

APPLICATION

APPLICATION

連続繊維複合材料の造形にも対応した高剛性3Dプリンタへの応用

剛性の高い連続繊維複合材料も3D造形可能な高剛性3Dプリンタの開発が求められ、これに本研究開発技術を実装することで産業用機器製造への応用が可能になると期待されます。

USE CASE 02輸送機器

APPLICATION

APPLICATION

少数で意匠性にも富んだフレキシブルな部材の創製

航空機用ファーストクラスのシートなどの機内アレンジやエアラインの要望に特化した少量生産となる製品の製造や、意匠性のある複雑形状の製品に対する締結部品の削減などが期待されます。

USE CASE 03リサイクル応用

APPLICATION

APPLICATION

廃材や残材も活用した資源循環応用

3Dプリンタでは、一度造形した部材を裁断・フィラメント化することで再度部材を造形することが可能です。母材樹脂の溶融・固化過程による劣化挙動を理解することでリサイクル造形品の実用化も期待できます。

STRENGTHS

強み

データ科学を活用した造形条件探索で高接合強度なマルチマテリアル化を効率よく実現する

STRENGTHS 01

自己組織化マップ(SOM)・実験計画法による最適造形条件探索

3D造形は多くの造形パラメータがあり、母材樹脂の品質や造形品の構造・特性が造形条件の組み合わせに大きく依存してしまいます。造形パラメータを変えたときの構造・特性変化をデータベース化し、これを基にSOMや実験計画法に適用することで、高い接合強度となる造形条件を効率的に最適化させることができます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

3D造形技術でマルチマテリアル化を目指す

TECHNOLOGY 01

接着剤無しでCFRP/チタン合金の高強度接合

金属3Dプリンタを用いて炭素繊維強化複合材料へ効率的にせん断荷重を伝達できるような円柱状の突起を有する表面構造をチタン基板上に3D造形し、これに複合材料を熱プレスして直接接合することで、現行の接着剤接合と同等以上のせん断接着強度を発現させることに成功しました。本研究は、International Journal of Adhesion and Adhesives誌に掲載されました。本研究開発では、この技術を基に金属表面構造を3D造形した金属基板上に複合材料を3D造形してマルチマテリアル化を実現します。

TECHNOLOGY 02

3D造形した複合材料の力学特性発現機構予測

3D造形時に生じる空隙や母材である熱可塑性樹脂の材料非線形性を考慮した有限要素解析により、複合材料の応力ひずみ応答や層間破壊靭性を予測できます(Journal of Thermoplastic Composite Materials誌に掲載)。また、結合力モデルを用いて熱可塑性CFRPの層間破壊靭性値の解析も行っており(Journal of Composite Materials誌に掲載)、これを利用して接合界面の破壊靭性値も評価することが可能です。

PRESENTATION

共同研究仮説

3D造形を活用して世界をリードする革新的な異種材料接合技術の社会実装を目指す

共同研究仮説01

産業用3Dプリンタ開発

空隙のない連続繊維複合材料の3D造形とマルチマテリアル化

プリンタ製造企業と連携して民生用3Dプリンタでは困難なボイドを含む内部欠陥の低減とフレキシブルなマルチマテリアル造形が可能な産業用3Dプリンタの開発を行います。また、連続繊維複合材料の金属基板上への3D造形や、実用を想定した立体構造の造形の実現を目指します。

共同研究仮説02

サステナブル複合材料の3D造形とマルチマテリアル化

環境調和型材料による造形と特性発現機構の解明

セルロースナノファイバーなどのナノフィラーと生分解性プラスチックをそれぞれ強化材と母材に用いた複合材料を3D造形し、分解性・リサイクル性に富んだサステナブル複合材料を開発します。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

白須圭一 東北大学大学院工学研究科 
ファインメカニクス専攻(准教授)

経歴

2015年3月 東北大学大学院環境科学研究科
環境科学専攻修了博士(学術)
2012年ー2015年 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2015年4月ー2016年6月 東北大学大学院工学研究科 教育研究支援者
2016年7月ー2019年4月 東北大学大学院工学研究科附属
先端材料強度科学研究センター助教
2019年5月ー2019年10月 物質・材料研究機構 特別研究員
2019年11月ー2022年3月 東北大学大学院

工学研究科航空宇宙工学専攻准教授
2022年4月ー現在 東北大学大学院

工学研究科ファインメカニクス専攻准教授
(兼務)東北大学多元物質科学研究所 准教授

researchmap https://researchmap.jp/7000019106
東北大学ソフトマテリアル研究拠点 https://softmaterial.tagen.tohoku.ac.jp/

研究者からのメッセージ

3D造形技術の発展は将来の省エネ製造技術・資源循環社会の実現に貢献すると期待しています

本技術を基に、廃材や残材で3D造形することによるリサイクル技術・サステナブル複合材料の3D造形による環境にやさしい部材製造にも展開していきたいと考えています。2050年カーボンニュートラル社会実現に向けて、企業の皆様と連携していければと思います。