2022年度公募 seeds-3562 - 【中国・四国】 金属-絶縁体転移材料による無電源スマートウィンドウ
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VISION

ビジョン

究極の省エネを実現する未来

自由な温度で透光-遮光を制御可能な窓

一般的に金属は光を透過せず,絶縁体は光を透過する.この機能を考慮すると,金属-絶縁体転移材料は遮光-透光を切り替えることができるクロミック材料であると言える.これまで実用化されてきたクロミック材料は,耐久性の劣る有機物であったり,動作に電源が必要であったりしたが,本研究では,耐久性に優れた酸化物材料で,無電源かつ自由な温度で動作するクロミック材料を開発する.これは究極の省エネを達成するスマートウィンドウであり,具体的には温度変化で遮光-透光が変化する酸化物をKOHフラックス法(液相法)やスパッタリング法(気相法)で成膜する。

USE CASE

最終用途例

サーモクロミック材料

USE CASE 01スマートウィンドウによる屋内温度の自動制御

APPLICATION

APPLICATION

任意温度における遮光ー透光制御材料

ペロブスカイト型の金属ー絶縁体転移材料をKOHフラックス法もしくはスパッタリング法にて成膜する.その際に,金属組成や酸素量を調整することで,任意の温度での転移を実現する。

STRENGTHS

強み

無電源かつ自由な温度で遮光ー透光を自動で切り替えることができる

STRENGTHS 01

金属組成や酸素量で転移温度を自由に制御可能

既存の金属ー絶縁体転移材料である酸化バナジウムは,酸素とバナジウムの比率によって転移温度がとびとびの値をとること,比率の制御に緻密な温度・酸素分圧制御が必要であることなどのデメリットがあるが,我々があつかうペロブスカイト構造の酸化物は金属・酸素の組成を容易に制御可能で,転移温度を自由に変更できる。

TECHNOLOGY

テクノロジー

ペロブスカイト型酸化物材料の新機能

TECHNOLOGY 01

結晶構造相転移による磁気的,電気的な転移

(Pr1-xREx)1-yCayCoO3はABO3系のペロブスカイト構造を有し,CaドープによってCoドープのスピン状態がとある温度によって変わることで相転移を生じ.それに伴って電気抵抗が数桁変わる.またRE量によっても同様な変化がみられ,さまざまな金属を使うからこそ,組成の制御が容易となり,転移温度も自由にコントロールできる

PRESENTATION

共同研究仮説

無電源かつ自由な温度で機能するスマートウィンドウの開発

共同研究仮説01

ターゲットの開発および大面積成膜

スパッタリング法で用いるターゲットの開発および大面積成膜

金属組成を自由に制御するためにはスパッタリングターゲットの組成が重要となる.そのターゲットの開発として焼結による組成ずれの解決をテーマとする.また,実用化に向けた大面積成膜は大学の研究室レベルでは困難であるため,企業のスパッタリング装置によって大面積化を行い,課題抽出およびその解決に取り組みたい。

RESEARCHER

研究者

舩木修平 国立大学法人 島根大学 大学院 自然科学研究科​ 助教​
経歴

以下のサイトをご覧ください.
https://researchmap.jp/funaki-shuhei

研究者からのメッセージ

応用を見据えた材料開発

大学の研究室レベルの材料開発には限界がありますが,素材はたくさん眠っています.これまで私は超伝導材料の研究を通して,材料開発から実用化までの流れを体感する中で,材料研究の大切さを学びました.実用化にはコスト,収益,波及効果,など大学では考えない物差しが使われますが,今回提案する無電源スマートウィンドウは,いずれも超伝導をはるかにしのぐ技術だと確信しております.ぜひ,近未来の究極の省エネに向けてペロブスカイト系材料のスマートウィンドウ化を実現しましょう!