2023年度公募 seeds-4887 - 【関東】 電池材料の機械的性質および疲労特性の予測・評価技術
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VISION

ビジョン

長寿命・高品質の電池の実現を目指して

力学に裏付けされた電池材料の構造設計手法と評価方法を提供する

リチウムイオン二次電池に代表されるエネルギー密度の高い二次電池は電気自動車をはじめとする機械構造物の動力源や発電した余剰電力の備蓄用バッテリーとしての運用が進んでおり、現代の都市生活に不可欠なインフラの一つといえます。たとえば電池の主要な構成部材のうち、薄い塗膜状の電極は極めて脆いという特徴があります。電極が損傷すると電池の総合的な発電能力の低下や短寿命化につながるため、その力学的な現象を解明するとともに、損傷を抑制できる電極の構造設計手法と評価方法の構築を目指しています。

USE CASE

最終用途例

コンピュータ・シミュレーションによる予測と評価

USE CASE 01電池材料の構造設計シミュレーション

APPLICATION

APPLICATION

いつ、どのように壊れていくかを予測する

電極の構成材料や配合量を入力として、いつ、どのように壊れていくかを予測します。相手材となる電解質(液体・固体問わず)も含めた連成解析も可能です。

USE CASE 02電池材料のデータ同化シミュレーション

APPLICATION

APPLICATION

材料試験中に生じる力学的な挙動をその場で評価する

電池材料のデジタルツインを作製して、疲労試験などの材料試験中に生じる力学的な振舞いをその場で評価します。電極および固体電解質の単体試験片だけでなく、電解質と電極の接合体にも応用できます。

STRENGTHS

強み

電池材料の力学モデルを構築して寿命予測や素材開発に貢献

STRENGTHS 01

取得が困難な力学モデルやパラメータはデータ同化で解決

電池材料に生じる損傷のメカニズムを明らかにし、力学モデルを構築して、寿命予測や素材開発に貢献します。シミュレーションに必要な力学モデルやパラメータの取得が困難な場合でも、データ同化を利用して付随する逆問題を解くことで可能にする強みがあります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

電極の微視的な複合構造を模擬した力学モデルを開発

TECHNOLOGY 01

機械的性質、クリープ特性、疲労特性の予測を実現

たとえばリチウムイオン二次電池の電極の場合、微視的には電解反応を担う活物質をバインダーでつなぎ留めた複合構造をなします。この構造を模擬した力学モデルを開発し、電極の剛性と耐えられる最大荷重の予測(機械的性質)、荷重が負荷され続けたときの変形予測(クリープ特性)、繰返し荷重を受けたときの損傷予測(疲労特性)を可能にしています。また、これらの特性を得るための材料試験方法も提案しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

電池材料の寿命および品質向上に資する生産・加工技術の開発

共同研究仮説01

長寿命かつ高品質な電池の安定的な生産を目指して

力学的な根拠に基づいた電池の生産・加工技術の最適化

電池の発電性能や寿命は素材が持つ本来の電気化学的な性質に加えて、電池の製造条件(母材となる粉末の粒径や製造時の温度・圧力など)によっても左右されます。製造条件の影響について力学的な根拠を与え、長寿命かつ高品質な電池を安定的に実現する生産・加工技術の最適化を目指します。

RESEARCHER

研究者

岸本 喜直 理工学部機械工学科 准教授
経歴

2010年3月 東京工業大学大学院博士後期課程修了
2010年4月~2013年3月 東京都市大学工学部機械工学科助教
2013年4月~2018年3月 東京都市大学工学部機械工学科講師
2018年4月~ 東京都市大学理工学部機械工学科准教授

研究者からのメッセージ

機械工学の視点から電池の研究にアプローチ

電池は電解質が固体か液体化に関わらず、また容量の大小に関わらず現代の生活に密接しています。電池の基本的な性能を決めるのは電気化学的な現象ですが、安全性や環境親和性にも配慮すると、高品質な電池を安定的に供給できるようにすることも必要で、機械工学(力学)的なアプローチで貢献していきたいと考えています。