2020年度公募 seeds-0939 - 【関東】 健やかな水環境形成のための持続的底質環境保全技術の開発
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VISION

ビジョン

底質環境の持続的な改善による健全な水環境の保全を目指す

慢性的な底質環境の悪化を持続的に改善するだけでなくエネルギー回収可能な装置開発を行っています

閉鎖性の高い水環境では、これまでに蓄積された環境汚濁によって底質環境の悪化が深刻化しています。本研究では、発電しながらこのような底質環境の改善が可能な堆積物微生物燃料電池の実用化に向けた検討を行っています。汚染された底質環境では、貧酸素水塊の形成や硫化水素ガス等による悪臭の発生等様々な損失が生じています。本技術の適用によって、持続的かつ長期に上記のような損失を軽減することが期待されます。また、改善は自発的に進み外部からのエネルギー投入が必要ないだけでなく、電気エネルギーも回収可能なクリーンな環境改善技術となります。

環境浄化と電力を回収を両立できる新たな環境保全技術を目指す

本技術の一番特徴的である発電しながら底質環境が改善できることについて双方(改善・発電)ともに最大限活用可能なシステムの構築を目指します。また、本技術は湖沼や海域など場所を選ばずに性能の発揮が可能です。実用化に向けて様々な規模の水環境に適用出来るようなシステムの開発を進め、最終的にはパッケージ化による技術導入の容易化を目指します。

USE CASE

最終用途例

持続的かつ長期的にエネルギーをかけずとも環境保全が可能な技術の提供

USE CASE 01地域環境の重要な水環境の親水性向上および環境保全

APPLICATION

APPLICATION

公園などの湖沼等への環境保全対策に活用

閉鎖性の高い公園などの湖沼では、水質汚濁が生じやすくなりますが、本技術を適用することでこの汚濁を改善することが可能となります。清浄な環境が維持されれば地域環境の質の向上に繋がります。

STRENGTHS

強み

環境中からの発電だけでなく、極めて省エネルギーで運転可能な底質改善技術

STRENGTHS 01

外部からのエネルギー供給無く長期かつ自発的に底質改善

これまでの底質改善技術とは異なり一度設置出来れば、後は外部からのエネルギー供給が不要であり、自発的かつ継続的に発電および底質改善が進行します。また、複雑な装置構造ではないのでメンテナンスも簡単であり頻度も必要ありません。

TECHNOLOGY

テクノロジー

底質内の発電微生物を利用した環境浄化生物電気化学技術

TECHNOLOGY 01

底質内の発電微生物を利用して底質内の酸化反応の促進

本技術は、直上水中と底質内部にそれぞれ電極を設置することで底質内部の発電微生物によって底質内で生じた有機物分解などの酸化反応で生じた電子が底質中の電極へと受け渡され、直上水中の電極上で消費されます。これによって発電が行われるとともに、底質内部での有機物分解の向上や汚染された底質環境で発生しやすい毒性の高い硫化水素の生成抑制などの効果が期待できます。この促進効果は電極を設置するだけで発揮され、外部からのエネルギー供給など必要ありません。ラボスケールサイズではその有効性を確認しており、現在実環境における底質改善効果の検証を進めています。

PRESENTATION

共同研究仮説

本技術のパッケージ化に向けた装置システムの開発

共同研究仮説01

堆積物微生物燃料電池による実環境保全技術の実用化に向けた研究

実環境への設置に向けた装置構造や材料の開発

堆積物微生物燃料電池の実環境への適用では、広範囲に適用する場合にどのような形状の炭素素材電極をどのように配置するのかといった検討が必要です。本技術の実環境適用ひいては実用化を目指した電極構造・材料開発に関する研究を進めていければと思います。

RESEARCHER

研究者

窪田 恵一 群馬大学大学院理工学府
経歴

経歴
2014年4月~ 群馬大学大学院理工学府 環境創生部門 助教
2013年4月  群馬大学理工学研究院 環境創生部門 助教

所属学会
土木学会
日本水環境学会

研究室HP
https://environ.ees.st.gunma-u.ac.jp/

研究者からのメッセージ

本技術の実用化は健やかな環境を形成する上で重要な役割を担うと考えています。

汚濁が進む底質環境はヘドロ状となっておりそこに住む生物に多大な悪影響を及ぼすだけでなく、その悪影響は周辺の環境にまで波及します。そのため底質環境の維持は健やかな環境を形成する上で最優先すべきと考え、研究を進めています。この技術の実用化に向けて協力していただければと思います。