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低原子価チタン化合物を用いたアルコールのC-OH結合ホモリシス法の開発 【用途例】有機合成の迅速化・簡略化
クロスカップリングやGrignard反応に代表されるように、現代の有機合成は有機ハロゲン化物や、そこから誘導される有機金属化合物を合成中間体とした分子変換反応に強く依存しています。本研究では、これらの合成中間体をアルコールで代替する手法を開発します。アルコールは、様々な誘導体が入手可能な最もありふれた有機化合物群の一つであり、上記の有機ハロゲン化物の原料です。したがって、これらを自在にC-C結合形成等の反応に利用することができれば、より直接的で簡便な有機合成が実現し、合成に必要な時間的・物質的コストを削減できると考えています。
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ファインバブル“超”発生技術の開発と応用 【用途例】“ファインバブルといえば水や空気”という固定観念からの脱却
ファインバブル(マイクロ・ナノオーダーの気泡)は、幅広い分野への応用研究が進められています。例えば、次世代の超音波造影剤の開発です。これは「倍音」をよく反射するというファインバブルの音響特性を活用するもので、従来は超音波での検査が難しいとされてきた血流の様子を観察することが可能になります。また体内のがん細胞にピンポイントに薬を届けるドラッグデリバリーシステムなど、医療分野での応用に大きな期待が寄せられています。
さらに、オゾンのファインバブルによる殺菌効果を利用した植物工場用の殺菌や、福祉の分野で期待される洗浄効果を持つバブルバスなど、その可能性はますます広がっています。
私は超音波伝達体であるホーンの内部に気体流路を設けた中空超音波ホーンを用いて、ファインバブルを発生させる超音波ファインバブル発生技術を開発しました。特段の複雑な設備導入を必要としない本技術によって、多くの分野においてイノベーションをもたらすことを目指しています。
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水電解電極・触媒の高性能化・省レアメタル化を実現する表面制御技術 【用途例】水電解酸素発生電極の高性能・低コスト化
大規模グリーン水素製造技術としてアルカリ水電解(AWE; Alkaline Water Electrolysis)が注目されています。しかし、アルカリ水電解のアノードでは酸素発生反応が起こり、カソードで起こる水素発生反応に対し反応を進行するためのエネルギーが多く必要なため、水素発生効率を向上しグリーン水素のコストを下げるためのボトルネックとなっています。
現在アルカリ水電解のアノードには、コバルトを含む酸化物触媒層を形成したニッケル系電極が使用されていますが、より資源量豊富な元素を中心として用い、より高活性な電極材料の開発が求められています。
本研究では、ニッケルやコバルトに対し資源量・コストの両面から優れるステンレス鋼に着目し、ステンレス鋼をアルカリ水電解アノードとして実用化するための表面改質方法を開発します。
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産業用モータ駆動インバータの高信頼化に資するセンサレス寿命診断システムの開発 【用途例】産業用インバータの高信頼化
持続可能なエネルギー社会の実現には、インバータをはじめとしたパワーエレクトロニクス(以下パワエレ)回路の普及拡大が必要不可欠です。パワエレは送配電設備や鉄道、ハイブリッド電気自動車などのインフラを支える根幹技術であり、今後も年率10%程度の市場拡大が予想され、膨大な数の機器が世界中で使用されることが見込まれています。パワエレ回路の故障はインフラの麻痺を引き起こすことになるため、従来とは桁違いの高い信頼性が要求されるようになっています。
パワエレ回路の中のキャパシタ(コンデンサ)という受動部品に着目し、電流センサレスの新しいモニタリング技術によって、大電力・高電圧パワーエレクトロニクス回路の信頼性向上を目指します。
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光を用いた交流磁界トモグラフィー装置の研究開発 【用途例】アルカリ金属を用いた光による磁気センシングは、光技術ならではの幅広い応用が期待される
デバイスを接近させるか置くだけで充電できる非接触給電装置の普及は著しいが、効率的な給電には送受信コイルの位置ズレを考慮したシステム設計および最適化が必要となる。本研究では、センサヘッド内を透過する磁界の三次元分布のうち、評価に有用な平面のみを選択的に断層イメージ(トモグラフィー)として画像取得することを目的とする。
実製品から生じる空間的な交流磁界のトモグラフィー画像によって、無線電力伝送デバイスの評価と伝送効率の向上が期待でき、省エネの促進やCO2削減についても期待できる。
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メカニカルメタマテリアルによる振動抑制を可能とする超軽量構造の研究開発 【用途例】軽量性と高度な材料特性・機能の制御性を活かした革新的な人工材料
本研究開発では、メカニカルメタマテリアルの①超軽量化可能性、②構造特性の高度制御性、③微視構造における荷重伝達の制御性の特性を生かし、航空機・自動車等の輸送機分野、家屋・ビル・道路・橋梁等の建設分野、オーディオ等の音響電器分野などにおいて、例えば、振動を抑えた快適な乗り心地(エンジン、モノコック・ボディ等)、生活空間で感じる振動を抑えた構造負荷軽減等の応用可能性・市場性の最も高い新材料技術の確立を目指します。
この新材料では、従来型の対症療法的な車体振動抑制のためのサスペンションやダンパー、これら追加機器に伴う全体重量増加やシステムの複雑化といった影響を低減する振動抑制デバイス・システムとは根本的に異なる設計・材料思想を採用する。振動抑制機能を有する素材構造から成る本体構造により、追加機器等による重量増加も抑えられ、システムとして簡潔化された革新構造設計が実現されます。
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パルスECTを搭載した水中ロボット(ROV)を用いた、海底送水管等の電磁気非破壊検査手法の開発 【用途例】目視では発見できなかった送水管等の漏洩箇所や漏洩する危険性のある個所の検査に活用
離島などの土地に生活用水を供給する役目を海底送水管が担っていますが、海中環境による腐食、損傷などによって送水管の寿命を短命になっています。そのため、水中にあるこれら送水管の検査が非常に重要となり、現状はROVによる外観からの目視検査と内挿型の内部検査によってメンテナンスを行っていますが、これら検査手法では配管の減肉状況を確認すること困難なため、適切な寿命評価が行えておらず、また、漏洩箇所等の把握も困難です。
本研究では、外観検査用カメラと共にパルスECTによる電磁気非破壊検査装置を搭載した水中ロボット(ROV)による検査の実現を目指しております。当該研究を実現することで、従来の人による目視での外観検査では発見できなかった漏洩個所や漏洩する危険性のある個所の発見をROVを用いて実現できるようになります。また、開発する電磁気非破壊検査装置はパルス磁界を用いるため、ROVを送水管に密着させる必要が無くなり、ある一定の距離が存在する場合(送水管まわりの付着物が存在する場合、等)であっても測定が可能となります。
これらにより、検査時間削減や人員コスト削減等による低コスト化の実現を目指します。
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セラミックス3Dプリントのプロセスの開発、ならびに、本プロセスを経て製造可能となる各種複雑形状セラミックス体の提供に向けた研究 【用途例】複雑形状ガラス・セラミックス部材全般の製造
世界におけるセラミックス材料の三次元造形市場は2019年で200億円、2028年には4000億円とおよそ20倍にも拡大すると予測される成長分野です。特にセラミックス材料の3次元光造形技術は、コンピュータなどで設計支援された複雑形状部材を、高精細かつ生産性良く製造できる期待から、高い関心が寄せられています。
しかし、セラミックス材料の光造形プロセスには、インク材料の時間安定性、造形物の長い乾燥・焼成時間、溶剤使用による製造工程における環境負荷および利用者の安全衛生面への懸念、細かい造形に対する高い難度、等のさまざまな課題を抱えています。これらの課題が総合的に解決されない限りは商業における実用的な生産は困難であると考えられます。
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高信頼・低損失パワー半導体モジュールを実現するナノコンポジット封止絶縁技術の開発 【用途例】高信頼・低損失パワー半導体モジュール用封止絶縁材料
洋上風力発電の発電電力を効率よく流通する次世代電力ネットワークの構築には、交直電力変換設備に用いられる必須の部品であるパワー半導体モジュールの高信頼性と低損失化が必要になります。次世代パワー半導体素子として期待される SiC 素子は、内部電界が現行 Si 素子に比べて一桁以上高い電界で動作するため、素子表面を封止する絶縁材料に高い電界ストレスが加わります。そこで、封止絶縁材料の高耐圧化が極めて重要な課題となります。本研究では、封止絶縁材料に酸化物ナノフィラーを添加・分散したナノコンポジット封止絶縁材料を開発し、高耐圧化 1.5 倍以上の達成を目指します。高耐圧化の技術的ネックとなる凝集体欠陥サイズを遠心分離により制御する独自技術をもとに、凝集体欠陥サイズ評価と材料パラメータ探索に機械学習を導入した材料開発プロセスを構築し、新規高耐圧封止絶縁材料を実現します。
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「低分子化合物-RNAペア」データ収集のための迅速スクリーニング法の開発とRNA標的低分子デザインのための「低分子化合物-RNAペア」予測モデルの構築 【用途例】多くの研究者や企業がRNA標的低分子化合物の設計の知見を活かせるよう広めていきたい
ヒトゲノムの塩基配列のうち、「機能を持つ」とされている領域は約80%と言われています。そのうちタンパク質にまで翻訳される領域は約3%ほどで、残りの77%は転写されたRNAの状態で機能を発揮していると言われています。RNAは次世代の創薬標的として注目されており、RNAを標的とした低分子創薬研究は欧米では勢いを増しています。しかしながら、日本国内でのRNAを標的とする低分子薬開発はほとんど進んでいません。RNA標的低分子研究のボトルネックとなっているのは、「低分子化合物-RNAペア」の具体例が少ないこと、低分子化合物の分子デザイン指針が未整備なことにあります。
そこで、本研究開発では、「低分子化合物-RNAペア」データ収集を迅速にスクリーニングする手法を確立します。具体的には、miRNA前駆体中に設計したランダム領域に対する、任意の低分子化合物の結合能を評価するスクリーニング手法です。さらに、このスクリーニング法を利用して得た「低分子化合物-RNAペア」のビックデータを基に、RNA標的低分子デザインに資する「低分子化合物-RNAペア」予測法を構築しRNA標的低分子薬開発における手法を標準化することで、低分子化合物の分子デザイン指針の整備を実現します。
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深紫外光まで透明な透明導電膜の開発 【用途例】深紫外LEDの発光効率を向上させる電極材料を開発し、殺虫、皮膚治療、空気清浄・浄水等での深紫外光の活用を拡大する
波長が200nm~300nmの深紫外光は幅広い分野で利用されています。中でも、波長280nm以下のUV-C光は細菌やウイルスのもつDNAやRNAに損傷を与えて不活化することが可能で、塩素などの薬剤を使わない殺菌や環境浄化法として極めて重要です。現在、実用的な深紫外光源としては水銀ランプ等が用いられていますが、水銀による環境負荷、素子の寿命・サイズ・コストなどの課題があり、小型で低コストな深紫外LEDの開発が進められています。しかし、深紫外LEDの発光効率は水銀ランプなどの既存光源と比較して低く、その向上が強く求められています。
本研究では、深紫外LED用の透明電極材料への応用を目標として、深紫外光に対する高い光透過率と低いシート抵抗を示す新たな透明導電体を開発します。
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複合イメージセンシングを利用した、オンデバイス教師なし学習型AI外観検査ソリューションの研究開発 【用途例】低コストでどこでも使える外観検査AIで、受け入れ・出荷検査工程の自動化を実現
電機産業や自動車産業では自動化が進み、労働生産性が日々改善しています。一方、食品産業では労働不足率が最も高いにもかかわらず自動化率は33%と低く、他の産業に比べて自動化が遅れています。労働者にとって過酷な環境であり、労働災害件数も他産業と比較して2倍以上も多い食品産業では、自動化は急務であるにも関わらず、自動化が進んできませんでした。食品産業では多種多様で不揃いな形状・外観・素材を扱うという特有の課題があるためです。工業製品と異なり、単純なルールでは自動化が出来ませんでした。
大量のデータから自動で多種多様な特徴と認識ルールを学習する深層学習技術が急速に発展してきており、食品産業の外観検査自動化にも応用が研究されています。しかしながらこうしたAI技術は、工場間など異なる環境間での横展開が困難であり、かつ学習のためのデータ収集が高コストであるという問題がありました。
本研究では、横展開容易で低コストなAI技術の開発を通じ、人手不足が深刻な食品産業の自動化促進を進め、少子化に伴う労働力不足という社会課題の解決に貢献します。特に外観検査に着目し、従来では視認性の悪かった多種多様な検査を可能にします。
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嫌気性廃棄物処理の安定化/高速化のために重要な、微生物を効率的に保持する微生物保持促進剤を混合した微生物担体の開発 【用途例】既存の嫌気性排水処理の能力向上を実現し、バイオエネルギー創出へ
嫌気性処理では、有機物分解の過程においてプロピオン酸などの脂肪酸によって生成される中間代謝物の分解が安定した処理の要となるため、有機酸分解細菌とメタン生成古細菌を一緒に効率的に処理槽内に保ち続ける事が処理の安定化には重要です。(この脂肪酸の分解を担う微生物はメタン生成古細菌との共生関係が必要なため「嫌気共生細菌」と呼ばれています。)
これら脂肪酸分解嫌気共生細菌とメタン生成古細菌を一緒に、効率的に処理槽内に保持する事が嫌気性処理では重要なことから、新規微生物担体の開発がカギとなってきます。
本研究では、独自開発した嫌気性処理に重要な微生物を効率的に保持できる新規微生物担体(メタン生成古細菌を含む嫌気性処理に重要な微生物を効率的に保持できる導電性物質を混合した微生物担体)の技術を用いて、添加する導電性物質の最適な添加量や廃水・廃棄物の種類や処理方式に対応した微生物の種類、また実際の処理リアクターへの添加による効果の確認と長期的な効果の検証を行い、本担体の実用化を目指します。
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永久磁石と磁気センサを用いた新規非破壊鉄筋計測システムの創出 【用途例】道路、鉄道、橋梁等のインフラやビル、マンションなどの建物など、多様な鉄筋コンクリート構造物を対象とした幅広い用途で活用
1960 年代の高度成長期に建設されたインフラや建屋などの鉄筋コンクリート構造物の経年劣化が進んでおり、状況の把握やメンテナンスが求められているということは言を俟ちません。インフラの予防保全の推進や老朽化建屋のリノベーション工事を進めることは、取り壊しと新規建設に要する経費を不要とし、高い経済効果をもたらします。このような場面では、点検や診断、補修などを効率的に、正確に行う必要性がますます高まっています。
また、新興国を中心とした世界のインフラ需要は膨大であり、経済協力開発機構では2030年までに年平均約6.3兆ドルと試算※されています。そのような中、開発したインフラの点検・整備の必要性は世界的に見ても重要性を増していることは明らかです。
※一般社団法人建設コンサルタンツ協会「令和3年度建設コンサルタント白書(2-5海外事業環境)」
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不織布を使った着色水の脱色技術と農業分野への循環利用 【用途例】閉鎖水循環システムだけでなく、畜産排水の無色化にも使用可能です。
閉鎖水循環システムのような水環境において、着色や水槽の黄ばみは換水・清掃が必要となります。一般的な水環境におけるフミン質除去に関する研究では、紫外線やオゾン処理、薬剤の使用が提案され、専用の設備が必要となります。本研究で開発する不織布は、水環境内に設置するだけで、着色を引き起こすフミン質を回収できるものです。
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