2021年度公募 seeds-1329 - 【北海道・東北】 波長選択制御を適用した高機能遮熱塗料の機械学習設計と応用開発
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VISION

ビジョン

ふく射の波長選択制御により環境負荷を低減した塗料技術を確立し、持続可能な都市・居住環境を実現したい

ナノマイクロスケールから現象を制御し、マクロスケールの都市環境問題に寄与する

ふく射のナノマイクロスケール現象は新たな伝熱制御技術発展に寄与するものとして、盛んに研究されています。しかしながら、この研究分野は数値解析による研究が主であり、実験的なアプローチを試み、また実用化まで至っている研究は少ないのが現状です。本研究では、実用化への死の谷を越えられず、理論や解析に留まっていたふく射のナノスケール効果を現実に応用するための基盤技術を確立することを目指し、研究を進めてきました。粒子による光の散乱現象というミクロスケール現象の制御により、地球温暖化やヒートアイランド現象などのマクロスケールの環境問題の解決に貢献します。

太陽光エネルギーの約50%は近赤外光であり、人の目には見えません。この光を反射することによって外壁材の太陽光吸収を大幅に低減することが可能です。また、物体表面から放射される長波長赤外線を透過することにより、日射が強いときの家屋の冷房効果を増大する効果が得られます。景観のニーズに適した色を有しながら、近赤外光の反射を大きくし、長波長赤外線を透過するという理想波長選択を有する遮熱塗料の実現と社会実装を目指します。

USE CASE

最終用途例

波長選択制御によるふく射伝熱制御を幅広い場面に応用します

USE CASE 01建物外壁、自動車塗装、遮熱塗料

APPLICATION

APPLICATION

脱炭素時代のために求められるエコフレンドリーな家屋や自動車の要素技術の確立します

住宅などの建築物の外壁材や自動車の塗装などにおいては、太陽ふく射が入射しかつ常時人々の目にさらされることとなるので、ふく射に対して伝熱的な観点、および視覚的な観点の両方から考察することが重要です。

USE CASE 02高機能断熱材、保温ビニールハウス

APPLICATION

APPLICATION

見落とされがちなふく射による熱損失の問題を解決します

長波長赤外線による熱損失は、人の目には見えないので、見落とされがちですが、長期的な視点で見ると多大なエネルギーが無駄に失われています。

STRENGTHS

強み

学術理論に則った最適化設計による短期間商品開発

STRENGTHS 01

粒子などが分散している散乱性媒体の内部のふく射輸送を理論的に計算することが可能です

開発者の経験的な予測のもと、材料を試行錯誤により最適化し、開発されてきた遮熱塗料を、学術理論に則って開発を行うことで、開発期間の短縮化を可能とします。今後、機械学習による一括最適化をも可能としていきます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

太陽光下で熱くなりにくい黒い色「冷たい黒」

TECHNOLOGY 01

黒い車や家屋の表面温度を10℃も下げることが可能となります

本研究グループでは最も熱的イメージの強い黒色の遮熱塗料の開発に成功しており、一般的な黒色塗料よりも太陽光下で10℃以上低い温度を実現しています。

PRESENTATION

共同研究仮説

SDGs目標11で掲げられる持続可能な都市及び人間居住の実現のため、エコフレンドリーな製品開発を共に実現しませんか

共同研究仮説01

地球に優しいエコフレンドリーな伝熱制御技術の社会実装を一緒に

塗るだけで冷房負荷を低減できる遮熱塗料を、お望みの色合いに合わせ、短期間で開発します。これからの時代に求められるエコフレンドリーな製品開発をお手伝いします。

RESEARCHER

研究者

江目 宏樹 山形大学 大学院 理工学研究科 機械システム工学専攻
経歴

2011年4月 – 2014年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC1)
2014年4月 – 2015年9月 東北大学 流体科学研究所 産学官連携研究員
2015年10月 – 2017年9月 芝浦工業大学 機械工学科 特任講師
2017年10月 – 現在 山形大学 大学院 理工学研究科 機械システム工学専攻 助教
2021年4月 – 現在 科学技術振興機構 創発的研究支援事業 創発研究者

【受賞歴】
2021年 本多記念会 原田研究奨励賞
2021年 日本伝熱学会東北支部 優秀プレゼンテーション賞
2021年 山形県科学技術奨励賞
2019年 日本熱物性学会 奨励賞
2019年 日本機械学会 奨励賞(研究)
2016年 IFHT2016 Best Presentation Award
2016年 日本伝熱学会 奨励賞
2014年 東北大学 工学研究科長賞
2013年 The 10th Asian Thermophysical Properties Conference Best Student Paper Award
2011年 The 8th International Conference on Flow Dynamics Best Award
2011年 日本機械学会 三浦賞
2009年 日本熱物性学会 学生ベストプレゼンテーション賞