2021年度公募 seeds-1371 - 【北海道・東北】 多糖結合ドメインを用いた酵素固定化と多糖多層担体の作製
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VISION

ビジョン

酵素を用いた物質生産 -天然多糖を担体とした酵素固定化-

多糖結合タンパク質を酵素に付加することで、様々な酵素が固定化できる

近年、石油価格の不安定化や脱炭素化の流れから、様々な方面で酵素を用いたバイオ的手法での化成品製造が検討され始めています。しかしながら、共有結合を介する酵素と担体の固定化は、処理時に酵素が失活することがあり、使用できる酵素種を狭めています。本研究では、多糖結合ドメインを多連結して各種産業用酵素に融合し、活性を保持した状態で強固に多糖担体やフィルムに固定化する方法を開発します。さらに、認識多糖が異なる多糖結合ドメインを融合することで、別種の多糖間を接着して多層化させます。工業プロセスに耐えつつ、酵素と担体の結合を高度に制御して複雑な多段階反応を行える技術を開発する。

USE CASE

最終用途例

バイオリアクター・バイオセンサーの開発

USE CASE 01固定化酵素の開発

APPLICATION

APPLICATION

多糖結合タンパク質と産業用酵の融合体を作製します。

セルロース等の天然多糖から構成される担体に対して、産業用酵素を強固に結合できるようにするため、多糖結合タンパク質を多連結化させて吸着力を高めます。共有結合法などの固定化法が不向きで、開発を断念した有望酵素もバイオリアクター・バイオセンサーに使用できるかもしれません。また、多糖結合タンパク質はアミノ酸配列の違いより様々存在するので、様々な多糖を担体として選択できます。

USE CASE 02多糖による加工技術

APPLICATION

APPLICATION

多糖結合タンパク質を利用することで表面被覆する。

多糖結合タンパク質を利用することで、微小なサンプルの表面に多糖を被覆することができます。多糖によってサンプルを保護する技術に利用できます。また、その被膜に酵素やタンパク質を固定化できます。微小な反応場を構築できます。

STRENGTHS

強み

酵素・タンパク質の探索

STRENGTHS 01

環境試料から微生物のスクリーニングを行っています。

土壌などの環境試料から微生物のスクリーニングを行ってきました。その結果、新しい酵素や多糖結合ドメインを発見することができました。それらを利用して酵素の固定化ができます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

様々な多糖に酵素を特異的に固定化でき、多段階反応も可能にする

TECHNOLOGY 01

多糖結合タンパク質を利用することで、多糖を制御することもできます。

多糖結合タンパク質を利用することで、多糖の凝集を制御したり、多糖の多層化を可能にします。多層化した多糖に対して、各層に別種の酵素を固定化できます。複雑な反応系を構築するのに寄与します。

PRESENTATION

共同研究仮説

天然多糖と多糖結合タンパク質を利用して、ファインケミカルの製造を目指します

共同研究仮説01

多糖結合タンパク質は、多糖と酵素の利用性を高めます

本研究室では、セルロース結合タンパク質を酸化還元酵素に付加し、セルロースに固定化状態で反応することに成功しています。共有結合法で固定化できなかった酵素を固定化できるようになれば、新たな化合物合成の道を拓きます。また、多糖-多糖感の結合を制御できるので、様々な加工ができます。

共同研究仮説02

多糖は古くて新しい材料です

セルロース、デンプン、デキストラン、ゲランガムなど様々な多糖が産業利用されてきました。安全が保証された材料です。新しい加工技術を開発することで、新規材料としてすぐに利用可能です。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

矢野 成和 山形大学 大学院 理工学研究科 化学・バイオ工学専攻
経歴

2005年4月-2007年3月 立命館大学 理工学部 二号助手

2007年4月-2008年3月 立命館大学 理工学部 助教

2008年4月-2012年3月 立命館大学 生命科学部 助教

2012年4月-2019年3月 山形大学 大学院理工学研究科 助教

2019年4月-現在      山形大学 大学院理工学研究科 准教授