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様々なモノがインターネットに繋がり、そこから得られたビッグデータが収集・分析され、社会に大きな革新をもたらすと期待されています。このような IOT (Internet of Things)時代に必要不可欠となるフレキシブル・ストレッチャブルセンサのような次世代フレキシブルデバイスの場合、薄くて軽く、さらに曲げられる特性を活かしてモノに直接貼り付けるだけで多くの情報を得ることができると期待されています。本研究提案の目標は、プラスチック上に形成したシリコン (Si) 及び、有機や酸化物に代表される電子デバイスを接続し、有用な機能を持たせるためのインクジェット描画技術を応用した低コスト回路配線技術を開発することです。本提案技術の対象は、回路構成に必要となる金属配線及び層間絶縁膜の形成技術であり、金属配線に於いては、描画と同時に低抵抗化する技術を開発し、層間絶縁膜に於いては、ポリシラザンを用いて必要な位置に描画後、簡易な装置・シンプルな処理のみで高品質絶縁膜へシリカ転化させる技術を開発していきます。
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雑多な中から特定の細胞を効率よく1個単位で分取する独自の細胞分取システム「レアセルソーター」の開発をしています。レアセルソーターは、直径18 µmのマイクロピラーアレイが施されたチップにサンプルを注入し、特定の細胞に対してサイズ・変形能の違いから篩分け,さらにそこから個別に細胞を分取する技術を備えています。本技術は、シンプルさゆえに低コスト化・高速化はさることながら、高純度かつ“生きたままの細胞”を処理産物として提供することが可能です。本研究では、当該1細胞分取技術の向上と、このように分取してきたプライマリー細胞をEx Vivoで培養アッセイする技術の確立を目指します。
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芳香族化合物は液晶、香料、機能性高分子、染料、医農薬品、繊維、有機ELなど幅広い分野で我々の社会を支え、身の回りの至る所に存在するきわめて重要な化合物群です。芳香族化合物合成の大量合成では (バルクケミカル合成)、ベンゼンとプロピレンと酸素からフェノールとアセトンを合成するクメン法や、アンモニアを硝酸に変換し硫酸との混酸によりベンゼンをニトロ化した後水素還元してアニリンを合成する手法などが有名ですが、化学工業的に高効率に設計されているものの、多段階合成・多量の試薬・高温/高圧等を必要とするエネルギー多消費型プロセスとなっています。化学反応として本質的に環境負荷が大きいことが原因であるため、環境にやさしい新反応経路を開発して置き換える必要があります。そこで、本研究では、脱水素芳香環形成反応というシクロヘキサノンやシクロヘキサノールといった非芳香族化合物から芳香族化合物を合成する新反応に着目しました。例えば、アンモニアとシクロヘキサノールを基質としたアクセプターレス脱水素芳香環形成反応による選択的な第一級アニリン合成が実現できれば、すでに工業化されているプロセスと組み合わせることで、形式的にベンゼンとアンモニアからアニリンと水素を合成する理想的なプロセスになります。
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流体によるエネルギーロスや騒音の発生は大きな課題としてとらえられ、様々な観点から長く研究が行われてきました。しかし、長い歴史を持つがゆえ、その研究成果は限界を迎えつつあり、大きな効果を得る手法の提案は難しくなっています。そこで本研究で目を付けたのが、物体表面の音響透過損失の制御による流体の制御です。
エネルギーロスや騒音の発生を低減するための流体の制御と言えば、境界層や渦の制御がパッと浮かぶ方もいらっしゃると思います。確かに、例えば物体表面から空気流を吹き出すことや、物体の形状を工夫することで、これまで多くの、有益な流体制御効果を得てきました。しかし、先述の通り、最適化技術やAI/機械学習技術の進歩もあり、例えば物体形状の工夫や最適化によるエネルギーロスや騒音の発生の低減は限界を迎えています。
このような背景から、これまで当たり前であったことを当たり前としない、既成概念を捨てる考えにたどり着きました。それが、物体表面の音響透過性の制御です。音響透過性の制御とは、すなわち圧力波の通りやすさを意味します。物体の表面では基本的には圧力波を全反射するものとして議論しますが、表面の素材を変え、音響透過性を高めることで、従来の流体に関する運動方程式を変え、流体を制御し、今までと異なる制御効果を得ます。
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小水力発電において、ナノ水力(10kW以下)、ピコ水力(1kW以下)の低コスト化は必要不可欠ですが、現状では、土木工事などが必要となり、400万円/kW以上のコストがかかります。そのため、売電などにより、初期投資を10年程度で回収することは非常に困難です。一方、農業用パイプラインや簡易水道などの流量は10l/s以下ですが、この流量域に活用できる小型なインライン式ハイドロタービンは存在しません。そこで、水車のコンパクト化、高出力化に有効な二重反転形羽根車を活用し、10l/s以下の流量において、300W以上の出力を実現するインライン式小型ハイドロタービンを開発します。また、コンパクトなサイズを活かし、土木工事費用を最大限に低減させ、水車の低コスト化を実現します。本研究開発では、2種類の水車の開発を予定しており、軸流式の水車については、最高出力500W、遠心力を活用する水車については、最高出力300Wを目標に設定しています。それぞれの水車の目標性能が達成できれば、高性能かつ低コストなナノ水力、ピコ水力発電が実現し、再生可能エネルギーの分野におけるイノベーションが期待できます。
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燃料電池は、水の電気分解の原理を利用し、水素と酸素を化学反応させることで、水と電気(エネルギー)を発生する装置である。CO2などの有害な排出物が無く、環境にやさしいエネルギーであり、非常に高い発電効率を示します。特に、固体酸化物形(Solid Oxide Fuel Cell, SOFC)の発電効率は60%と現在主流である固体高分子形(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)よりも高く、貴金属触媒を必要としないという利点を持つ。一方で作動温度(700~1000℃)が高く、それによる起動性の悪さや高価な耐熱性材料を用いることによるデバイス価格の上昇という問題がある。そのため、より低い温度で高い発電効率で作動するSOFCの開発が求められており、特に150℃以下で作動するSOFCが実現されれば、カーボンニュートラルの実現に向け、画期的なブレークスルー技術となると言われている。本研究では、新たな電解質材料の創成と薄膜化について挑戦することで、150℃以下での高効率発電を実現する燃料電池を開発する。
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化学品製造プロセスにおける有機溶剤等の分離・濃縮において、膜分離法は相変化を伴わない分離法であり、蒸留法と比べて大幅な省エネルギー化が可能です。しかしながら、市販の有機溶剤ナノろ過(organic solvent nanofiltration: OSN)膜は溶剤透過性が不十分であり、そのため現状では普及が進んでいないのが現状です。
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主に建築材や家具材として利用される木材は、密度の高い樹種や、物理的・化学的処理で高密度化した木質材料など、力学的強度に優れたものが一般に高品質とされています。これらの木材は、世界的な資源の枯渇や生産エネルギーコストが高く、利用が難しくなっています。今回開発した素材は、一般には価値が低いとされる低密度材を使って、非常に簡便な処理で木材をスポンジ状態まで柔らかくすることが可能です。処理条件や使用する樹種によって柔らかさを調整できる可能性があり、幅広い用途が期待できます。
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現在、日本国内では年間約900万トンに廃プラスチックが排出されています。このうち約260万トンの廃プラスチックが単純焼却等により処理され、多くのCO2を排出し地球温暖化に加担しているのが現状であり、国内での再利用が急務です。また、年間約950万トン発生する間伐材等の林地残材は75%程度が未利用であり、この林地残材をはじめとする木質バイオマスのさらなる有効利用についても検討する必要があります。このような廃プラスチックおよび木質バイオマスは水素を多く含有する水素含有廃棄物であり、石炭などの化石燃料の代替原料としてリサイクルが可能であると考えます。そこで、本研究では、回転炉床炉などを用いた還元鉄製造プロセスに着目し、還元材・燃料として使用される石炭粉の代替として廃プラスチックおよび木質バイオマスを有効利用可能な技術の開発を目指します。
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革新的廃棄物系バイオマス処理用「電気バイオリファイナリープロセス」の確立と社会実装を目指すそのシステムの構築を目的としています。この技術は2050年カーボンニュートラル達成に大きく寄与することが期待されます。プロセスの構成原理は、ゲノム編集を行った微生物を利用した「カーボンネガティブなCO2固定」と「固定に必要なエネルギー生成」応用微生物共役系です。研究成果として、エネルギー自立型CO2無排出廃水処理・有価物生産プロセスが確立されます。本事業のマッチングサポート期間では、利用する微生物のゲノム編集等の技術等によるその特性の向上・システムの最適化を行うとともに、研究成果の社会実装を目指した共同研究を行う企業とのマッチング形成を図っていきたいです。
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