2023年度公募 seeds-4711 - 【近畿】 災害に対してフェールセーフに働く太陽光発電設備用感電事故防止システムの開発
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VISION

ビジョン

太陽光発電は光が照射されると発電するため災害被災や故障時には電気安全の課題がある

災害や故障時も安全を維持できる太陽光発電の実現

太陽光発電の普及に伴い故障や事故被害に見舞われる事例も増加しています。太陽光発電は光が照射されている限り発電を継続するため、故障や災害被災時は感電事故のリスクがあります。海外では火災時における消防士の感電事故を防ぐため、電路を感電の危険性のない水準に低下させる感電事故防止装置(ラピッドシャットダウン)の設置が北米を中心に普及しています。しかし、現在普及するラピッドシャットダウンの一部では誤動作から焼損に至る事例も発生しています。近年は火災に限らず水害や風害など大規模自然災害の被害に太陽光発電が見舞われる機会も増えており、低廉かつ確実に安全を確保できる感電事故防止装置が必要であると考えました。

USE CASE

最終用途例

太陽光発電設備の感電事故防止装置

USE CASE 01様々な災害や故障時においても太陽光発電による感電事故のリスクを低減させることができる

APPLICATION

APPLICATION

太陽光発電設備に既設・新設できる感電事故防止装置

太陽光発電設備が火災や故障などの異常に見舞われたときは手動操作(火災や風害など一部災害には自動動作)で感電の危険性の低いレベルまで電位を低下させることが可能な安全装置を検討しています。

STRENGTHS

強み

災害や故障に対して自動動作もできるフェール・セーフなRSS(感電防止装置)を実現

STRENGTHS 01

リレーのみの構成とすることで確実動作かつ低廉なシステムを実現

提案する感電事故防止回路はメカニカルリレーのみで構成するため要素故障のリスクも低く確実な動作と低廉なシステムを提供できます。また、火災や風害時は自動動作でき、自立運転にも対応できます。

TECHNOLOGY

テクノロジー

災害や故障に対して自動動作もできるフェール・セーフなRSS(感電防止装置)を実現

TECHNOLOGY 01

メカニカルリレーだけで設計した構造故に動作は確実

提案する感電事故防止装置は直列に接続された太陽電池モジュールを解列し、電路から太陽電池モジュールを除外できる構造としている。リレーの動作電源の制御により感電防止装置を作動させる構造であり、風害や土砂崩れにより太陽光発電モジュールが飛散した場合は自動で安全が確保されます。温度センサで感電事故防止装置を動作できる機能も実現できており、火災時の自動動作も可能です。自立運転にも対応でき、確実に動作できる感電事故防止装置を提供できます。

PRESENTATION

共同研究仮説

太陽光発電の感電事故防止装置を共に開発し、太陽光発電システムの電気安全問題を解決しましょう

共同研究仮説01

太陽光発電設備用感電事故防止装置開発

回路構造の最適化と実装化

現在提案している太陽光発電設備の感電事故防止回路のプロトタイプを基に回路構成の最適化に向けた助言、実装品製作のための技術の提供を頂き、提案する感電事故防止装置(ラピッドシャットダウン)の実装を目指したいと考えております。共同研究を行う企業は電力関係や太陽光発電事業に関わる企業を想定しております。

RESEARCHER

研究者

濱田 俊之 大阪電気通信大学 工学部 電気電子工学科 准教授
経歴

経歴
2007.4-2010.3宮崎大学大学院農学工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)
2010.4-2014.3宮崎県職員(企業局電気課、日向土木事務所河川砂防課)
2014.4-2021.3宇部工業高等専門学校電気工学科
2021.4-現在 現職
代表論文
1)T. Hamada et al, Impact of Bypass Diode Fault Resistance Values on Burnout in Bypass Diode Failures in Simulated Photovoltaic Modules with Various Output Parameters, Energies, 16, (2023), pp.1-10.
2) 濱田俊之ほか,太陽電池モジュール内のバイパスダイオードの故障特性が焼損に与える影響,電気設備学会論文誌,42, 3, (2022年)pp.16-17
3) 濱田,中本,電磁リレーを用いた太陽光発電システム用感電防止システムの提案,太陽エネルギー,46,3,(2020)103-108.

研究者からのメッセージ

太陽光発電の健全な普及に貢献する技術開発に取り組んでいます

太陽光発電設備の多くは一般用電気工作物であり、家電製品のように手軽に導入されています。建造物屋根上に設置されることも多い太陽光発電設備の故障が焼損の原因となることは避けなければならない事象であり、火災につながる故障や感電事故低減を目指した安全技術開発に2015年度より取り組んでいます。昨今は太陽光発電所の建設に反対が起きるなど景観や安全面でも心配される声が高まる一方で、我が国では火災時に消防士の電気安全確保を目的としたラピッドシャットダウンの開発や導入が進んでいない現状から、太陽光発電の健全な普及のために提案技術について検討することにいたしました。