2022年度公募 seeds-2425 - 【北海道・東北】 高精度地質温度計による超臨界地熱資源の即時温度評価技術の開発
  • インフラ(資源・エネルギー)
  • 再生可能エネルギー
  • #地熱資源
  • #地熱貯留槽の温度評価
  • #超臨界地熱
  • #鉱物温度計
  • #コアカッティングス
VISIONビジョン

このシーズに
問い合わせる

VISION

ビジョン

超臨界地熱資源開発時の即時貯留槽温度評価

即時貯留槽温度評価による効率的な地熱開発

本事業の技術により、掘削時に随時排出されるコアカッティングスにから、試料回収後2–3日程度で坑井温度を即時に評価できるようになると、地熱貯留層の資源量を逐次評価しながら、坑井掘削の意思決定に反映することができます。また、過去の温度構造、すなわち熱履歴に関する情報を得ることができると、熱源に関する制約ができ、将来に渡る熱抽出計画を立てることができます。すなわち、本事業は掘削時の迅速な貯留槽温度の把握、さらには坑井開発に関する迅速な意思決定を可能とし、超臨界地熱発電をはじめとした地熱貯留層開発を強力に後押します。

USE CASE

最終用途例

超臨界地熱資源の掘削開発時における迅速な貯留槽の温度評価

USE CASE 01掘削後回復まで数ヶ月かかる貯留層の実温度を,高精度地質温度計により2-3日で評価

APPLICATION

APPLICATION

コアカッティングスをもちいた即時貯留槽温度評価

掘削時に随時排出されるコアカッティングスを分析することにより、試料回収後2–3日程度で坑井温度を即時に評価します。

STRENGTHS

強み

既存の実験データの無かった、超臨界地熱貯留層条件下での地質温度計の開発

STRENGTHS 01

緑泥石温度計を300℃以上の超臨界地熱条件に拡張

本研究開発では、日本の超臨界地熱貯留層で期待される酸性火成岩をもちいて、高温高圧下で直接水熱実験を行うため、日本の超臨界地熱資源貯留槽に特化した、高精度の地質温度圧力計を開発できます。また、日本には世界でも稀な高温地熱貯留層の掘削試料があるため、開発した温度計を天然岩石から検証することが可能です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

超臨界条件下における水熱反応実験技術

TECHNOLOGY 01

貯留槽岩石をもちいた実温度圧力による実証的な温度計の開発

私達の研究グループによる水熱反応実験とその生成鉱物の解析については、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されるなど国際的に高く評価されています(Uno et al., 2022 PNAS).また、天然岩石の熱力学的な解析については、高温変成岩から高圧変成岩まで様々な岩石について温度・圧力・流体圧などの解析実績があります(例えばUno et al., 2015 CMP; Mindaleva, Uno et al., 2020 Lithos, 他多数).2022年9月には「日本地質学会柵山雅則賞」を受賞するなど研究姿勢と技術、その実績が評価されています。

PRESENTATION

共同研究仮説

共同研究1:高温地熱貯留層の岩石サンプルの解析
共同研究2:高温高圧・超臨界水熱反応容器の開発

共同研究仮説01

1:高温地熱貯留層の鉱物組成の深度分布解明と開発温度計の検証

坑井カッティングス試料・情報提供と大学での鉱物化学組成分析

高温地熱貯留層を有している地熱開発会社様より、坑井の岩石サンプルの提供、検層温度・流体包有物温度など、試料や温度情報の提供を受け、大学側では鉱物化学組成の深度分布を測定し、開発温度計の検証をおこないます。

共同研究仮説02

2:高温側の超臨界貯留槽を対象とした高温高圧反応容器の開発

高温高圧水熱反応実験装置の共同開発

高温高圧下での試験機を開発する技術を有する企業様と共同し、高温の超臨界地熱貯留層の温度とその熱履歴の解析のために必要な50–200 MPa, 450–750℃の水熱反応容器を開発します。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

宇野 正起 東北大学大学院環境科学研究科(助教)
経歴

地球内部の様々な岩石と水の反応について,野外地質調査,室内化学分析,水熱反応実験,数値シミュレーション,統計・機械学習を駆使して研究しています.地殻深部の地震発生や火山生成の直接的な証拠を,地下深部の情報を記録している変成岩の中から見出し,その反応ー流体流れー破壊プロセスを明らかにしてゆきます.

近年は,上記の技術を駆使して,超臨界地熱資源の温度評価もおこなっており,本研究課題にもなっています.

■受賞
日本地質学会柵山雅則賞(2022年9月)

■代表論文
Uno et al. (2022) Proceedings of the National Academy of Sciences, 119(3) e2110776118.

■個人web page
https://geo.kankyo.tohoku.ac.jp/gmel2/index.php/member/assistant-professor/

■Research map
https://researchmap.jp/7000009998

研究者からのメッセージ

超臨界地熱資源という次世代エネルギーの確立に寄与する、新しい温度評価技術に挑戦しましょう!

超臨界地熱資源の開発には、そのエネルギー源である貯留槽の温度評価が不可欠です。高温であるがために通常の温度検層が難しい、超臨界地熱貯留層の温度を即時に評価するためには、コアカッティングスをもちいた地質温度計が大変有望です。この技術を確立するためには、国内にある大変貴重な高温地熱掘削坑井の、コアカッティングス試料とその温度データが不可欠です。御社の貴重なコアカッティングス試料を少しお分けいただくことで、地質温度計の実証と高精度化が期待できます。是非、ご一緒に世界の超臨界地熱掘削に先駆ける技術を確立しましょう。