2021年度公募 seeds-2041 - 【近畿】 熱機関を利用しない低品位なバイオマス・褐炭による高効率・低温作動の発電方法の開発
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VISION

ビジョン

燃やさない、CO2を出さない、小型化しても高効率な
バイオマス・褐炭の新規発電法

エクセルギー(エネルギーの質)の理論に基づき適切な化学反応を利用した高効率発電法

熱機関を利用した従来の発電方法によるバイオマス、褐炭からの発電効率は10~30 %程度と低く、バイオマス、褐炭発電が普及しない大きな一因となっている。発電効率が低い第一の原因は、天然ガスや高品位の石炭よりも著しく低い発熱量にも拘わらず、まず燃焼により熱エネルギーに変換する点にある。燃焼により熱エネルギーに変換すれば、そもそもエクセルギーの損失が大きいが、発熱量が低いため得られる温度レベルが低く、さらに損失が大きくなってしまう(図左)。したがって、バイオマス、褐炭を用いた発電を従来の実績を大きく上回る50 %以上の高効率とするためには、エクセルギー率の低い熱エネルギーへの変換に依存しない新たな変換方法の開発ができるかどうかに懸っている。
そこで私たちは、金属イオンを媒体にバイオマス、褐炭を適切な化学エネルギーに変換することでエクセルギー損失を小さく抑え、さらにその化学エネルギーを電気エネルギーに変換するプロセスを提案し(図右)、研究開発を進めている。

USE CASE

最終用途例

高効率化によりバイオマス発電の普及に貢献

USE CASE 01小型化しても高い発電効率

APPLICATION

APPLICATION

熱エネルギーに変換しないため、操作温度が低温で、小型化しても熱損失が小さい

提案法は小型化しても高効率を保てるため、地域に分散して存在するバイオマスを利用した小規模発電にも適用でき、バイオマス発電の普及に貢献できる。

STRENGTHS

強み

電力需要の変動にも対応可能

STRENGTHS 01

太陽光・風力発電の出力不安定を解決し、間接的に太陽光・風力発電を導入促進

本提案法では、バイオマス、褐炭によって還元された金属イオンを貯蔵(充電)することによって、電力需要変動に応じた柔軟な発電が可能である。

TECHNOLOGY

テクノロジー

CO2を回収しても高い発電効率

TECHNOLOGY 01

生成するCO2の分離回収に余分なエネルギーを投入する必要がない

本提案法では、CO2の生成を伴うバイオマス、褐炭の酸化反応に空気を直接用いないことから、空気中の窒素ガスが排ガスのCO2に混入しない。よって、CO2の分離回収が容易で、CO2を分離回収しても発電効率が低下しない。

PRESENTATION

共同研究仮説

燃やさない新規バイオマス・褐炭発電法の実用化を一緒に目指しませんか

共同研究仮説01

複雑なエネルギー、環境問題の解決に向けて、さまざまな業種の企業様のご協力が必要です

原料調達・原料提供をはじめ、プラントエンジニアリング、導入先のフィージビリティー検討などの観点からの参画をお待ちしております。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

蘆田 隆一 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻
経歴

【経歴】

2004年3月  京都大学大学院工学研究科化学工学専攻博士後期課程修了

       博士(工学)取得

2004年5月~ 米国ペンシルバニア州立大学 The Energy Institute

       博士研究員

2005年4月~ 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻 助手

2007年4月~         同          助教

2016年6月~         同          講師

現在に至る

【受賞歴】

2009年2月24日 平成20年度日本エネルギー学会奨励賞

2011年3月25日 日本鉄鋼協会研究奨励賞

2013年8月5日 平成25年度日本エネルギー学会論文賞

2013年11月13日 20th Regional Symposium on Chemical Engineering, Best Paper賞

2016年2月26日 平成27年度日本エネルギー学会進歩賞(学術部門)