若手研究者産学連携
プラットフォーム
研究シーズ一覧
カテゴリ・エリアから探す
安定構造を予測する手法は結晶構造探索手法と呼ばれ、リチウムイオン電池や水素貯蔵物質などのエネルギー材料、超伝導物質、半導体および磁性体材料といった様々な産業における新材料設計の基盤ツールとして期待されています。我々が開発しているオープンソースソフトウェアのCrySPYを用いれば、第一原理計算や原子間ポテンシャルによる構造最適化を利用することで簡単な入力から安定構造を予測することが可能です。従来の手法では、ランダム構造か進化的アルゴリズムで構造を生成するのが主流で、いつまで探索しても安定構造が見つけられないこともありました。この問題を解決するため、網羅的に構造を生成して、スクリーニングおよび選択型アルゴリズムにより最安定構造または準安定構造を効率よく探索する手法を開発します。開発した手法はツールとして提供可能なレベルにして、実際に新材料設計の応用を目指します。
詳細を見る
薬用として使用されている素材のほとんどは中国からの輸入に頼り、国内での生産はハトムギ、センキュウやアロエはおこなわれているが確保できる土地、環境や気候条件もあり全体でみると約12%にとどまっている。一方で我が国は四方を海で囲まれ豊富な海洋資源に恵まれている。そこでこの利点を生かし、海水で栽培することができる海藻から有用な素材を創出することで100 %国産の機能性素材を開発する。また本開発で用いる海藻は増殖が早く、新たに増加した炭素化合物の炭素はCO2由来であることが確かめられており、海藻の利用価値を創出してその栽培を拡大することでカーボンニュートラルな社会の実現に貢献したい。
詳細を見る
我々の研究グループではポリマーブラシ構築技術を用いて、金属、セラミクス、繊維などあらゆる物質と形状の表面にイオン性のポリマーブラシ(イオンブラシ)を安価かつ容易に付与し、ウイルスを不活性化できる表面の構築を進めています。ブラシの分子設計と合成及び実際のウイルスを用いた不活性評価によって最も不活化性能に優れるブラシ構造を選定し、ブラシの強靭性、耐久性の特徴を活かし、日常生活において年単位で抗ウイルス効果を保ち、洗濯耐久性を有し、無色透明のウイルス不活性化コーティング開発を進めています。また、我々が近年開発した ABA 型トリブロックポリマーを用いた表面偏析による表面に形成されるループブラシ(PCT/JP2018/008126)をウイルス不活化技術へ転用し,ループブラシの脱落などが生じた場合においても基材内部より新しいブラシが出現する不活化機能が再生可能な技術の開発を合わせて実施しています。
詳細を見る
SOFCの性能と安定性の両立のために、安定性確保のための組成であるNiO: YSZ 重量比=4:1にアノードの反応活性助触媒を添加し、少ない3相界面数でも活性を高めることで性能を向上させSOFCのトレードオフ解消を目指した。アノード層中で起こるアノード反応(H2 + O2- => H2O +2e– )で律速となるのがZrO2表面の酸化物イオン伝導あると報告されているので、ZrO2表面で酸化物イオンが高速に移動する領域を助触媒添加で「活性サイト」として形成することが出来れば性能向上につながると考えた。活性サイトは助触媒酸化物とアノード構成材料のZrO2表面に電極焼き付け時と還元処理中に形成されると考えている。ZrO2表面の結晶構造に助触媒の構成元素が一部拡散しそれに伴いZrO2表面の欠陥構造を変化させることで活性サイトとして振る舞う。なお、助触媒にはブラウンミラライト型構造を有する酸化物を電極反応活性助触媒として採用した。
詳細を見る
メタネーションとは、CO(若しくはCO2)をH2と反応させ、CH4を合成する反応のことを言います.工場や発電所などから発生するCO2を原料として、カーボンニュートラルCH4の生産する、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の一種の技術です。これまで提案されてきたメタネーションでは,CO2とH2OをCOとH2に還元するプロセスに電力や熱の投入が必要となるため、再エネ電力や排熱が利用する場合でも必ずしも自立性の高い技術とは言えませんでした。本課題では、金属アルミニウム粉末の高い燃焼性(還元性)に着目し、アルミニウムの酸化反応を用いてCO2とH2Oからメタネーションの原料となるCOとH2を同時に生成する、全く新しい技術の開発を行います。従って,電力や熱の投入や触媒の使用を最小限に抑えつつ、アルミナをアルミニウムに還元して再利用することで、高い自立性を持つシステムとして構成することが可能となります。脱炭素社会の実現に向け、持続可能でかつ環境負荷の低い、高効率メタネーションシステムの構築を目指していきます。
詳細を見る
有機化学は、世界最小の「ものづくり」に挑む研究分野です。多様な機能持つ素材(機能性分子)を創出するため、精密分子加工を実現する新たな技術の開発が求められてきました。 2010年ノーベル化学賞を受賞したカップリング反応は、こうした市場ニーズにズバリ答える技術だと言えるでしょう。有機分子を自在につなぎ合わせることが可能となり、多くの機能性分子が生み出されてきました。では、その「つなぎ目」を作る技術の進展はどうでしょうか?
塩素(Cl)臭素(Br)ヨウ素(I)といったハロゲン元素を含む分子(ハロゲン化合物)は、あらゆる化学結合に変換できる万能な「つなぎ目」であり、ハロゲン化合物を軸に標的分子の合成ルートを設計することが、現代の有機化学での定石となっています。また合成中間体としての価値のみならず、ハロゲン元素の導入によって有機分子の特性をチューニングできることの利用価値は、市販の医薬品&農薬の約60%がハロゲン元素を含むことからも裏付けられています。本研究の目的は、こうした価値あるハロゲン化合物を効率的に合成するため、世界最強の活性を持つ新触媒を開発することです。
詳細を見る
身の回りには数多くのフッ素化合物が存在しており,みなさんの生活に欠かせない存在となっています。これはフッ素が他の元素,例えば有機化学の主役である炭素と強い化学結合を形成する特徴があるため,フッ素を含む化合物は,耐熱性や耐薬品性などの様々な特性を有します。そのため,様々な分野で使用されてきました。
ペルフルオロアルカンスルホン酸の1つであるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は,耐熱性,耐薬品性に優れた界面活性剤であり,泡消火剤の有効成分として広く普及していました。PFOSは開発当初は無害であると考えられていましたが,強い化学結合が仇となり,蓄積性が問題となりました。現在,PFOSは残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の附属書B(制限)に記載され,国際的に製造・使用が制限されています。しかし,いまだ未処理の泡消火剤等が多く存在します。これは,単なる焼却しか処理方法がないことに起因しています。そこで,有機化学の力を使って,PFOS化学的に分解するだけでなく,新しい有用な分子へと変換することを目指します。
詳細を見る
例えば、航空機、自動車、鉄道などの安全性についての開発は、変形や振動現象を論理的に解明し機体・車体構造を検討することにより進められています。弾性定数は上述した数値シミュレーションに必須な入力値であるとともに、解析精度に最も影響を与える材料物性の一つです。これまでの弾性定数の計測には、シンプルな形状かつ力学的等方性材料に対しては機械的試験法が用いられており、力学的異方性材料に対しては複数の異なる機械的試験法が用いられております。しかしながら、3次元かつ複雑な構造に加えて、力学的異方性材料に対しては従来の機械的試験法の適用は困難です。
本研究では、固体材料の共鳴振動現象を利用した超音波共鳴法を用いることで「形状制約のない力学的異方性材料の簡易な弾性定数計測手法」を開発することを目指しています。さらに、計測した弾性定数が機械的試験法で測定される標準偏差に収まる測定精度を実現することを目標としています。
詳細を見る
生命体を構成するアミノ酸は,生命科学はもちろん,食品や薬品など様々な分野で測定対象とされています。現在,一斉分析が可能な半面,前処理や分離に時間を要するクロマトグラフィー法や選択性や活性に課題の残る酵素法による測定が行われています。本法では,前処理無しに,目的とするアミノ酸だけをモニタリング可能な手法を提供します。
詳細を見る
ミューオンは素粒子の一種で、非常に高い透過力を持っている。この特徴を活かし、これまでに宇宙線ミューオンを用いてピラミッドや原子炉などの透視が行われてきた。しかし、エネルギーも到来方向も不定な宇宙線ミューオンでは分解能・測定時間ともに限界がある。一方、エネルギー・方向ともに制御可能な人工の加速ミューオンでは短時間で高分解能の透過イメージングを得ることができるが、加速器の小型化が必須になる。そこで、加速ミューオンによるイメージング技術のボトルネックになっているミューオン加速器の小型化にむけた、ミューオン加速技術のブレークスルーに挑戦する。
詳細を見る