2022年度公募 seeds-3064 - 【九州・沖縄】 放射線還元法によるバルク炭素電極への金属ナノ粒子の固定化
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VISION

ビジョン

金属ナノ粒子で修飾されたバルク炭素電極材料を創出する

化成品合成におけるエネルギー問題の解決に向けて

エネルギー資源の問題は、現代社会における解決すべき喫緊の課題の一つです。電解有機合成は、近年の有機合成化学のホットなトピックの一つですが、その制御手法はまだまだ未発展の段階にあるのが現状です。電極上に金属ナノ粒子を固定化した電極触媒を用いることでその制御を目指す研究はこれまでにもありますが、バルクの炭素電極に微細なナノ粒子を均一に固定化するのは一般には困難とされています。本研究では、放射線を用いた金属ナノ粒子固定化法を活用することで、微細なナノ粒子をバルク炭素電極に固定化する技術を開発し、より高活性な電極触媒と電解有機合成の制御技術の創出を目指します。

USE CASE

最終用途例

電解合成反応を精密制御する

USE CASE 01電解有機合成用の電極触媒

APPLICATION

APPLICATION

お手持ちの電極を飾ってみませんか?

高い透過性をもつ放射線のメリットを活すことで、多種多様な形態の電極を修飾できます。フェルトやクロスに限らず、汎用されているグラッシーカーボンなどにも適用できるかもしれません。

USE CASE 02成型性の高さを利用した電解フロー合成への応用

APPLICATION

APPLICATION

電解合成の迅速化

炭素繊維の集まりであるカーボンフェルトやカーボンクロスは成型性、伸縮性が高いのでフロー型電解セルへの適用も容易に実現可能です。

STRENGTHS

強み

素材を選ばない高い汎用性

STRENGTHS 01

放射線の高い反応性と透過性を活かす

ナノ粒子を調整する手法には様々ありますが、基本的には比表面積の大きいナノ材料に固定化することがほとんどで、バルクの素材を用いることは通常困難です。高い反応性と透過性をもつ放射線を用いることでいろいろな素材に適用できるメリットがあります。

TECHNOLOGY

テクノロジー

放射線によるナノ粒子の調製

TECHNOLOGY 01

均質かつ堅牢なナノ粒子が調製可能

放射線還元法を用いるナノ粒子の調製技術は古くから知られており、例えば衣服に銀ナノ粒子を固定化することで抗菌性を付与したりすることができることが知られており、実際に市販品にも応用されています(Seino, S et al. J. Nucl. Sci. Technol. 2015, 53, 1021)。また、カーボンナノチューブなどの素材を用いた場合には電極そのものの堅牢性を高めるため、バインダーによる固着が必須となり、化学反応にも影響を与える可能性があります。本手法の場合、放射線還元によって生成したナノ粒子が高いエネルギーをもつためバインダーを用いずとも高い堅牢性を示します。

TECHNOLOGY 02

先端化学状態分析による電極触媒のその場観察

本研究では、実際に反応に使う修飾電極の作成の他に、担持した金属ナノ粒子の化学状態をその場観察する分光分析セルの開発にも取り組みます。我々が得意とする放射光XAFS計測を行うことで、調製した電極の性質を分光学的に明らかにできます。合成実験と分光実験を組み合わせることでより性能の良い材料の創出を一貫して実施することが可能です。

PRESENTATION

共同研究仮説

電解合成を次のステージへ

共同研究仮説01

新しい電極を一緒に作ってみませんか?

使い道を一緒に探索していただけるパートナーを探しています

電解反応は電極表面で起こるので、電極表面の修飾は反応を制御する上で極めて合成的な反応制御戦略であると考えています。電解合成以外にも使い道は多岐に渡ると思いますので、一緒に探究していただけるパートナーを探しています。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

植竹裕太 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻
(助教)
経歴

2015年 早稲田大学先進理工学研究科博士後期課程修了、博士(理学)
2015年4月〜2017年11月 理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究

センター(RIKEN CLST)特別研究員
2017年11月〜2021年3月 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻

特任助教
2021年4月〜現在 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 助教
2020年11月〜 理化学研究所生命機能科学研究センター(RIKEN BDR)客員研究員(兼任)
https://www-chem.eng.osaka-u.ac.jp/~sakurai-lab/

研究者からのメッセージ

基礎研究から実用化まで、次世代の電極素材を開発する

本研究の本懐はより良い電極を創出することにありますが、大学特有のサイエンスとしての研究も同時に進めていきます。ご興味をお持ちの方は、お気軽にメールを頂けますと幸いです。