2022年度公募 seeds-2631 - 【近畿】 高線量の中性子計測に適する量子閉じ込め型構造を有する高速応答性中性子シンチレーター材料の開発
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VISION

ビジョン

量子閉じ込め型構造を有する発光材料により従来にない高速応答性の中性子検出器を実現

He-3ガスの枯渇に対応した省資源材料で従来よりも応答性に優れる中性子検出器を実現

枯渇が課題となっているHe-3ガスを用いた中性子検出器を本技術で置き換え、省資源に貢献する。また、従来よりも応答性に優れた中性子計測を実現する。ホウ素中性子捕捉療法等の高線量場でのリアルタイム中性子計測は現状困難であり、応答性に優れる中性子シンチレーターが求められる。本技術の量子閉じ込め効果を利用した中性子シンチレータ-では高速応答性の実現が期待でき、そのような新たな中性子計測のニーズにも対応できる可能性がある。

USE CASE

最終用途例

産業、科学、医療分野に利用される中性子検出器に搭載

USE CASE 01従来より応答性に優れた中性子検出器を実現

APPLICATION

APPLICATION

ホウ素中性子捕捉療法等の高線量場でのリアルタイム中性子計測

枯渇が課題となっているHe-3ガスを用いた中性子検出器を代替し、応答性についてはより優れた性能となるため高線量場の応用にも期待が持てる。

STRENGTHS

強み

He-3ガスに比べて資源が豊富なLi-6系の固体中性子シンチレーターで従来よりも応答性に優れる

STRENGTHS 01

従来にない小さい減衰時定数により高速応答性を実現

高速応答性の技術的証拠については、D. Onoda et al., incl. N. Kawaguchi, J. Lumin. 237, 118157 (2021). 等に記載。

TECHNOLOGY

テクノロジー

量子閉じ込め効果により励起子束縛エネルギーを増大させ、室温での半導体励起子発光を利用可能にする

TECHNOLOGY 01

励起子の室温での熱解離を防ぐことで、励起子発光を利用

近年、半導体の励起子発光を利用した蛍光材料の研究が着目されているが、高速応答性に特化した研究例は少ないのが現状で、ns 台の蛍光寿命の材料は限られる。2021年の第三者のレビュー論文 [Y. Zhou et al., ACS Energy Lett. 6, 739 (2021).] に挙げられている材料においても、ns 台の蛍光寿命の材料は我々のグループの文献が多数引用されている。

PRESENTATION

共同研究仮説

研究室レベルの開発品を生産レベルまで引き上げる技術についての共同研究に期待。

共同研究仮説01

新材料の製法を生産レベルまで引き上げる品質安定性の検討

新材料の溶液法による安定生産を実現する

共同研究先には化学材料メーカーを想定している。本技術は低コストな溶液法による無機材料の製法にも関係するため、化学材料メーカーとの共同研究は、中性子シンチレーターのみならず、ガンマ線シンチレーターやその他の蛍光材料等の化学製品に発展させられる可能性があると考えられるため。

EVENT MOVIE

イベント動画

RESEARCHER

研究者

河口 範明 奈良先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科 物質創成科学領域
(准教授)
経歴

2016年4月より奈良先端科学技術大学院大学 准教授。

専門は無機材料科学、蛍光体、放射線計測などでシンチレーター、ドシメーター材料について広く研究しており、

h-indexは29(Scopus, https://www.scopus.com/authid/detail.uri?authorId=26655679100)。

主な受賞は、2018年 応用物理学会放射線分科会 第24回放射線奨励賞、2010年 日本電子材料技術協会 第47回秋期講演大会 優秀賞、

2009年 第26回応用物理学会講演奨励賞 応用物理学会。詳しい研究者情報は researchmapに記載(https://researchmap.jp/noriaki-kawaguchi

研究者からのメッセージ

特徴のある唯一無二の材料を開発したいと考えております。ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。

日本国内の様々な製品で市場規模は頭打ちになりつつあり、グローバル化も進んでいるため、世界で通用するような特徴のある唯一無二の製品を開発していく必要性が、より増してきているのではないかと思います。替えが利かないような新材料やそれを用いた製品の開発を目指しております。海外展示を通じたユーザーワークの経験もありますのでご興味のある方はお気軽にご連絡ください。