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水中に設置された固体の表面で起こる分解反応には、産業的・社会的に重要であるものが多くあります。具体的には、消化・発酵や醸造、汚泥の浄化、海洋におけるプラスチックの分解などが挙げられます。従来は、固形成分の秤量やHPLCといった手法で分解反応の評価を行ってきましたが、これらの手法では精密で高速なその場測定が困難でした。本研究では、我々が開発してきた合成高分子の微小球体化およびレーザー発振の技術を利用し、微小な高分子粒子1粒のサイズ減少を水中で(その場で)極めて精密に測定する装置を開発します。
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化石燃料に依存したCO2排出型社会からの脱却を目指し、カーボンニュートラル(CO2循環型)社会への転換が提言されて久しい。特に注目されているのは植物由来物質を原料とする技術体系確立である。本研究では、木質バイオマスであるリグニンの分解代謝生成物である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)を用い、カルボン酸をアルケンやアルキンなどの官能基に変換する。得られたPDC誘導体を重合用の二官能性モノマーとして用い、クリック反応という効率的な付加反応を利用して様々なバイオマスポリマーを製造する方法を開発する。例えば、アルキンとアジドの付加環化反応やチオールとアルケンの付加反応は代表的なクリック反応である。化学構造や重合条件を最適化することで、耐熱性や機械特性、生分解性を付与することができる。また、最近では、マイクロプラスチックの海洋環境汚染が世界的な問題として注目されている。PDCポリマーの生分解性を詳細に調査して河川や海中での分解の可能性を探索する。
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量子化学計算や機械学習を活用した仮想スクリーニングにより、高輝度・高効率・高耐久・希少金属フリーの有機EL用発光材料の探索を行います。さらに、候補材料の合成から光物性およびデバイス特性評価までの一貫した実験研究により、実用化を目指します。
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従来の貴金属、特に白金族金属(PGMs)を処理するプロセスは、高温での乾式処理や強力な酸による湿式処理を必要としていますが、これらは大きな環境負荷を伴います。リサイクルは鉱石からの精錬よりも環境に優しいとは言え、より負荷の小さな手法が必要とされています。さらに、PGMsの中でも特に難溶解性とされるロジウムやイリジウムは、自動車用触媒や半導体用るつぼへの需要がありつつも、精錬やリサイクルの難しさが指摘されています。
本研究で開発する「固体王水」は、塩化鉄を主体とする溶融塩を利用します。従来の乾式法よりも大幅に低い温度で処理でき、また湿式法で必要な強力な酸や塩素ガスは用いません。そのため、処理に必要なエネルギーや処理後の廃棄物処理の負担・環境負荷を大幅に軽減可能です。
「固体王水」は、広く利用されるPGMsである白金やパラジウムに加え、上述のロジウムやイリジウムへも適用可能です。特に後者は処理が難しいことに加え、供給量が極めて少ないことから、リサイクル手法供給の安定化に寄与できます。
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テラヘルツ領域はシリコンベースのエレクトロニクスで扱える周波数領域よりも高周波側に位置しており、従来の技術では電場波形を検出することが困難な周波数帯です。一方で、データ通信量の増大やデータ処理速度の向上などにより、テラヘルツ領域の電磁波を用いたデバイスが数多く研究されています。しかしながら、現在ではその波形をリアルタイムかつ高感度に測定できる技術は存在しないため、テラヘルツデバイス評価は難しいのが現状でした。本技術では、超短パルスレーザーを活用することで、テラヘルツ電場波形をレーザーパルス1パルスで計測できるために、テラヘルツデバイス評価に画期的な手法となり得ます。このようなテラヘルツリアルタイムオシロスコープを実現したい、テラヘルツ技術の発展に貢献したいと考えています。
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世界の人口増加や経済発展、異常気象等による水不足が深刻な社会問題になっている。一方で、水インフラ市場は100兆円規模であり、更なる成長も期待できるため大きなビジネスチャンスでもある。海水を淡水に変える技術は社会に導入されているものの環境負荷低減の技術が求められている。こうした背景から、本事業では、水不足の課題や淡水化技術の環境負荷の低減を同時に解決することを目指し、液体金属技術を応用した革新的な海水淡水化・資源回収システムを開発する事である。マッチングサポートフェーズではプラントシステムの成立に不可欠な開発項目として、新しい淡水生産方法の原理を明らかにし、淡水の品質評価、海水内溶存有価資源の分離回収機構の技術的な検証を行う。以上の研究成果に基づき、共同研究フェーズでは企業と共同で小型の試験装置を用いた動的な有価資源回収実証実験を実施するとともにパイロットプラントの工学設計を完了させ、早期の社会実装実現を目指す。
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光学的干渉ノイズの軽減を介してスペクトル情報を改善する『Phase Unsynchronized Waves Synthesizing (PuwS)』を用いた革新的近赤外分光法『PuwS-NIR』を実用化します。さらにPuwS-NIRによって得られた近赤外線スペクトルからオミクス情報等を適切にデコードすることで、対象細胞の性質・機能性等を迅速に評価することが可能な新しい可視化技術を確立し、環境や食糧問題等の解決等を目的としたバイオテクノロジー産業の推進に寄与することを目指します。
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①施工当時と同様の機械的強度を有し、②輝度5mcd/m2以上、60分後の最低燐光輝度60mcd/m2(JIS規格)の高輝度発光、③1500度級の高温暴露に耐えうる機能性セラミックスコーティングを実現します。
将来負担を軽減する維持管理技術を導入し、安全で強靭なインフラへの変革が喫緊の課題となりつつあります。今後、世界規模で日々増加するインフラストックへの補修・補強技術は、低環境負荷で、環境非依存的かつ簡便な後施工であることが望ましいと考えます。H28年の国土交通省の発表では、建築後50年を経過する道路橋が2033年に68%になるという報告がある。全体のインフラメンテナンス市場は、世界で200兆円の市場、日本でも5兆円市場になるという算出があります。インフラストックは、1973年のオイルショックごろまで続いた高度成長期、その後の20年の安定成長期の時代に大量に建設されました。笹子トンネル天井板落下事故のような事故を背景に、高齢化したインフラの大規模修繕や更新の計画が急務であると考えます。
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Within the Sustainable Development Goals for 2030 of the United Nations, #6 is to “Guarantee the availability of water and its sustainable management and sanitation for all”. Every year, the world population increases the demand for blue water. In the case of developing countries, the population grows faster than the infrastructure, increasing their exposure to health risks. One of the most affected areas by the lack of water infrastructure is the east coast of Africa and India, home of millions of people. These populations are affected by fluorosis due to the high levels of fluoride in the water occurring naturally due to the geological formations. This makes the distribution of fluoride levels inhomogeneous among the different water sources. Therefore, it is important to provide local populations with sensors that allow them to differentiate safe water sources from those with high levels of fluoride. Meeting the #6 of the SDGs requires the tool that makes humanity a unique species on the planet, its ingenuity, and its ability to collaborate.
SDGs#6は「水の利用可能性とその持続可能な管理と衛生をすべての人に保証する」ことを目標としています。世界人口が増加を続ける中、安全な水の需要が年々高まっています。発展途上国の場合、人口はインフラ整備よりも速く成長しており、なかでもアフリカとインドの東海岸などでは何百万人もの住民が安全でない水による健康被害に悩まされています。これらの原因は、地層に含まれる高レベルのフッ化物によるフッ素症であり、その多くはフッ化物に汚染された飲料水や農業用水です。厄介なことに、フッ化物の汚染レベルは水源間で異なっており、住民はどの井戸が安全ではないのかを知る術がありません。したがって、安全な水源と高レベルのフッ化物を含む水源を識別できるセンサーを地元住民に提供することが重要です。 本研究では、水中のフッ化物を信頼性高く測定できるポータブル型センサーを開発し、将来的にフッ素汚染に悩む地域の人々に安全な水を供給できるインフラの開発を目指します。
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ヒト角質層には、肌のバリア機能を担う細胞外脂質層が存在します。遊離型セラミドはこの脂質層を構成する主要成分として肌バリア機能を支える物質であり、健康食品や基礎化粧品による供給が有効です。特に機能性表示食品のスキンケア部門において、植物由来セラミドはヒアルロン酸などの他成分を大きく上回る届出件数第1位の機能性関与成分であり、その市場規模は世界的にも拡大しています。現在利用されているのは主に植物グルコシルセラミドですが、実は植物体内にはこれを大きく上回る存在量でありながらまったく利用されていない、GIPCと呼ばれる複合型セラミドが存在します。本研究では、この未利用な植物性複合型セラミドGIPCを、植物自身の代謝酵素のはたらきによってヒト肌と類似の遊離型セラミドに変換する新規技術を開発します。
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