2022年度公募 seeds-3604 - 【四国】 脂質合成技術を活かした新規界面活性剤・医農薬シーズ等の機能性素材の開発
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VISION

ビジョン

新規機能性脂質の研究開発

様々な機能を持つ脂質をモチーフとした新規機能性素材の開発を実施する。

界面活性剤や抗菌剤、ポリマーや環境調和型農薬などで活用例のある脂質ですが、生産手法が確立されていないことがボトルネックでした。私たちがもつ独自の脂質合成の手法を活かすことで、脂質型の素材開発を進めて参ります。特に、脂質が持つ高い生分解性はこれからの素材開発に要求される重要な性質であると考えています。従来開発されてきた頑丈な素材に改めて生分解性を付与することに比べ、元来生分解性を持つ脂質を出発点に開発を進めるビジョンは合理的なアプローチです。また、本研究では原料としてバイオディーゼル燃料の副生物である廃グリセリンを用いることが可能です。廃グリセリンの有効活用としてもテーマ性を有しています。

USE CASE

最終用途例

界面活性剤、医農薬シーズ、生分解性素材

USE CASE 01生分解性を有し、かつ新規な機能や活性を持つ成分・素材

APPLICATION

APPLICATION

抗菌剤、土壌改良剤、粒子形状調節剤、生分解性ポリマーなど

脂質の用途はニーズに応える形で幅広い応用が可能です。界面活性は洗剤や乳化剤または抗菌剤に応用されます。両親媒性は洗剤やDDSなどに応用されます。

STRENGTHS

強み

脂質に特化した化学合成と酵素合成の技術と知見により、幅広く効率的な生産を実現

STRENGTHS 01

化学構造の多様性とスケールの双方において強みを持つ収束型合成

これまでの10年以上にわたって脂質合成を展開してきたノウハウを活かし、新規脂質を含む多様な分子デザインが可能になりました。特にリン脂質においてはすでに100種類以上の合成例を持ち、かつグラムスケールでの合成を実現しています。

TECHNOLOGY

テクノロジー

多様な脂質の効率的かつグラムスケールでの合成

TECHNOLOGY 01

化学合成と酵素合成を組み合わせた生合成的経路を活用します

これまでに10年以上の脂質合成の蓄積と実績があります。特にリン脂質については100種類以上の合成と生理活性について報告済みであり、その中には新規のデザイン合成を含みます。
また、脂質の機能性評価には他の生理活性分子に比べて大量なスケール合成が要求されますが、それらにも応えてきました。
研究目的で数十mg、開発目的でグラムスケールでの合成が可能です。

PRESENTATION

共同研究仮説

機能性脂質の研究開発において分子デザインからサンプル合成までの一貫した共同研究

共同研究仮説01

特定の機能性に着目した新規脂質型素材の研究開発

ニーズに応える脂質を見出す・創り出す

研究開発には脂質合成と評価の両面からのアプローチが必要です。私たちはその両方に経験と知見を有しています。このため、共同研究では企業側が得意とする評価手法や合成技術を活かし、残された課題に対して科学的・技術的に共同します。油脂業界、製剤業界、バイオディーゼル関連企業との共同研究を想定しています。

RESEARCHER

研究者

安部 真人 愛媛大学大学院農学研究科生命機能学専攻・准教授
経歴

愛媛大学大学院農学研究科 生命機能学専攻
天然物有機化学教育分野 准教授
博士(農学)
2002年 京都大学農学部卒
2004年 京都大学大学院農学研究科修士課程修了
2007年 京都大学大学院農学研究科博士課程修了
2007年-2008年 京都大学大学院農学研究科 21世紀COE研究員
2008年-2009年 九州大学先導物質化学研究所 博士研究員
2009年-2018年 京都大学大学院農学研究科 助教
2018年-現在 愛媛大学大学院農学研究科 准教授

研究者からのメッセージ

様々な脂質の化学合成を展開しており、特に生分解性を活かした素材開発を共同できればと考えています。

脂質は極めて多様な分子構造を有しており、それらは機能性にも反映されます。
特に生分解性が高い特性があり、これからも高いポテンシャルを持つ化合物群として期待されます。
脂質の化学合成には高度な専門性が必要であり、それが私たちの強みとなっています。
私たちは脂質の分子設計や新規合成、さらにはグラムスケールでのサンプル合成が可能です。
脂質は植物油や細胞膜の主成分であり、素材として生体や環境圏において非常に身近です。
しかし、それゆえに高すぎる生分解性から従来の素材開発の対象には敬遠されてきました。
近年、循環型社会の実現向けて生分解性素材のニーズが高まっています。
脂質を主軸とした素材開発にご期待ください。