2023年度公募 seeds-4923 - 【関東】 未踏の酸水酸化物群から生む次世代キーマテリアル
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研究の成熟度

  1. TRL1

    基本原理・
    現象の確認

    基礎研究

  2. TRL2

    原理・現象の
    定式化

    基礎研究

  3. TRL3

    実験による
    概念実証

    応用研究

  4. TRL4

    実験室での
    技術検証

    応用研究

  5. TRL5

    使用環境に
    応じた技術検証

    実証

  6. TRL6

    実環境での
    技術検証

    実証

  7. TRL7以上

    実環境での
    技術検証

※TRL(TRL(Technology Readiness Level):特定技術の成熟度を表す指標で、異なったタイプの技術の成熟度を比較することができる定量尺度

VISIONビジョン

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VISION

ビジョン

室温飽和水蒸気の約40倍(=4000%)水蒸気炉で拓く新材料群

高濃度水蒸気中での加熱を可能とする炉を用いて、新しいた酸水酸化物材料群の可能性を切り開く

カーボンニュートラルの実現に向け、水素製造やCO₂還元で使われる水蒸気電解・燃料電池を400℃以下でも動かすことを目指しています。従来の延長ではない、新しい“プロトンがよく動く材料”の設計に挑戦中です。私たちの提案は、水酸化物イオン(実質的な担体はプロトン)と酸化物イオンの通り道を組み合わせた電解質材料の創出です。これまでに、600℃以上でも水酸化物イオンを結晶内に保てる化合物や、400℃以下で従来材を上回る導電率を示す材料を見いだしています。

USE CASE

最終用途例

カーボンニュートラルに向けたCO2還元・高温水蒸気電解を400℃以下で実現

USE CASE 01水蒸気電解・燃料電池の低温化をかなえる新電解質・電極

APPLICATION

APPLICATION

CO2還元・水素製造装置

水蒸気電解や燃料電池の低温作動を可能にする新しい電解質・電極材料としての応用を想定しています。CO₂還元や水素製造装置の小型化・省エネ化への貢献が期待できます。

STRENGTHS

強み

従来の蒸気圧では不可能な高濃度水蒸気焼成技術

STRENGTHS 01

室温飽和水蒸気の40倍濃度の水蒸気反応で新材料を開拓

室温の飽和水蒸気では不十分なため、高濃度水蒸気を供給できる炉を独自開発しました。高温の炉内へ水を一定量連続供給する方式により、20℃の飽和水蒸気(約2.4体積%)に対し最大約40倍=100体積%水蒸気条件での反応が可能です。

TECHNOLOGY

テクノロジー

酸化物イオン (O2-) と水酸化物イオン (H+) が共存する複合アニオン化合物 “酸水酸化物”

TECHNOLOGY 01

複数の陰イオンをもつ複合アニオン化合物

固体では、水が高温でも安定に存在できる場合があります。この性質を生かし、結晶の中に“水の成分”を取り込んだ酸水酸化物を開発しています。これらは中~高温域でも水酸化物イオンを保持でき、構造と安定性の関係を明らかにしながら機能材料の可能性を広げています。すでに600℃以上で保持可能な化合物や、400℃以下で高いプロトン伝導を示す材料を見いだしています。

PRESENTATION

共同研究仮説

未知の材料群”から“カーボンニュートラルを導くキーマテリアルの創生”

共同研究仮説01

400℃以下で優れたプロトン伝導の応用

高伝導材料に必要な特性の付与を検討

独自プロセスによる反応で、高い熱安定性をもつ物質群の合成に成功しました。電解質・電極として実装するには、耐久性・元素の入手性・合成コストなどの最適化が必要です。産業側の視点を取り入れた共同研究で、実用材料への展開を進めたいと考えています。

RESEARCHER

研究者

齋藤 美和 神奈川大学 化学生命学部・教務技術職員
経歴

【経歴】
◆2010年3月 神奈川大学大学院工学研究科応用化学専攻 博士後期課程修了 博士(工学)
◆2010年4月~2020年3月 神奈川大学工学部物質生命化学科 助手,助教
機能性セラミックス研究室(山村博 教授),ナノ構造材料化学研究室(金仁華 研究室),機能性セラミックス研究室(本橋輝樹 教授)において研究活動に従事
◆2020年4月より現職
機能性セラミックス研究室(本橋輝樹 教授)所属(2023年度より化学生命学部)

【受賞歴(2024年以降)】
◆2024年5月 第6回物質・デバイス共同研究賞

研究者からのメッセージ

新しい機能性セラミックスの合成はお任せください!

固体化学の知見を基盤に、優れた機能を持つセラミックス材料の研究開発を行っています。複合金属酸化物は化学組成や結晶構造を工夫することにより、電気やイオンを運ぶ性質、触媒として働く性質など多様な機能を発現します。これらを用途に応じて設計・創製する技術を有しており、燃料電池や水素製造、環境浄化などエネルギー・環境分野への応用を視野に取り組んでいます。新たな機能材料の探索や既存プロセスの高度化にご関心がありましたら、ぜひご相談ください。